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専門メディアの音声活用術とは?マーケティング専門放送が人気のMarkeZineに聞く

専門メディアの音声活用術とは?マーケティング専門放送が人気のMarkeZineに聞く

この数年で、個人のインフルエンサーや専門家による音声配信が一気に聞かれるようになりました。そんな中、企業が音声で発信する「声のオウンドメディア」にもまた、人気の放送が生まれてきていることをご存知でしょうか。

新聞社や雑誌など、各メディアがそれぞれの専門性を生かしてリスナーに有益な情報を届けることで、放送のファンがだんだんと広がっていき、雑誌の購入やイベント参加につながったという事例も生まれています。

そこで、そんな「声のオウンドメディア」の中でもとくに放送をうまく活用されているマーケティング専門メディア「MarkeZine(マーケジン)」に、音声発信の効果や運営方法を伺うべく、MarkeZine編集部の渡辺さんと、Voicy代表 緒方憲太郎が対談をおこないました。

渡辺 佳奈(ワタナベ カナ)
1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

この対談は、音声でもお聴きいただけます!記事には書ききれなかったこともお話ししていますので、音声でもお楽しみください。

MarkeZine(マーケジン)とは?

それではゲストの紹介をさせていただきます。MarkeZineの渡辺さんです。

よろしくお願いします。MarkeZine編集部の渡辺です。

よろしくお願いします。まず簡単にMarkeZineさんがどんなメディアか教えていただいてもよろしいですか?

簡単に言うとマーケティング専門のウェブメディアです。読者は広告代理店の方だったり、企業のマーケティング担当者、経営層の方で、記事やストレートニュースでマーケティングに関する情報を発信しております。

内容はマーケティングの新しい手法に関することですか?それとも効果検証やマーケティング人材の育成などでしょうか?

マーケティングに関わることなら幅広く取り扱っています。上流の戦略の話から、現場寄りの検証方法・分析手法などの細かい話。あとは最新のトレンドなど、ジャンルを狭めずに扱っています。

なるほど!MarkeZineさんの記事を書く人はマーケティングに詳しい人たちが集まっているんですか?

編集者にはマーケターの経歴を持つ者もいれば、編集部に入ってからマーケティングに関わり始めた者もいますね。

なぜMarkeZineは、音声放送をはじめたのか?

MarkeZineさんがVoicyでチャンネル(番組)立ち上げることになったのは、どのような流れだったんですか?

「音声領域がアツい」という気運は感じていたんです。昨年の春、MarkeZineの定期購読誌で編集長が緒方さんにインタビューさせていただき、そのご縁でVoicyさんからチャレンジの機会をいただいたので、音声放送を始めるに至りました。

【MarkeZine、最初の放送がこちら】

なるほど。MarkeZineさんのチャンネルは『耳から学ぶマーケティング』というチャンネル名で、今フォロワー数が約7500ですね(2022年2月時点。3月現在 1万超えを達成)。結構増えてきましたよね!

すごく嬉しいです。毎日数字が増えていくのを楽しみにしています。

発信も平日、週5回おこなっているチャンネルです。コンセプトは「毎朝5分で、デジタルマーケティングに強くなる。耳から学ぶマーケティング」。かっこいいですね!

そうなんです。ただ毎朝5分のところが最近10分になったりと、超過しがちです(笑)。

MarkeZine編集部の放送づくり

具体的な放送内容は、MarkeZineさんの記事を基にした解説を編集部のメンバーが日替わりで担当しているということですが、これは何人ぐらいで作っているんですか?

現在編集部には全部で9名いて、今は1人お休みなので実質8名で回しています。

人によって、運用に対する温度差があったりするんですか?

全員体制に切り替える時にどんな反応をされるか不安だったんですけど、皆さん好意的な感じで受け止めてくれました。

最初は全員体制ではなかったんですか?

そうなんです。最初は3人で、私ともう1人のプロジェクトメンバーと編集長の3人で運営していました。そこから少しずつ慣らしていって、運営の体制を整えてから全員体制に途中で切り替えていきました。

いいですね。新規事業の作り方の見本です。初めはモチベーションが高かったり、切り開くのが得意な人たちがまずやってみて、色々イレギュラーなどを考慮した上で、これならいけるなと思ったときにみんな巻き込んでいく、と!さすがです。

リスナーから、あたたかい反響をもらえるのも音声の魅力

放送をスタートしてみての反響や、よかったことは何でしょうか?

