TOPエンタメ映画・本鳥井弘文の旅と読書とコミュニティAI時代、「地縁・血縁」は若者に仕事を残すために戻ってくる。09:59 9月2日 286再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次若者とAI、最初の仕事は誰の手にAIが奪う「まだ下手な人間」の機会公正を極めると人間が選ばれない理由次世代へ繋ぐ「責任の世襲」の必要性最適ではない「縁」が人間を守る未来AI文字起こし(β版) # チャプター 1 こんにちは。鳥居博文です。 働くをテーマにした台場型オンラインコミュニティ 和製サロンを運営しています。 さて、本日のお題は AI時代、遅延、欠延は、若者に仕事を残すために戻ってくる というテーマでお話ししてみたいと思います。 今日も昨日ブログに書いた内容です。 それでは早速本題に入っていきますね。 先日、好きに押していいよは自由の言葉であると同時に 見捨てる言葉でもあるという記事を書きました。 その翌日にたまたま24時間テレビで ジブリの鈴木敏夫さんとその娘の鈴木真美子さんが 出演されているという情報がXに流れてきました。 話題の中心は映画耳をすませばのカントリーロードのお話です。 あの曲の日本語の歌詞を書いたのが 当時18歳だった真美子さんだったという ジブリ好きにはおなじみのエピソードです。 あのブログを書いた直後のせいだったのか いつもとは少し違う角度からこの話が引っかかったんですよね。 今日はそのことについてこのボイスの中でも語ってみたいなと思います。 当時鈴木真美子さんはもちろん作詞家ではありませんでした。 ただ中学生の頃から人知れず詩を書き溜めていたんだと。 そして作詞に行き詰った宮崎駿さんが 主人公の雫と年の近い人の言葉を見てみたいと考えて 鈴木敏夫さんの娘さんにその依頼をしたんだと。 本人は参考程度のものだと思って書いたと振り返っていますが 最終的には宮崎駿さんがその歌詞を絶賛し 多少の手を入れてあの歌詞になったんだと。 これっていうのはとても素敵な話だなって思うんです。 ただここでなんて素敵な親子の話なんだって終わらせずに 少し現代的な問いを置いてみたいなって思うんです。 もしこれが現代の一般的な会社だったら この仕事は一体誰に頼まれているのか。 実績のない18歳の若者かそれともAIなのか。 多分AIでいいという判断になるはずなんですよね。 主人公と同世代の感性でっていう風に AIに指示をすればそれらしい歌詞はいくらでも出てくる。 早いし安いし一定以上に上手なわけですよね。 でもそれが自分たちの娘だったら 一回やらせてみるみたいな話が起きるわけです。 この違いが今日の話の出発点になります。 先週僕が繰り返し考えてきたことの一つに 初心者の席みたいな問題があります。 AI以前の社会では初心者は確かに下手くそでした。 でも誰かにやらせなければ 次の熟練者が育っていかない。 だからこそ新人向けの仕事がどんな業界にも存在していたわけですよね。 下手なのはすでに織り込み済みであって それでもその新人用の席が用意されていたわけです。 ところがAIは新人よりも上手くて早くて安い。 しかも育成コストもほとんどかからない。 僕が本当に気になっているのは 仕事そのものが奪われることではないんです。 AIによって失われるのは まだ下手な人間にあえて仕事を任せる理由の方なんじゃないか。 仕事は残るかもしれない。 でもその仕事をまだ何者でもない人間に 渡すための理由だけが 超優秀なAIが世間に登場したことによって 静かに消え去ってしまうわけです。 以前とは少し違って見えるようになってきたなと思うんですよね。 自由主義的な社会においては 娘という理由だけで仕事を渡すというのは 基本的には怪しい話なんです。 猿子や骨、刺繍みたいなものは不公平であって 広く攻防して能力で選ぶ方が公正だった。 誰かの子供だからという理由ではなくて 本人の力で選ばれる社会が公正であると。 これは圧倒的に正しいし、僕も今でもそう思っています。 でも、AIが能力競争の輪の中に入ってくると 妙なことが起きるんですよね。 最も能力の高い存在を公正に選んだ結果 人間が選ばれなくなってしまう。 公正さを徹底すればするほど、実績のない人間には 順番が回ってこないし、全てをAIに任せることが 合理的な判断になってしまうわけです。 その時、娘だから一回任せてみる。 この土地の若者だから次を任せてみるという 不公平な関係性が、人間に対して機会を残すための 合理性として、もう一度舞い戻ってくるんじゃないか。 昔なら怪しかった理由が AI時代には、人間へ仕事を手渡していくための 最後の防波堤になるんじゃないか。 今日一番主張したいのも、まさにこの点です。 ただし、これは接種を復活させようという話ではありません。 鈴木敏夫さんの娘だからという理由において 自分の仕事を独占していいという話には 全くならないというふうに思います。 昔の縁というのは、人間を基本的には拘束するものでした。 この家に生まれたんだから、この仕事をしなさい。 この村の人間なんだから、一生ここにいなさい。 そんなしがらみから人間を解放したのが近代であり 自由主義の功績だったはずですよね。 でも、これから戻ってくるかもしれない縁というのは 方向がその逆なんです。 あなたには別の人生を選ぶ自由がある。 だから、最初の一回だけは私が信用を課すよと。 つまり、遅延や欠延みたいなものが 逃げられない理由から、まだ何者でもない人を 受け入れるためのそんな理由へと変わるわけです。 