TOPビジネスキャリア人事図書館ラジオ 人事にまつわるさまざまなテーマを発信中2026/5/15 金曜パーソナリティ(みつ)_初任給を上げるとき、人事は何を説明するのか16:16 5月15日 140再生 問題を報告する 再生する シェアする 金曜パーソナリティの”みつ”の11回目のトーク。初任給の引き上げについて人事はどう向き合うと良いのか、というテーマで話しています。人事図書館HP: https://hr-library.jpもっと読むAI目次初任給が上がる背景と人事の問い初任給の歴史的変遷:一律制の起源現代の多様な人材と初任給戦略初任給改定で示すべき理由と基準既存社員への説明と企業の人材観AI文字起こし(β版) # オープニング 中本まのびで未来を開く人事図書館ラジオ この番組は、人事図書館スタッフが様々な人事の悩みについてお話ししていきます。 さあ始まりました。人事図書館ラジオ。 皆さんおはようございます。金曜日パーソナリティーの三つです。 毎日日替わりのパーソナリティーでお送りしている人事図書館ラジオ。 本日のテーマは、初任給をあげるとき、人事は何を説明するのかについてです。 # 新卒者の初任給の歴史を紐といてみる 改めまして、皆さんおはようございます。 人事図書館スタッフの三つです。 今日はですね、初任給について話をしてみたいと思います。 最近ですね、新卒採用のニュースを見ていると、 初任給の引上げに関する話題がかなり増えていますよね。 直近でもですね、日本の人事部に掲載されていた、 労務行政研究所のデータではですね、 2026年度、新入社員の初任給調査でもですね、 当初プライム上場企業205社の速報集計として、 初任給を全学歴で引き上げた企業が75%を超える、 このような結果が出ていました。 大学卒のですね、初任給の水準は 265,708円という結果も合わせて出ていました。 若年人口が減っている、 また採用競争が激しくなっている、 物価も上がっている、 そうした中でですね、初任給を上げること自体、 かなり自然な流れになっているのだなというふうには思っています。 一方でですね、現場の人事としては、 ここでかなり難しい問いが出てきます。 新卒の初任給を上げる、 またITエンジニアなど特定のスキルを持つ学生には、 さらに高い初任給を提示する。 そうなってきた時に、 既存の社員にはどういうふうに説明するといいのか。 同じ新卒の中でも差をつけるとしたら、 その差は何に基づくものなのか。 そして、自社の給与、 これは何を大事にして決まっているのか。 今日の起点となる問いはこれらです。 初任給を考えるとき、 人事は何を説明する必要があるのでしょうか。 ちょうどですね、このテーマについて、 企業実務さんでですね、記事を寄稿させていただきました。 その中で書いたのが、初任給の歴史についてでした。 今、私たちは何となくですね、 大卒の初任給は一律という感覚を持っています。 もちろん企業によっては金額が異なってきますが、 同じ会社の中では同じ学歴、 また同じ区分であれば初任給は横並び、 そんなイメージがあるのではないかなと思っています。 でもですね、歴史を遡ってみるとですね、 実はそうではなかったということが分かってきました。 日本の民間企業における新卒の定期採用、 これはですね、明治12年頃が始まりとされています。 その後ですね、第一次世界大戦の後継で、 企業が急成長していて、 高等教育を受けた学生の奪い合いが起き、 今の4月、1月入社の原型ができてきたというところです。 当時の大卒者というのは、本当に一握りの超エリートだったので、 その初任給には実は明確な差がありました。 これがですね、卒業大学によって変わっていたというところです。 例えば、帝国大学の法科の専攻、また東京高等商業、 今のですね、一橋大学の卒業生であれば、例えば40円。 一方で、早稲田大学の政系の卒業生であれば32円。 慶応義塾大学では28円。 このようにですね、出身大学によって初任給が違うというのが、 当たり前の時代があったというところです。 この今の感覚からすると、かなり直接的だなと、 少し違和感を持つことも多いのではないかなと思いました。 でもですね、当時はそれが企業にとって、 どの大学が出たかによって最初の給与が変わるというのは、 合理的だと考えられていたというところです。 