Voicy Journal

「発達障害児を妊娠した、当時の気持ち」 − 虹色の朝陽さん

「発達障害児を妊娠した、当時の気持ち」 − 虹色の朝陽さん

この記事は、Voicyパーソナリティ虹色の朝陽さんの放送をもとに書き起こした記事です。
音声でも聴きたい方は、記事最後の再生プレーヤーからお楽しみください!

発達障害の息子、朝陽くんと生きる、虹色の世界

「発達障害児個育てラジオ」、虹色の朝陽です。この番組では発達障害の子育てをテーマに、育児への悩み、我が家の子育てについてお話ししております。YouTubeやSNSでも発信しております。

本日からしばらくの間、Voicyで発達障害の息子、朝陽のこれまでの生い立ちについてお話していこうかなと思っています。これまでYouTubeだったり、ブログやInstagramでも息子の成長過程を話してきたんですが、こちらのVoicyでも朝陽の生い立ちをちゃんとお話ししたいなと思いましたので、これまでのお話してない内容もからめながら、詳しくこちらで話していきたいと思います。

朝陽くんを妊娠していたときの話

今回の放送では、朝陽を妊娠していた頃のエピソードをお話ししてみたいなと思います。我が家の息子、朝陽なんですけれども、3才の頃に自閉症スペクトラムと診断されまして、現在は6歳になりました。

そもそも自閉症スペクトラムって何というところからお話しして、そこから妊娠していた頃のエピソードをお話してみたいなと思います。

我が家の息子は自閉症スペクトラムなんですけれども、昔は自閉症と言われていましたが、現在は自閉症スペクトラムという風に呼ばれています。このスペクトラムというのは連続体という意味で、自閉症の子どもには重度の子もいれば全く知的障害のない軽度の自閉症の子もいて、昔はアスペルガー症候群とか高機能自閉症というふうに呼ばれていました。自閉症スペクトラムといっても一人一人特性が全く違います。この自閉症というのは、文部科学省によると「他人との社会的関係の困難さ、そして言葉の発達の遅れ、さらに興味関心が狭く、こだわりが強いなどを特徴とする」というふうに書かれています。

また、自閉症の症状というのはおよそ3歳ぐらいまでにあらわれると書かれていました。自閉症の原因というのはまだ明らかにはなっていません。そして治療法もありません。自閉症スペクトラムとして生まれた子ども達は、自閉症スペクトラムという道で生きて行くことになります。

息子が自閉症スペクトラムと診断されたとき、まず母である自分を責めた


私は朝陽が自閉症スペクトラムと診断されたときに、第一に自分自身を責めました。妊娠中の食事がいけなかったかなとか、ちゃんと葉酸とか飲んでたら良かったなとか、もっと私がちゃんと子育てしてたら良かったのかなとか、しつけ方をもうちょっとしっかりしてたら良かったのかなとか、三男だから手をかけなさすぎたなとか。そして追い詰められた私は「3番目の子どもは女の子が欲しいなあ」っていうふうに、そんな事を望んだ自分にきっとバチが当たったんだなってさえ思うようになっていました。

朝陽は3人目の妊娠だったんですが、長男次男と2人の男の子を子育てしてきたので、妊娠するまでは周りの人達から3人目は作らないのとか、女の子が1人はいた方がいいよとか、そんな心ない言葉をかけられることが多くて。未だにそんな失礼な言葉をかける人がいるんだなって、そんな声を掛けられる度にまたそれかとうんざりするような、そんな毎日を送っていましたね。朝陽を妊娠すると、周りからさらに声を掛けられるようになって、最初に出る言葉が「性別分かった?」っていう言葉ばかりだったんですよね。私の3人目の子育ては、妊娠する前から周りの人の目を気にするような、そんなスタートでした。

でも長男や次男は、私の唯一の癒しの存在で「早く赤ちゃんに会いたい」とか「たくさんお世話したいな」とか、産婦人科に一緒についてきて、エコーの映像を見ながら長男次男が揃って「えーすげえ!」とか「これが赤ちゃんになるん?」とか言ってもう本当にそれはそれはうるさくて。私も大きなお腹で長男次男を引き連れて検診に行くのも一苦労でしたが、さすがに臨月にもなると長男も次男もちょっとだけ優しくなってくれて。スーパーで買い物の袋を持ってくれたりとか、今思い出すと、それはそれは世間から見れば普通の幸せな家族だったんじゃないかなって思います。

普通の幸せとはなんだろう?普通とは別の道を歩む、息子の人生

よく夫婦で赤ちゃんが生まれたら男の子と女の子どっちがいいとか、男の子だったら一緒にサッカーしたいなーとか、たまにはこんな名前が良いよねとか。女の子だったら一緒に買い物したいし、会話がしたいなあとか、でも結局はどっちでもいいよね、やっぱり健康に生まれてくれば普通に産まれてくれたらいいよねとか、きっとそんな会話をした家族も多いんじゃないかなって思います。

私もそうだったように、朝陽が生まれたときは元気に泣いているかなとか、ちゃんと手はあるかな、足はあるかなとか。目が見えるかな、耳が聞こえるかなーって、結局は性別なんかよりも、ただただ健康で普通に生まれてくるほどを望みましたし、このまま健康で普通に育っていってほしいって思ってましたね。

このときの私が思う普通の成長っていうのは、普通に言葉が話せるようになって、手を繋いで一緒にお出かけをして、公園で一緒に遊んで、普通に幼稚園へ通ってたくさんの友達ができて、普通に地域の小学校や中学校へ行って、高校生活、大学生活を送って、就職したら結婚していつか孫が産まれてって、私がこれまで送ってきた普通の生活を、きっと子どもたちも送っていくんだろうな、なんて思ってました。

別に賢くなってほしいとか、スポーツ選手になってほしいとか、そんなことは何にも望んでなくて。ただただ普通に元気に育ってほしいというのが、私たち夫婦の唯一の願いだったように思います。

そんな本当に普通の幸せを願った、私たち親が、ある日突然「お子さんは自閉症スペクトラムです」という診断を受けたときに、どんな衝撃を受けて、そしてどんな気持ちでそれを受け入れて。普通の幸せとはまた違う、別の道を歩く我が子の人生を「障害があっても幸せな人生にしてあげたい」と願う私たち親の気持ちが、どれほど普通の人に想像できるかななんて、ぼんやり考えたりしています。

息子、朝陽の人生は世間から見たら幸せな人生だと思う人がどれほどいるかな、そしてかわいそうな人生だと思う人がどれほどいるかな、なんて考えたりもします。そしてその普通とは違う道を歩む、私たち家族が幸せかどうか、皆さんはどう思われますでしょうか。

その答えは、これからゆっくりとこちらのVoicyで一つずつお話ししていきたいなと思いますので、ぜひみなさんにも一緒に見つけてもらいたいなと思います。

では次回の放送でお会いしましょう。虹色の朝陽でした。

Return Top