新型コロナウイルスの感染拡大により在宅時間が増加。それに伴い、スマートスピーカーの利用頻度が高まっています。(参照:在宅環境により、Voicyのスマートスピーカー再生数が年初から2倍に。月間80万再生以上 )
音楽をかけたり、時間を確認したり、家電と連携させて操作ができたり、スマートスピーカーができることは数多くあります。
さらに、スマートスピーカーは「スキル」というものを追加すると、ピカチュウと話すことができたり、レシピサイトからレシピを検索したり、タスクの管理ができたり…使い方の幅を広げることができます。
この記事では、スマートスピーカーでできることと、スキル開発の事例をご紹介します。
スマートスピーカーとは
スマートスピーカーとは、話しかけたら答える、音声対話機能のついたスピーカーのこと。内蔵されているマイクで音声を認識して、検索をしたり、家電の操作をしたり、音声のみで操作ができるスピーカーです。
▼世界のスマートスピーカー 出荷台数の推移及び予測
2014年にAmazonが「Amazon Echo」というスマートスピーカーを発売し、続いて2016年にGoogleが「Google Home」を発売。2017年にLINEが「Clova WAVE」を発売。
世界のスマートスピーカーの出荷台数も年々増加しており、さらに普及率が上昇していくことが予想されます。
スマートスピーカーでできること
スマートスピーカーには様々な機能があり、私たちの生活をより便利にしてくれます。
例えば…
・音楽の再生
「リラックスする音楽をかけて」「クリスマスソングをかけて」など、アーティスト名以外でもジャンルや曲の雰囲気を指定して音楽を流すことができます。
・ニュースや天気予報を聴く
「今日のニュースを教えて」「今日の渋谷区の天気は?」など、ニュースや天気を確認することができます。
・アラームやタイマーでスケジュールを管理する
「朝8時に起こして」「15分後にタイマーを鳴らして」などスケジュール管理をしたり、料理中に時間を測るときにも便利です。
・質問をする
「お米3合は何グラム?」「渋沢栄一って誰?」など普段検索するような内容も、音声で答えてくれます。
・家電と連携して操作
スマートリモコンとスマートスピーカーを連携させれば、「テレビをつけて」「電気を消して」といった操作ができることはもちろん「おやすみ」と話しかければテレビや電気を全て消すことができるなど、声で様々な操作が可能になります。
・ショッピングができる
例えばAmazonのAlexaの場合「アレクサ、紅茶を再注文して」「カートに洗濯洗剤を追加して」と話しかければ、Amazonで買い物をすることができます。
スマートスピーカーでも聴けるVoicyの放送
音声プラットフォーム「Voicy」は日本初の音声メディアで、各分野のプロや芸能人など「声のブログ」やニュースの記事が声で聴ける「メディアチャンネル」や、企業が発信する声のオウンドメディアなど500以上のチャンネルを無料で聴けるサービスです。
その中でも、ニュースを中心とした一部のVoicyチャンネルは、スマートスピーカーでも聴くことができます。
例えば「Alexa、ながら日経を流して」と呼びかけると日本経済新聞の主要なニュースをスマートスピーカーから流せます。スマートフォンで操作をしなくても、話しかけるだけでニュースが聴けるので、朝の忙しい時間にもおすすめです。
VoicyをAlexaやGoogle Homeで聴けるようにするには初期設定が必要です。
Voicyで聴けるチャンネルや、設定の方法は下記の記事をご覧ください。
スマートスピーカーの「スキル」とは?
