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子どもの『思考力』を育てるお手伝いをしてますか? – モンテッソーリ教師あきえ

子どもの『思考力』を育てるお手伝いをしてますか? – モンテッソーリ教師あきえ

この記事は、Voicyパーソナリティ モンテッソーリ教師あきえさんの放送をもとに書き起こした記事です。
音声でも聴きたい方は、記事最後の再生プレーヤーからお楽しみください!

思考力を育むために今すぐ出来ること

今日は子どもの思考力の育ちについて話したいと思います。

この思考力は生きていく上で絶対に欠かすことができません。我々大人の生活を考えてもそうです。自分の頭で考えることができるというのはとても強みにもなりますし、自分の足で、自分の軸で、自分の人生を充実したものとして心豊かに過ごしていくためにも頭で考える、思考する力は欠かすことができません。

これはある日突然、20歳になったら身につけることができるようなものではなく、日々の積み重ね、経験の中で少しずつ少しずつ培っていくものなんです。

じゃあいつから?というと、幼児期から始まっていくものなんです。もちろん思考力が発達するためには言語の能力も必要です。子どもと会話ができるような年齢になったら、という時期の話をしていきます。

子どもと会話ができるようになる3歳〜3歳半を越えてくると、ある程度お子さんと話ができるようになってきます。4歳半にもなれば大人と話してるのかな?と思うほどに子どもの語彙もぐっと増えていますし、言い回しや文法もだいぶ正確になります。もちろんまだまだ大人みたいに話せないですけれど、だいぶ対等に話ができるようになってくるはずです。

この時期、話が出来るけど自分の感情を認識してそれを言語化する能力はまだ身につけている最中です。なので、思考力を育むために私たち大人は何ができるの?って言うと、あることがポイントになるんです。

なんだと思いますか?それは対話をするということです。

すぐに答えを求めず、待ってあげる

例えば嫌なことがあって、子どもがめそめそしています。そういった時も「いつまでもめそめそしていないの!」と切り捨てたらそこで終わるんです。子どもはその後もぐずぐず、めそめそしてるかもしれないですけれども、もうそう言ってしまえば後は関わらなくていい。子どもがまた立ち直るのを待っていればいいのでたしかに簡単ですよね。

嫌なことがあっても悔しいことがあっても、悲しいことがあっても折れない心を持って欲しいから、「もういい加減にしなさい!」「そんなふうにいつまでもめそめそしてないの!」「もう気にしない!」と言っていた方がいいんじゃないか。そんな思いもあると思うんですけれども、この発達段階では自分の感情を俯瞰して認識して、さらにそれを言語化していくということができません。

自分の感情を認識して言語化する段階で、「自分はどうしたいのかな」「何が嫌だったんだろう?」「じゃあどうやって伝えたらいいんだろう」と考えることが必ず生じるんですね。そういった経験をしていくことがとても重要なんです。

それは「もういい加減にしなさい!」「いつまでそんなことしてるの!勝手にしなさい!」と突き放していたらできません。

じゃあどうすればいいのか、それが先ほどお話しした対話なんです。

対話を通して子どもが思考することを手伝っていくんです。

「何が嫌だったの?」「どこで嫌だと思ったの?」「どうしたかったの?」「どうなっていたら嬉しいの?」「じゃあどうやったら伝わるんだろう?」

こういったことですね。これを質問する。

この時に気をつけたいのが、我々大人は大体の予測がつくのである程度の答えをもって聞いてしまうことです。「こうやって早く言って!」と矢継ぎ早に聞いてしまう。これはしないようにぐっと我慢したいですね。

例えば、私たちが新しくフランス語を勉強するとしましょう。何か嫌なことがあって落ち込んでいる時にフランス語で「どうしたの?」って聞かれたとします。(質問の意味は)なんとなくわかっているんだけど、うまく表現できない。う〜ん…どうやって言おう?と思っているときに「なんだと思ったの」「ほら言ってごらん」「何を思ったの」とずっと聞かれるとちょっと待ってよ!と思いますよね。

子どもはまさにそんな感じで、まだ自分の母国語を確立している段階だから(言葉が)うまく出てこない。時間がかかるんです。だから一度こちらが問いかけて、まず子どもに考える時間を与えてあげてほしい。保証してあげてほしいんです。そして少し待ってみる。その待つという姿勢が我々大人には必要になります。

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