Voicy Journal

ごま油は炒め物に使っちゃダメ?サラダ油・ごま油・オリーブオイル、料理ごとの油の使い分け − mariko

ごま油は炒め物に使っちゃダメ?サラダ油・ごま油・オリーブオイル、料理ごとの油の使い分け − mariko

この記事は、Voicyパーソナリティmarikoさんの放送をもとに書き起こした記事です。音声でも聴きたい方は、記事最後の再生プレーヤーからお楽しみください!

料理によって油を使い分けていますか?

みなさんは油は料理によって分けていますか?私は全然していなくて、たまたま料理をしているときに1番近くにある油を使っていることが多いんですけど、やっぱり油による特性があって、合う料理と合わない料理があります。今日はそちらについてお話しします。

まず油の成分。油は体に悪いって思われがちだけど、最近は良い油もあると言いますよね。まず、そもそも体に良い油とか悪い油は何が違うのかをお話します。

いい油と一口に言っても、理解するには油の成分を知っていく必要があります。油は脂肪酸と呼ばれる物質で9割ぐらい出来ています。脂肪酸は、人間の体内でエネルギーになったりとか、細胞を作る材料になってくれる。あとはビタミンの吸収を促進してくれたりと、いろんな働きがあるんです。

この脂肪酸の中にも5つぐらいの種類があります。そのうちの2つが悪さをする脂肪酸で、3つがすごく健康に良いとされている脂肪酸になります(厳密に言うと5つには分けられないけれど、ご説明するにあたって5つに分類させていただいています)

体に悪い油に含まれる2つの成分

まず体に悪い脂肪酸の説明をしていきたいと思います。1つ目は飽和脂肪酸と呼ばれる脂肪酸になります。この飽和脂肪酸は「The 脂肪」って感じですね。体内に入るとエネルギー源として使われる脂肪酸です。全くとらないのもよくないと思うのですが、とりすぎると肥満の原因にもなる脂肪酸です。一般的に高脂肪と言われてイメージするのはこの飽和脂肪酸のイメージなんじゃないかなと思います。

身体に悪い脂肪酸とされている脂肪酸、2つめはトランス脂肪酸です。トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やしたり心臓病のリスクを高めたりする、本当に悪い脂肪酸です。トランス脂肪酸は絶対に取らない方がいいです。

これがどういうものに含まれているか?実は自然界にいます。脂肪を含んでいる生物って、基本的にはその油を扱いやすくするために、人間が人工的に水素を添加して脂肪を固めたりとか、油を固めたりして扱いやすくするのですが、その生成過程で生まれるのがトランス脂肪酸。マーガリンやショートニング(お菓子によく使われてる油)、あとはコーヒーフレッシュやインスタント食品、レトルト食品、ポテトチップスなどにトランス脂肪酸が含まれている場合が多いです。

ちなみに、1つ前にご紹介した飽和脂肪酸については、だいたい脂質を含む物質だったら、どんなものにも含まれています。飽和脂肪酸は取り過ぎ注意、一方のトランス脂肪酸は絶対とらない方がいい脂肪酸になります。

この2つの脂肪酸のイメージがあるため「油は健康に悪い」というイメージが付きがちです。でも、健康に良いとされる脂肪酸も3つあります。

体に良い!油に含まれる3つの成分

まず1つ目はオレイン酸です。オレイン酸は悪玉コレステロールを下げる効果があると言われています。

トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを上げるんですけど、オレイン酸は下げる効果があります。そして熱にすごく強い。どういった物質に含まれるかと言うと、オリーブオイル・菜種油・スーパーで売っているキャノーラ油にもこのオレイン酸が多く含まれています。

続いて、2つ目はリノール酸ですね。これは血中のコレステロールを下げたりとか、体の組織を正常に機能する上で欠かせない成分で、不足すると成長阻害や皮膚障害が生じる可能性がある。すごく重要な成分です。リノール酸が多い油としては、大豆の脂やコーン油です。

最後はリノレン酸です。リノレン酸はアレルギー症状を抑えたり、がんの抑制などの健康効果があると言われてます。代表的な油としてはアマニ油です。健康に良いと流行りましたよね。

あとは、えごま油。ちなみにえごま油はごま油の一種かなと思いがちです。でもごまとはまったく関係なくて、シソ科の植物の種子から作られた油。どちらかと言うとしそ油と呼んだほうがいい油なんじゃないでしょうか。

ということで、体にいい成分はオレイン酸とリノール酸とリノレン酸。これらを多く含む油、例えばオリーブオイルとか、あとはアマニ油。

体に悪いとされている油はトランス脂肪酸を含むマーガリン、そういうものが悪いと分類できるんじゃないかなと思います。

次はどの油にどの成分が多く入っていて、どういう料理に向いているのかの実践的なお話をしていこうかなと思います。一般的によく使われるサラダ油、ごま油、オリーブオイルについて、それぞれ紹介します。

サラダ油の原材料と適切な使い方

まずはサラダ油。そもそも「サラダってなんなの」って思ったことないですか?