だから、これというのは自由主義を通過した後だからこそ 可能になる新しい縁の形であり姿だなというふうに思うんですよね。 権利の接種みたいなものは完全に閉じてしまう方向に向かうんだけども 責任の接種みたいなものは意外と繋ぐものに繋がるんじゃないかと。 ここから少し大きな話になります。 近代の自由主義がやったことというのは単純化すれば 誰の子として生まれたかによって何者であるかを 最初から決められなくていいという、そういう解法でした。 これというのは絶対に手放したくない、そんな人類の進歩だなというふうに思います。 でも、その時同時に弱くなった構造もあるわけですよね。 自分の次を自分が用意するという構造です。 昔の家というものは財産や身分を接種する装置であると それと同時に仕事や信用、そして責務なんかを 継ぐための装置でもあったわけですよね。 これを受け取るなら、この責任も同時に引き受けなさいと 権利と責任を一緒に継承する仕組みが家だったはずなんです。 自由主義というのは権利の接種を壊した。それは良かったことです。 でも同時に責任の接種までを壊してしまったところに 問題があったんじゃないかというふうに思うんですよね。 一代の覚悟みたいなものはどれほど強くてもやっぱり一代で終わってしまいます。 街の再開発や各のごみ処理場の話のように 本来何代にもわたって責任を継承しなければならないようなこともあって 誰も責任を受け継がないまま野ざらしになってしまうわけです。 そしてAI時代にはこの問題がもっと露骨になるわけですよね。 先日AIには責任だけは渡せないという話を語ったというふうに思います。 調査も政策も、そして計算や提案も、何だったら実行すらも AIはどんどんと引き受けてくれる。 それでも最後まで人間側に残るのは これは誰の名前でやるのか、失敗したら一体誰がその責任を引き受けるのかというような問いです。 露骨的に言えば巨大なAIの身体の上に 責任主体としての人間の生首だけが乗っかっているような状態なわけですよね。 でもその生首が数十年ごとに消えてしまったらどうなるのか。 AIによって人間が巨大な作用を短時間で生み出せるようになると 作用の寿命と責任者の寿命が完全に釣り合わなくなります。 AIが下した判断の影響は100年後も社会の中に残るのに その判断に名前を貸した人間というのは数十年で表舞台からいなくなってしまう。 だからAI時代には責任主体としての人間を育てるだけでは足りないわけですよね。 責任主体そのものを代替わりさせる仕組み、従来の家のような仕組みが必ず必要になるんです。 ここまで来ると最初の鈴木まみ子さんの話も 単なる若者にチャンスを与えるという育成論ではなくなってくるなというふうに思うんです。 なぜ初心者に責を渡さなければいけないのか。 それは次の責任主体を作らなければ責任の系譜そのものが途絶えてしまうからです。 1代目が何でもAIであれば1代目はとんでもなく生産的になれる。 でもそれでは2代目が育たないわけですよね。 だから僕が今思うのは近代ってのは人間を世襲から解放したんだけれども これから必要なのは人間をもう一度世襲させることなんではないかってことです。 誰がその席に座るかは自由でいい。 知恵でなくても養子でも弟子でも地元の若者でもいいわけです。 それは本人の意思で選べばいい。 ただこの責任を次へ渡すという義務だけは決していけないんだろうなと。 権力の世襲ではなくて責任の世襲です。 所有の相続ではなくて引き受けの相続みたいな話です。 そしてまだ実績のない人間、AIよりも完全に劣っている人間に対して わざわざ席を渡す理由として今も一番強いのはやっぱり血縁だなというふうに思うんです。 ここはどれだけ時代が進歩しても簡単には変わらない人間の本質だなというふうに思うんです。 そして多分ここが一番未来的なところなんですよね。 なぜ血縁や遅延が今舞い戻ってくるのか。 人間が星化するからじゃないんです。 AI時代最適化しない理由こそが必要になるからですよね。 AIは最適な人とか最適な答え、最適なコストを淡々と選び続けるわけです。 でも人間の社会には最適ではない人間を選ばなければ 次世代が育たない領域があるわけです。 その時に娘だからとかこの土地の子供だからとか このコミュニティの次世代だからというそういう理由がちゃんと聞いてくるわけです。 近代合理主義からすればどれも怪しい理由ではあるんです。 でもAI時代にはその怪しい理由こそが 人間に機会を渡し続けるその根拠になるんだろうなって思うんです。 縁っていうのは最適ではない存在にそれでも機会を渡すために 非常に人間らしい不合理な理由になっていくのかもしれないなって思うんです。 そしてAIっていうのは天皇制における摂政のように その次世代を支援することに使っていくことになるんだろうなって思ってます。 さて今日のお話は以上となります。 いつもこのボイスを聞いてくださっている皆さんにとっても 今日のこのお話が何かしらの考えるきっかけとなっていたら幸いです。 それでは今日はこの辺で。また明日。 もっと見る鳥井弘文の旅と読書とコミュニティプレミアム放送配信中!09:591.チャプター 1コメントプレミアムリスナーになるとコメント欄に参加することができます プレミアムリスナーに参加する
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