スマートスピーカーのスキルとは、スマートフォンでいう「アプリ」のような、追加できる機能のことを指します。
例えば、Alexaの場合はスマートフォンアプリなどからスキルを追加することで、機能を拡張することができます。
参考:Alexaスキルストア
おすすめスマートスピーカーのスキル
実際にどのようなスキルがあるのか、いくつかご紹介していきます。
Alexaのスマスピスキル
「アレクサ 、トマトのレシピを教えて」「アレクサ 、夏のおすすめレシピを教えて」
材料名やメニュー名を話しかけると、レシピの検索ができるスキルです。材料や作り方も音声で教えてくれるので、スマートフォンで確認することなく、スムーズに料理をすることができます。
「アレクサ 、JR東日本の山手線を調べて」
JR東日本の電車、新幹線の運行情報を確認できるスキルです。事前に情報を知りたい路線を最大5つまで登録しておけば、遅延や運休の情報をチェックできます。通勤前に、朝ごはんを食べながら、着替えをしながら…忙しい準備中に活躍します。
「アレクサ 、株価情報を開いて」「アレクサ 、株価情報で◯◯(銘柄名)を教えて」
野村証券が、東京証券取引所の取引概況や、世界の主要な株式、債券など、最新のマーケットについて解説するスキルです。。スマートフォンやパソコンで情報を確認することなく取引情報をながら聴きで手軽に確認できます。
「アレクサ、ピカチュウを呼んで」「10万ボルト!」「おはよう」
ピカチュウとおしゃべりができる「ピカチュウトーク」です。どれだけ話しかけたかや、ポジティブな言葉やネガティブな言葉を計測して、ピカチュウとの親密度も変化します。まるでピカチュウが家にいるような体験ができる、子どもにも人気のスキルです。
Googleアシスタントのスマスピスキル
「カレンダーに会議を追加して」「6月1日の予定を教えて」
自分のGoogleカレンダーと同期することで、予定を追加したり、スケジュールの確認、予定の変更ができるスキルです。話しかけるだけで、次の会議の予定などを確認することができるので在宅勤務中にも大活躍です。
「OK ,Googleトクバイと話したい」
登録した位置情報や郵便番号を参考に、近くのお店の特売情報を教えてくれるスキルです。家事や育児をしながらでも、スマートスピーカーに話しかけるだけで、その日のお得な情報をキャッチできます。
「OK, Google 食べログと話したい」「恵比寿駅のラーメン」
レストラン検索・予約サイトの食べログから、指定した駅の人気店の検索ができます。条件に合う高評価のお店の店舗情報や、口コミも音声で読み上げて紹介してくれます。
「OK, Google キティちゃんと話したい」「今なにしてるの?」「さいきんハマっていることは?」
キティちゃんとお話ができるスキル。なぞなぞやハローキティクイズ、色占いもあり、キティちゃんと楽しく遊ぶことができます。
スマートスピーカーの「スキル」の仕組み
このように、便利な機能を追加することができる「スキル」ですが、どのような仕組みで、どう作られているのか、Alexaスキルを例に簡単にご紹介します。
まず、私たちが話しかけると、Alexaは対話モデルを通して音声を処理し、ユーザーが求めていることを判別します(②)
(「アレクサ、明日の渋谷区の天気を教えて」と話しかけると、②の部分で音声を解析。「渋谷区」「天気」「教えて」など判別する))
Alexaはスキルのアプリケーションロジックと言われる、③の部分にリクエスト(要求)を送信して、③でその処理が行われます。
(②で解析した「渋谷区」「天気」のワードを③に送信して、明日の渋谷区の天気を検索。検索結果の「くもり」というレスポンス(応答)を②に返す)
②の対話モデルがレスポンス(応答)を受け取り、音声合成で「明日の渋谷区の天気はくもりです」と読み上げて私たちユーザーに音声を届けます。
スマートスピーカーの「スキル」はどう開発するのか?
②の音声対話モデルの部分(音声を認識したり、合成音声を作ったりという複雑な仕組み)はAlexaが提供しているため、こちらで開発する必要はありません。③のアプリケーションロジック部分が、それぞれのスキルに合わせて開発をする部分になります。
AlexaやGoogleアシスタント、Clova(LINE)が、各社それぞれAPIを提供しているため、そのAPIを用いて開発をします。(APIとは、外部のプログラムを共有する仕組みのこと)
プログラミング言語は、Node.jsでスキル開発をする場合が多いですが、ノーコード(プログラミングの必要がない)でスキルを開発することができるサービスも登場しています。オリジナルのスキルを開発すれば、スマートスピーカーを通して多くの人に情報を届けることができます。
スマートスピーカーの「スキル」を活用しよう
スマートスピーカーのスキルを活用することで、様々な企業が自社のサービスやコンテンツをユーザーに届けています。
実際に、野村証券や日本経済新聞、スポーツニッポン新聞社などはVoicyのインフラを活用し、スマートスピーカーに音声を流しています。(実は、Google Homeで「ニュースを流して」と言って流れるコンテンツのうち、約30%はVoicyのインフラを経由しています。)
Voicyがスマートスピーカーのスキルを開発したときの裏話は、Voicy代表の緒方憲太郎がnoteにまとめています。ぜひご覧ください。
スマートスピーカーが登場したときもVoicyは全力で乗っかっていた 【声の履歴書Vol.45】
「Voicy」が「おいしい」に聴こえる!? スマートスピーカーでの致命的な失敗【声の履歴書Vol.46】
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