当然サラダから作った油という意味じゃなくて、原材料は菜種やひまわり、トウモロコシなど、さまざまな原材料で作っているものを総称で呼んでいます。

そもそもなぜサラダかなんですけど、1924年ぐらいに初めてのサラダ油ができたと言われています。当時、アメリカでは生野菜にオイルを使ったドレッシングで食べる文化がありました。日本ではそういった習慣がまだなかったので、生野菜に合う油を開発し、サラダ油とネーミングして販売したのがそもそもの始まり。

100年近く経った今でも、そのままサラダ油で売られ続けているということらしいです。なので、サラダ油はサラダから作った油じゃなくて、サラダにかける油という意味でした。

ちょっと脱線するんですけど、じゃがりこやスナック菓子でサラダ味ってありますね。あれはサラダの味、野菜の味がするよっていう意味じゃなく、サラダ油を使って作ったからサラダだとパッケージに書いてあるらしいです。確かに味は普通に塩味だったりしますよね。

昔はサラダ油が高級品だったようで、メーカー側が「塩味と表記するよりもサラダとつけた方がかっこいいんじゃない?高級な雰囲気にもなるし!」としたものが、そのまま今も引き継がれているのが起因です。

話を戻すと、サラダ油にはいろいろな原材料があります。一般的にイメージしやすいのはキャノーラ油などの菜種油。なのでここではキャノーラ油と限定してお話をさせていただきます。。

キャノーラ油の特徴は、悪玉コレステロールを下げる効果があるといわれているオレイン酸をたくさん含んでいること。そして、このオレイン酸の特徴が熱に強いという特徴があと言いましたよね?だからキャノーラ油は揚げ物や炒め物など万能に使えるのが特徴になります。

ごま油を加熱するともったいない!?

続いて2つ目はごま油ですね。風味豊かで中華料理に使われる場合が多いんですけど、ごま油は血中コレステロールを下げるリノール酸が1番多いんです。オレイン酸も一部入っていますが、一番多いのではリノール酸です。このリノール酸は熱に弱いので、ごま油で揚げ物をするのはあんまり向いてないという性質があります。

そもそもごま油自体がそんなに安くないので、揚げ物にはあまり使わないと思いますが、成分的にも適してない油と言えるんじゃないでしょうか。

炒め物でも初めからごま油を使っちゃうと、リノール酸が熱に弱いし、せっかくのごまの風味が飛んじゃいます。使っちゃだめなことはないんですけど、ちょっともったいない。ごま油を使うときは炒め物をした後に、最後仕上げにひと回しかけるとごま油の風味が持続するし、より豊かに変わってくるので、一段と料理が美味しくなります。

1番コスパが良いのは、オレイン酸を含んでいるキャノーラ油で初めは炒め物をしておいて、最後の仕上げにごま油をかける。これが1番コスパ的にいい。

ごま油を炒め物に使っちゃいけない?というこの放送のタイトルは、炒め物に使っちゃいけないことはないけど、使うなら仕上げに使った方がいいよというのが答えになります。

オリーブオイルは厳しい選定基準がある

最後の3つ目、オリーブオイルです。イタリア料理でよく使われてると思いますが、オリーブオイルは熱に強くて悪玉コレステロールを下げる効果があるオレイン酸をたくさん含んでいるので、どんな料理にも使えます。成分的には揚げ物に使っても適している油になります。

イタリアではオリーブオイルが厳密に法律でランク分けされているらしくて、バージンオリーブオイル、精製オリーブオイル、オリーブオイルという3つのカテゴリーがあります。さらにその中でもランクがめちゃめちゃ細かく分けられていて、その最高峰がエクストラバージンオリーブオイルといわれるもの。めちゃくちゃ厳しい審査を通過したものだけをエクストラバージンオリーブオイルと呼びます。

ちなみにその条件をさらっと言うと、オリーブの実だけを原料に使ってるとか、精製されておらず、機械的な作業だけによって作られるとか、酸化していない、風味が良いなど、そういう基準を満たした上で科学的な検査とかテイスティングとかをやってエクストラバージンオリーブオイルと初めて認定されます。

さすがにエクストラバージンオリーブオイルを揚げ物に使うのは超もったいないので、普通のオリーブオイルでいいんじゃないかなと思います。

以上が、サラダ油(キャノーラ油)とごま油とオリーブオイルの特徴でした。ぜひ料理するときは参考にしてみていただければなと思います。

Return Top