ただですね、その後に変化が起きてきて、 大正時代、いわゆる大正デモクラシーなどの社会的な平等志向、 こういった流行りの中でですね、また優秀な人材を獲得したいという企業側の思惑、 こういったものが相まってですね、大正12年にはですね、 三菱が大学ごとの初任給格差を減らす取組に着手をし、 三井の財閥系もそれに追随して賃金格差を撤廃したと。 こういった流れの中で、今私たちが当たり前だと思ってきた、 大卒一律の初任給というところが形作られてきたというのが、 歴史を上ってみると分かってきたところになります。 ここでやっぱり面白いなと思うのは、 一律初任給という仕組みが、ただの給与ルールではなかったということです。 つまり一つは平等の思想がそこにはあったというところ。 出身大学によって最初から差をつけるものではなく、 同じ大卒者として扱う。 これが当時の社会の空気ともつながって確立していったというところでした。 またもう一つ採用戦略に基づいていたというところがあります。 つまり優秀な学生を採用したい企業にとっては、 うちは大学によって差をつけませんというようなメッセージ。 これが学生にとって魅力的なところです。 これが学生にとって魅力的に移ったというところかと思います。 つまり一律初任給は単にみんな同じでいいよねという話ではなく、 当時の労働市場の中で企業が人材を獲得するために選んだ、 ある意味一つの合理的な仕組みだったというところになります。 実はその後、1920年代半ばになると不況が訪れ、 いわゆる就職希望者が企業に殺到し、 選抜試験が定着していったというような流れもありました。 このように見ていくと、新卒採用の仕組みというのは、 最初から完成された制度ではなくて、 企業と学生の力関係、経験、 高等教育を受けた人材の希少性、 社会の平等志向に影響を受けながら、 少しずつ形を作られていったものだということがわかります。 # 人事は何を説明するのかを考える では、現代に戻って少し考えてみたいと思います。 今起きている初人級の引き上げであったりとか、スクリーンによる初人級格差の設定、これは全く新しいこと取り組みなのでしょうか? 個人的には、やはり歴史をひも解いてみると、そうとは言えないなと思っています。 むしろ歴史的に見ると、かつて先人たちが激しい人材獲得競争の中で編み出した横並びの仕組みが、現代の事業環境に合わなくなってきている。 こんな捉え方ができるのではないでしょうか。 やはり今は、企業が必要とする人材も多様化してきています。 ITエンジニアであったりとか、AI人材、またまたグローバル人材、一方で学生側の価値観も多様化してきています。 会社名だけではなくて、成長機会、働き方、社会的意義、専門性の生かし方など、いろんな要素で会社を見ているなと思います。 そうなってくると、初任給を一律にすることが本当に合理的なのか、あるいは一定の差をつけることが自社の採用戦略として必要なのか、 ここを考える会社が増えるのは自然な流れではないかなと思います。 ただしここで大事なのは、金額だけを見ないというところです。 初任給を上げること自体は採用競争上必要かもしれません。 また特定の職種に高い初任給を設定することも事業戦略上必要かもしれません。 でもやはり人事として考えたいのは、その給与にどんな意味を持たせるのかということです。 初任給を上げるとき、人事が説明するべきこと、これは3つほどあるかなと思いました。 まず1つ目、これはなぜ上げるのかというところです。 単にですね、他社が上げているから、だけでは弱いですよねと。 もちろん市場水準を見ることは大事ですけれども、 自社としてどんな人材を迎えたいと考えているのか、 その人たちにどんな期待をしているのか、 事業のどこに人材投資をしたいのか、 ここまで言葉にしていく必要があるかなと思います。 2つ目です。 人材投資とは何かというと、 どこに人材投資をしたいのか、 ここまで言葉にしていく必要があるかなと思います。 2つ目です。 誰に対してどんな基準で差をつけるのかというところです。 特定の職種であったりとか、特定のスキルに対して高い初任給を提示する、 それであればやはり基準というのが必要になってきます。 