パーソナリティーさん全員が感じていると思うんですけど、Voicyのリスナーさんって温かい人が多いんですよ。

ありがたいことに、みなさん言ってくださいますね!

放送時間が5分じゃなくなっていることについて話したら「5分じゃなくても大丈夫です」とか「もっと長くても大丈夫です」といったコメントを寄せてくださったり。
記事内容の紹介をした時も「勉強になりました」などのコメントをいただいたりすることもあります。リスナーから反応をいただけるのは、やっててよかったなと思う瞬間ですね。

【実際に届いたリスナーからの声】

最近のインターネットって、結構殺伐としてるじゃないですか。そういう中で、他媒体での発信と比べて、リスナーの反応に違いはあったりしますか?

MarkeZineはTwitterやFacebookのアカウントも持っているんですが、記事が更新されたら自動的に配信されるような使い方をしているので、フォロワーさんもお知らせを受け取るだけ、みたいになっているんですね。なので、外部の人の反応をここまで受け取れるのはVoicyだけかなと思います。

なるほど!リスナーさんからの反応も含めて、運営している編集部のみなさんの満足度はどうですか?

満足度をちゃんと聞いたことはないんですが、リスナーさんからのコメントは、その放送の担当編集者が個別で返しているんです。コメントにすぐに対応してくれてるところを見ると、みんな自分の担当した放送がどんなふうに受け止められているのかはしっかり気にしているなと思いますね。

実際にVoicyを使ってみて感じたこと

Voicyの方で、MarkeZineのチャンネルを聞いている人にアンケート調査をしたところ、95%以上の人が元々MarkeZineの書籍を買ったりイベントに出たりしたことがなかったんですね。 加えて70%以上の人がMarkeZineをまだ認知してない状態で聞きに来ているということで、結構新しいリスナーさんが来て下さっているんですね。

さらに13%の人がVoicyの配信を聞いた後で雑誌や書籍、イベントなど有料のものを購入したというデータが出てきたんです。これ、結構すごくないですか?

これはすごいです。私も先ほどお聞きしてびっくりしました。始めた当初から、新しい接点を持ちたいなというのがあって、かつ、新しい読者の方が増えるといいなぐらいのテンションでやっていたんですけど、まさかVoicyきっかけで会員登録したり、書籍などを購入してくださった方が13%もいらっしゃるなんて知らなかったです。

発信側としても、Voicyは収録アプリのUIが凄くわかりやすくて、放送しやすいです。全員体制に移行するときに収録方法をレクチャーする回を設けたんですけど、細かいことを教えなくても感覚的に操作して分かるからすごく楽でした。

シンプルですからね。

シンプルですね!BGMがつくとテンション上がりますし。

そうなんですよね。 Voicyで放送しているパーソナリティで「携帯電話の操作は得意じゃない」と言ってる方にも「Voicyは直感的に使えました」って仰っていただけることもあって、それはすごい嬉しかったです。

チーム作り、放送作りの工夫

音声配信を続ける工夫や、聞いてもらう工夫は何かありますか?

Voicyさんのご協力が大きいかなと思います。Voicyの社員さんが「こうするともっとリスナーさんが反応くれますよ」とか「平日毎日決まった時間に配信するといいですよ」とか「これぐらいチャンネルの数字が伸びましたよ」とか、伴走してくれるので、モチベーションに繋がっていたかなと思います。

あとは、続けているとどうしてもコンテンツがマンネリ化するので、対談企画などコンテンツのバリエーションを増やして配信側のモチベーションを上げていく取り組みも始めているところです。

なるほどね。前話題になったネタの新しいバージョンとか過去放送の感想、昔の続きとかも結構いいですよ。段々ネタがなくなると思うんですけど意外と過去のネタをループしても皆さん聴きたかったりするし。

1回聴いただけで全部覚えるって無理じゃないですか。だから「前も取り扱った話題なんですけど今日もこのトピックでいきますね」みたいな感じでもリスナーさんには喜んでもらえると思います。

なるほど。配信してる側って神経質になっちゃうんですよね。「5分に収まってないけど大丈夫かな」とか「過去に似たトピックを扱ったけど大丈夫かな」とか。凄く気にしがちなんですけど、そうやっておっしゃってもらえると助かります。

