TOPトーク専門家毎朝の思考日本社会にはいまもアジール(無縁所)がひそかに存在している09:02 2024年1月30日 8,628再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次アジール(無縁所)の実態とは?昭和時代の夜逃げとアジールの存在現代社会におけるアジールの影無国籍者と隠れ住む場所逃亡生活50年、その背景に潜むものAI文字起こし(β版) # 日本社会にはいまもアジール(無縁所)がひそかに存在している おはようございます。佐々木敏直です。 僕が高校生ぐらいの頃に、当時一緒に住んでいた義理の父親が いろんな事情で勤務先の会社を辞めなきゃいけなくなって その後、なんだか怪しい人たちと付き合うようになって 一発逆転を狙ったんだろうね。会社をクビになったから。 それでいろんなビジネスに手を出したり 近所にある喫茶店に根白にして なんだか変なおじさんたちとたむろして こんなでかいことをやるんだみたいな空想の話ばかりをして どうなんだろうなこの人たちっていう感じで会ったんだよね。 その中の仲良くしてた一人が 当時タクシーのメーターを作る会社を経営してた人なんだけど その会社を潰しちゃって 良しはいいのにお金に困っていた時に 借金の保証人になったんだよね。うちの父親が。 ところがそのメーターの会社の経営者はより逃げしてしまって そしたらうちに借金を返せと町金とかを押し寄せてきて 当時僕は受験生だったので一人で勉強していると 団地の鉄の扉をどんどん叩く音がして 開けるとヤクザなのか町金なのかわからないような 頭つるつるの金の鎖じゃらじゃらのおじさんがいて 金返せってどうなるみたいな。 受験勉強どころじゃないよねっていう。 今だったら事故破産するとか 何らかの方法はあったと思うんだけど 当時僕も高校3年生ぐらいでそんな知識も何もなく 父親は結局どういう道を選んだかというと うちの母親と妹と連れて夜逃げをするという道を選ぶわけです。 僕は名古屋に一人取り残されて しょうがないから新聞配達しながら自活の道を歩むんだけど 何で事故破産とかそういう方法を選ばなかったのかな というのは今になって思うんだけど 当時は多分夜逃げをするとか駆け落ちをするという 今自分が現在いる場所から全てを捨てて逃げるというのが 当たり前ではないけれどもよく見られる出来事だったんだろうな というのはちょっと記憶の中に微かにあります。 そういう人が周りに結構いた。 そういう夜逃げしたり駆け落ちしたりする人たちは 住民票を写したりできないんだよね。 今だと住民票を見るというのは本人確認 証明書も必要だし第三者だと見れなかったりするんだけど 当時はそこはすごくザルで誰でも他人の住民票を見れたんですよね。 その後新聞社になってそれはよくわかった。 住民票を調べるとか普通に取材先の住民票を調べるなんて普通にあったしね。 だから住民票も移動できない。 そうすると何の身分証明もない状態のままで 仕事をするみたいな形になって その受け皿みたいなのが世の中にいっぱいあったんだよね。 有名なところで言うと当時パチンコ店とかそうだったし あるいはスナックとか水商売に勤務するとかね。 あとは旅館がそうだったんですよね。 旅館の中江さんとかそういうもの。 うちの夜逃げした父親と母親はどうしたかというと とある地方の温泉地に行って 母親はそこの旅館の中江さんになり うちの父親はその中江さんたちが住む社員寮の管理人になる。 そこで息を潜めるようにして何年も暮らすということをやってた。 アジールって言葉があって、アジールってのは統治権力 警察とか国とか自治体とかそういうものの支配の及ばない場所 っていうような意味なんだけど 避難所とか無縁所みたいな訳し方をする。 かつては例えば寺とか教会みたいなところが 全くその統治権力を及ばない場所として犯罪者とか あるいは何かから逃げたい人 あるいは夫に暴力を振るばれて逃げた奥さん みたいなところが逃げ込む場所として認められてた。 今の日本社会、20世紀になると そういうアジールって本当に少なくなってきてるんだけど でもやっぱりどこかでそれを求めてる人はいるんだよね。 しばらく前に海外で賞を取って話題になった コレーダー・ヒロカズ監督の万引家族 あれはまさにアジールをテーマにした映画作品であって よそから見れば犯罪者集団にしか見えないかもしれないんだけど そこに行けば何の身分、アイデンティティもなくても なんとか生きていけるという場所が用意されている。 