なんとなくエンジニアだから高いというのではなく、 なぜその職種なのか、 どんなスキルや役割に対してどの程度初遇差をつけるのか、 また入社後の評価、昇給とどう繋がるのか、 このあたりが合間になってしまうと、 採用時点ではうまくいったとしても、 入社後に不公平感が生まれてしまいます。 そして最後3つ目。 既存社員への説明になります。 実はここが一番難しいかもしれないなと考えています。 新しく入ってくる人の初任給が上がる、 場合によっては数年前に入社した若手社員とほとんど変わらない、 企業によっては逆転してしまうようなケースもあったりする。 そうなった時に既存社員は当然、自分たちは何だったのか、 これまで積み上げてきた経験はどう評価されるのか、 新卒を取るためであれば今いる社員の納得感は後回しになってしまうのか、 こういった思いに駆られるのではないでしょうか。 この問いに向き合わないままだと、 初任給だけを上げると採用が強くなったとしても、 組織の中に静かな不満が残る可能性があります。 だからこそ、人事は新卒採用のための給与改定としてだけではなく、 それに合わせた既存社員との処遇や成長、評価との関係まで含めて考える必要があります。 やはりここで大事になってくるのは、 初任給をただ金額として見るわけではないということです。 初任給というのは、ある意味会社から候補者へのメッセージでもあります。 同時に既存社員へのメッセージでもあります。 私たちはどんな人を必要としているのか、 どんな能力に価値を置いているのか、 どんな人に価値を置いているのか、 どんな人に価値を置いているのか、 どんな人に価値を置いているのか、 入社後どのように成長してほしいのか、 今いる社員の経験や貢献をどう見ているのか、 こういったところも含めて考えていく必要があります。 給与制度については、どうしても数字の話に見えてしまいます。 しかし、その奥には会社の人材感みたいなものがあります。 誰に報えていくのか、何を期待するのか、 どんな成長を促したいのか、どんな組織でありたいのか、 こういったところとつなげていかないと、 制度は動いているのに、組織の中での納得感が追いつかないということは出てきます。 今日ここでお話した内容が唯一の正解ということではありませんが、 やはり問いとして我々が持っておきたいのは、 その初任給、これが自社のどんな考え方を表しているのか、 この問いを思っていただくと良いのではないでしょうか。 # おわりに 今日は、初任給をあげるとき、人事は何を説明するのかについて考えてみました。 いかがでしたでしょうか。 今日の話をまとめると、ポイントは3つありました。 1つは、初任給の一律性というのは、昔から当たり前だったわけではなく、歴史の中で作られてきた仕組みだったということ。 2つ目は、今起きている初任給の引上げや職種別の初任給格差というのは、現在の獲得量相や事業環境の変化を反映しているということ。 3つ目は、だからこそ人事は金額だけではなく、なぜあげるのか、誰にどう差をつけるのか、既存社員への説明はどのようにするのかを言語化する必要があるということです。 人事書館は、こうしたリアルな悩みであったりとか、今起きていること、今世の中で働き方、あとは人事がどのように変化してきているのか、 こんなところをメンバー同士で意見交換をしながら一緒に学びを共有しています。 今後も、こんなテーマを取り上げてほしいであるとか、相談してみたいことがあるということがあれば、ぜひ人事書館の中で教えていただけたらなと思います。 それでは、今日はこの辺りで。 今日も聞いてくださってありがとうございました。 皆さん、良い週末をお過ごしください。 ではでは。 もっと見る #コミュニティ #採用 #初任給 #報酬 #気になるニュース #朝の会 #人事図書館 人事図書館ラジオ 人事にまつわるさまざまなテーマを発信中人事図書館00:341.オープニング07:132.新卒者の初任給の歴史を紐といてみる06:353.人事は何を説明するのかを考える01:554.おわりにコメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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