聴いてる方は配信者が楽しそうに話してる方がいいと思います。逆に卑屈に申し訳ございませんばかり言ってる放送の方がしんどいです。堂々と「5分超えた!けど良かったでしょ?」ぐらいの感じでいた方がいいと思います。

あとは笑い声とかも全然入れていいんですよね。自分でしゃべって笑うと相手もつられてくるので。テキストの世界って感情を乗せられないんですよ。令和の時代になっても「(笑)」でしか感情の表現できないですし。音声は感情をのせやすい、というのがあります。

あと、動画だと何回も編集したり、顔写りや目線とか、気にするポイントがいっぱいあるんです。それをまったく気にせずしゃべれるので一番内面が出るんですよね。
音声は発信者にとって凄くフレンドリーだと思います。

確かに、そうですね。

音声の一番の強みは発信者が飾らずにいられるところなのでそこを特化できるといいかもしれないですね。

私たちは専門メディアなのでフリートークに需要はあるんだろうかと思うこともあるんですが、放送の最後にフリートークを持って来れば興味のある方は流れでフリートークも聴いてくださいますね。

フリートークへの反応が一番ビビットにコメントがくるので、専門メディアだからといって専門の情報を堅苦しく伝えるだけじゃなくてもいいんだ!というのはやってて楽しいというか、嬉しい気づきでした。

マーケティングに音声はどのように活かせるのか

マーケティングをやっている会社の視点として、マーケティングに音声は活用できると思いますか?

私たちはマーケティングの実務家ではないので、あくまでメディア視点になるんですが、私は活用できると思います。

音声って一口に言ってもアプローチ方法がたくさんあるじゃないですか。Voicyみたいなプラットホームを使ってオウンドメディアみたいな形でコンテンツ発信していくこともできるし、音声広告などもありますし。

やり方は色々あるので、できそうなものや相性が良さそうなアプローチを探して他のマーケティング手法とを組み合わせながらうまく活用していくといいんじゃないかなと思います。

そうですね。組み合わせはたくさんあると思います。
あとは、最近炎上も多いので、そういった炎上を防いで、理解してくれる人たちだけに届けるといった使い方もあると思います。ボトムアップというよりトップアップで理解の深いファンを作っていくみたいな使い方でマーケティングに役立たせることができるのかなと思いますね。

そう思います。音声ってどんな効果があるんだろうみたいなところを情報収集しながら使い方を考えていくと、もっと面白い事例が出てきそうですね。Voicyさんも最近企業さんのチャンネルが増えてるので、1社1社どうかを聞いてみたいです。

日経新聞さんは、購読者へイベント紹介をするよりVoicyでイベントを紹介した方が参加者が多かったこともあるんですよ。

※「数万人に向けた購読者向けのメール告知よりも、Voicyチャンネルでの放送の方が集客に繋がるという結果も出始めている」とのこと

すごい!

マーケティングの中でも認知を広げるためだけじゃない好かれるとか愛されるためのマーケティングに、音声が使われてくるっていうのはあるかもしれませんね。

声は嘘がつけないというのも1つの特徴だと思います。企業さんが消費者からいかに信頼を得るかも、マーケターの方々が日々模索されているポイントだと思うので、そこに音声の特徴は生かせるんじゃないかと思います。

認知を取っていくデジタルマーケティングとはまた違ったところで味が出るかもしれないですね。

そうですね。「愛着の醸成」みたいなところは凄く効きそうですよね。

この間、キングコングの西野さんが、Voicyの放送で「マーケティングは営業しなくても思わず買いたくなるように見せることだ」みたいなことを言ってたんです。それってどんなビジネスでもやっぱり必要だなと思うので、もっとマーケティングに対して興味を持ってMarkeZineの放送を聴く人が増えてくるのは、僕もすごく期待したいなと思っています。

ぜひ!マーケティングって何だという方もぜひ放送を聴いてみてください。

MarkeZineさんは、僕らからすると王道なぐらい上手くいっています!しっかり社内でも理解してもらって、発信側が楽しそうにやって、リスナーさんが何千人って付くようになって、コメントも返ってくるようになっていますよね。

ここからもさらにいい状況になっていただければなと思うので、応援しております!

頑張ります!

今日はゲストでMarkeZineの渡辺さんに来ていただきました。
ありがとうございました。

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