今回東アジア反日武装戦線の犯人というか 指名手配でずっと追いかけられていた人物が 病院に入院して末期がんで、でも亡くなったんだけど その亡くなる間際に自分の名前を 死ぬ前はこの名前で死にたかったって言って 自分が指名手配だってことを語ったっていう事件がありましたよね その彼の逃亡生活というのは徐々に新聞報道とかで明らかになってきていて 長く神奈川県内の土木会社で勤めていた 40年勤めていたっていうから ほぼほぼ逃亡生活の大半はそこで過ごしてたんだろうなっていう 朝日新聞が写真を掲載して、もうなんともボロボロの宿舎みたいなところなんだけど 病院にかかるのにも健康保険証も何もなくて 慈悲治療だったっていうことも報じられていて そうするとこの会社は年金とか社会保障とか 社会保険とか何もやってなかったのかって なんか怒っている人たちもいるんだけど でもこういう会社もやっぱりアジールとして 多分何か抜け皿になってたんじゃないかなと思うんだよね この締めて入る容疑者の話だけではなくて 多分いろんな居場所を作れない人たち 自分の身元を証明するものを持てない人たちって世の中にたくさんいて そうした人たちが働く場所になっている 無国籍問題なんかもそうですよね 例えば親が出生届を出していない 義務教育も活かしていない そのまま大人になってしまったっていう人たちは結構日本にはたくさんいて 彼らは無国籍で住民票も戸籍も何もないまま暮らしていると 普通の就職もできないし運転免許も取れないので そういうアジール的な場所で働いて住み込みで仕事をしている なかなか表には見えない世界ってのは やっぱりこの日本社会21世紀になっても 一枚皮をめくればその裏側に潜んでるなっていうのを感じますよね 東アジアン日武装戦争は次元そのものの是非とか全く別にして こういう人物が50年間にわたって 生きていける場所って日本社会にはまだ潜んでるんだっていう事実が 我々に何者かを突きつけている感じっていうのもちょっとするなぁと 自分の昔話を思い出しながら考えました ではまた明日 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚09:021.日本社会にはいまもアジール(無縁所)がひそかに存在しているコメント感想・質問・応援メッセージを書こう fujimoto_takasi2024年1月30日すごい!そんな壮絶な生い立ちだったんですね。僕の大好きな若新さんが、自分の人生は小説だと思って生きてると言ってましたが、佐々木さんの人生はまさに大河ですね。1返信 俊尚 佐々木2024年2月4日ありがとうございます。1 もか2024年1月30日一編の小説を読んでいるような放送回でした。いつも味わい深いお話を聞かせて下さって、ありがとうございます。1返信 俊尚 佐々木2024年2月4日こちらこそありがとうございます。1 ス・ギー2024年1月30日数日前にフォローさせていただきました。初コメントです。最近、友人が会社を立ち上げて建設会社の下請け等をしていますが、そこにはいろんな日雇い労働者がいて、運転免許がないのはもちろん、自分の名義でアパートを借りられず、人からお金を借りた直後に行方をくらませる(このことを業界用語で「飛ぶ」というらしいです)等々珍しくない現状です。友人は「この21世紀の日本に、俺たちの知らない世界があるんだな」と言っていましたが、まさに今回の「アジール」の話とつながりました。7返信 俊尚 佐々木2024年2月4日良いお話をありがとうございます。そういう世界が現代にもあるんですよね。1 tomoaki yokobori2024年1月30日いつも楽しく聞かせてもらってます。2返信
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いつも味わい深いお話を聞かせて下さって、ありがとうございます。
初コメントです。
最近、友人が会社を立ち上げて建設会社の下請け等をしていますが、そこにはいろんな日雇い労働者がいて、運転免許がないのはもちろん、自分の名義でアパートを借りられず、人からお金を借りた直後に行方をくらませる(このことを業界用語で「飛ぶ」というらしいです)等々珍しくない現状です。
友人は「この21世紀の日本に、俺たちの知らない世界があるんだな」と言っていましたが、まさに今回の「アジール」の話とつながりました。