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”風呂敷畳み人” 幻冬舎の設楽さんから「インタビューの極意」を学ぶ #社内勉強会

”風呂敷畳み人” 幻冬舎の設楽さんから「インタビューの極意」を学ぶ #社内勉強会

Voicyでは多様なテーマで社内勉強会を開催しています。

今回はVoicyのファンコミュニティ「Voicyファンラボ」の活動の一貫で行われている勉強会「#Voicyファンラボ勉強会」がオフィスのイベントスペースで行われ、Voicy社員も参加させてもらいました。

勉強会の講師は、Voicy人気チャンネル「風呂敷『畳み人』ラジオ」のパーソナリティ、幻冬舎の設楽悠介さんです。ウェブメディア「あたらしい経済」の編集長であり、これまでに様々な方に取材をされてきた設楽さんに、「インタビューの極意」をお話いただきました。

■株式会社幻冬舎/コンテンツビジネス局 設楽悠介さん
■Voicy:「風呂敷『畳み人』ラジオ
■Twitter: 設楽悠介「あたらしい経済」編集長 @幻冬舎(@ysksdr)

本題に入る前に自己紹介ということで、大学時代から今に至るまでのお話をされていたのですが、予定の10分では全然収まらず、最初から設楽さんの流れるようなトークを楽しませていただきました(笑)

「どうして幻冬舎に入ったのかを話しますね」ということだったのですが、

・大学時代、編集プロダクションでアルバイト
  ↓
・編集の仕事を希望して就活
  ↓
・新卒で毎日コミュニケーションズ(現、マイナビ)入社
  ↓
・しかし、配属は求人広告の営業部で新規の飛び込み営業の日々
  ↓
・競争し合う仕事が楽しくなってきた

と、このあたりでまだ幻冬舎に入っていないのに、10分経過(笑)

そんな中、当時営業開拓できない企業だった幻冬舎に求人広告の営業をかけることに。でも電話口で断られてしまい、幻冬舎の採用担当者のアポイントが取れなかったそうです。
そこで設楽さんは営業魂に火がついて、採用面接を自分が受ければどうせ受からなくても担当者に会えると思い立ち、当時ちょうど募集中だった営業職の面接を受けることにしたそうです。
で、そしたら受かってしまい、幻冬舎に入社することになったそうです。

正攻法の営業ではなくて面接に行って人事部と仲良くなろうという発想と行動力もすごいですが、そのまま面接で合格して入社してしまうというのも、さすが設楽さん!というエピソードですね。

その後はようやく幻冬舎での仕事の話に移ります。
最初は書店のルート営業だったようですが、ITやWebに強かったことから電子書籍のプロジェクトやIT企業との新規事業などを一手に任され、仕事を広げていかれます。
そして最近になって「あたらしい経済」の編集長になるなど、大学時代に希望していた編集の仕事をするようになったとのことです。

さて、本日の勉強会の本題。「インタビューの極意」について、質問に答える形でお話いただきました。ダイジェストでご紹介します。

(質問)取材相手の情報収集はどこまでやればいい?

(設楽さん)やればやるほどやった方がイイのは当たり前。作家さんへのインタビューなら、理想は著作を全部読むこと。ネットのインタビュー記事があれば全部読む。それは取材相手の人となりを知るためと、他の記者はどういうこと聞いているのかを知るため。共通して聞かれていることがあるので、それは事前理解として入れておくべき。著名人でSNSやっている方なら直近の情報を取材の直前でざっとインプットして、会話の取っ掛かりをつかんで距離を縮める。「あなたのことをよく知っています!好きです!」ということをアピールするのは大切。誰だって自分に好意を持ってくれている人については話をしようと思うもの。

(質問)事前準備はどのくらいする?

(設楽さん)想定質問集は用意するが、極力シンプルなものにしている。相手がいることなので、台本がありすぎると、台本通りに進まないときに「やばい!」と焦ってしまう。インタビューの本質は、相手の本音や深いところを引き出すこと。質問自体が大事なのではなく、質問からの答えをさらにどう質問して掘り上げるかが大事。想定質問集としては、記事の大見出しにできるような3~4ジャンル決めるだけ。質問集が多すぎると覚えておかないといけなくなるし、そうするとインタビューに集中できなくなる。また同じ理由でインタビューの最中にも、想定質問の資料は極力見ない方がいい。

(質問)相手とのコミュニケーションの仕方はどうしたらいい?

(設楽さん)相手のインタビューの慣れ度や緊張具合によって変える。緊張している場合は、よく聞かれている質問や学生時代の話とか、相手が緊張してても答えられることから聞く。インタビューに慣れている著名人等の場合は特に、事前によく調べて相手のことを好きになった上で、インタビューとは関係なく、自分が本心からその相手に聞きたいことを聞く。想定質問だとよくあるインタビューになってしまう。記事のテーマとは関係なくても、自分が聞きたいことを聞くとインタビューが個性的になってくる。インタビューではなくて、普段のコミュニケーションを取るイメージ。あえて悩み相談をしたりとかも。とにかく自分ごととして質問することが相手との良いコミュニケーションを生むコツ。

(質問)相手の話を深堀りするときに意識するポイントは?

(設楽さん)相手の話を深堀りするポイントは、やはり本質的な質問をすること、そしてそれを掘り下げること。そして時には相手が嫌がるかもしれないことを聞くことも必要。相手のことを好きになって、相手が自分に憑依するくらい相手の気持ちになった上で、聞かれたくないことを聞く(笑) ただ場の雰囲気もあるので、この難しいことや答えにくいことを聞くのはインタビューの中盤以降で。

(質問)これまでで手応えがあったり、面白かった取材は?

(設楽さん)取材の時に考えるのは、いい記事にしようとかではなく、自分が得したかどうかということ。インタビューというのは、著名人の目の前で受けられる直接レッスンのようなもの、自分一人のための講演会みたいなもの。自分だけがずっと質問していい時間。そんな中で価値観が変わるような答えをもらえたインタビューは、結果として世の中の反響も良いものになる傾向があると思う。

手応えというか、そういった意味でも自分でも一番心が動いたのは「あたらしい経済」でツイッターの創業者のジャック・ドーシーの取材。世の中の多くの人はジャック・ドーシーには多分ツイッターのこととかスクエアのこととかを聞きたいはず。でも僕は彼の発信をチェックしていて、その時彼が興味を強く持っていたはずのビットコインやブロックチェーンについて聞きたかった。そのテーマだからおそらく他のメディアには出ないのに、あたらしい経済の取材も受けてくれたし、編集部みんなで取材して心から本当に聞きたいことを聞けたインタビューになったと思う。

(質問)設楽さんの相槌を聞いていると心が落ち着きます…

(設楽さん)質問じゃないですね(笑)ただ実はインタビューには相槌はめちゃくちゃ大事。ここまでいろいろなインタビューノウハウの話をしてきたけど、特にまだインタビューになれない人は一番大切なの相槌。とにかく相槌。元気にオーバーに、ひな壇芸人ぐらいで。どんなに取材慣れしている相手でも、自分の話を相手がどう受け取っているのかは気になるもの。そんなとき小さい声で相槌しているのかどうかもわからないと、相手も乗ってこないし、面白い話できてないのかなと不安になるもの。だから「めっちゃいいこと言いますね!」「うんうん!なるほどなるほど!」「そうなんですね!すごいですね!」などととにかくオーバーにでもリアクションすることが大切。これは相手の話しやすい環境づくりでもある。また相槌がうまくなるコツは、自分が好きなインタビュアーの相槌の仕方を真似したりして身につけていくと良い。テレビやラジオを見ている時も、相槌を打つ側に意識を集中してきく。そしたらいろいろなテクニックがわかり、それを真似したり自分なりに応用していくのがいい。

ぶっちゃけトークも炸裂した本日の勉強会。

参加されたみなさんも、設楽さんの人柄に魅了されっぱなしの1時間半だったようです。

↑ 勉強会の進行をしたVoicyファンラボメンバーのツイート

「あれもこれも質問しなきゃ…汗」と頭がいっぱいになっていたことに気づいて、改めてインタビューの難しさを実感できた機会になったようです。

「インタビューの極意」は極意でありながらも、すごくシンプルで、人として当たり前の心構えだとも思いました。ただ、それを当たり前に実践できるかどうかは、経験によるものでもあり、何より人柄や人間性がとても大事になる「プロの技」なんだなと実感しました。

特にそう感じたのは、設楽さんが一番大事なこととして話された「相槌」についての話。

「元気よく相槌を打つべき」というのは、「その通りだよなぁ」と思いつつも、照れもあってなかなかできないですよね。でも、貴重な時間をくださった取材相手の気持ちに立てば、元気な相槌で共感や感謝を伝えることは、最低限のマナーとも言えるのだろうと思いました。そうすると緊張もとけて話しやすくなるし、心も開きやすくなる、と。

今日は設楽さんがインタビューされる側なのに、その元気な相槌で勉強会の温かい空気を作ってくださっていたのが、まさに「相槌の力」を実証していましたね!

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