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【イベントレポート】 「VoicyCEOとデザイナーが語る CI刷新の裏側」 -後編

【イベントレポート】 「VoicyCEOとデザイナーが語る CI刷新の裏側」 -後編

▼ロゴ変更のプロセス

割石:(残り時間半分を大きく過ぎて)ここまで、まだロゴの話に一切触れてないっていうのが衝撃だと思うんですけど…。(笑)そもそもロゴをデザインするまでのプロセスのほうが大事だと思っています。

ぼくは、アイデンティティとは紐解くものだと考えています。上から書き加えるものや押し付けるものではなくて。社員の皆さんも、会社が持ってる価値をわからない状態でこんがらがってる状態なんですよね。靄(もや)がかかってるものを紐解いていれば、目指すべきところや、そのために何をしなきゃいけないか、自分たちが何を大事にしてるかというのが出てくるはずなんですよね。紐解いていった先にあるものをベースにロゴのデザインをする方が、すごく最適なもの、Voicyだからこそ掲げる意味のあるものが作れると思っています。僕の考えも毎回プレゼンの資料で出させてもらいながら議論しました。

京谷:わりえもんさんはいつもこういう仕事を受けると、ディスカッションを始めてすぐに何となくこういうデザインかなというのがある程度浮かぶんだけど、Voicyの場合は全然浮かんでないっておっしゃっていましたよね。(笑)そういう難しさもこのプロジェクトの中にはあったのかなと。

割石:VoicyはCIについて課題を抱えてるのが明確だったから、お手伝いできることがあるなと思って二つ返事ぐらいで受けましたが、とはいえヤバい、これどうしよう、アイデア出るかなぁ…って。4日前くらいまで天井を眺めながら「あと4日か…」ってことをやってたぐらい本当に難産というか、ちょっと苦しかったのはあります。

ロゴをリデザインするにあたってコアメンバーみんなでディスカッションしたんですけど、そこの場にいるみんなだけじゃなくて会社全体で一つのものを作りあげていってるとか、みんなを巻き込んでもらうのが良いと思っていました。特にVoicyにおいては、声っていう形のないものがメインになるサービスなので、中の人たちがどういう人間であるか、どういう属性なのか、どういうところを目指してるのかっていうのが色濃く出てくるんじゃないかと思って、京谷さんにもお声がけして社内の声をまとめていただきました。

京谷:社内でもワークショップをやって、冒頭で言ったようにみんなが「自分ごと化」してこの会社を一致団結して作っていくんだ!という空気を作りたかったんです。コアメンバーや経営だけで判断してしまうと、作られたものの上で仕事をしてるっていう他人事になると思ったので、効率は悪いかもしれないけど絶対にワークショップは欠かせないと思っていました。社内で組織や人、会社、サービス、プロダクトにおいて「変えたくないもの」って何だろうとか、でも「変わらないといけないもの」、「未来み目指す姿」は何なのかっていう「これまで」と「これから」に分けて、大事にしていきたいものは何?ってことを出し合いました。

緒方:正直いうとこの取り組みは社長としてはもう一個悩みがあったんです。そのままワークショップをしてもらうか悩んだのね。つまり、会社をこれからドラスティックに変えてさらに加速していこうっていうのに、今までのメンバーの中から出てきたものを鵜呑みにしていいのかっていう。今までのメンバーにもいないようなスキルや価値観の人にも参画してほしいし、今まで以上の速度でも走ってほしいって考えたら、今のメンバーから出てきたことを受け入れたら同じことをずっと繰り返すことになるんじゃないかって。ここから傾きを3倍に成長できるの?っていうことはすごく思ってしまったんですよ。

一方で、「俺はこれくらいの覚悟でやりたいんだよね」って喋ってしまったら社長の意見だけが色濃く出てしまう。社員から出てくる意見は大事にするけど、その抽出物だけでつくらないっていうところを、きょーちゃんとめちゃめちゃ握りながらやりましたね。

割石:社内のみんなに関わってもらうことって一つすごく意味があるのが、自分も関わったっていう認識をちゃんと持ってもらえるってことなんですよね。みんなでディスカッションした上で各々が出した言葉が発散できてることがすごく大事で、意見を聞くのをやらないほうがいいっていう考え方も勿論あると思うんですけど、聞いたほうがいいと思った理由のもう一つとしては、たぶん僕が思ってるものとそうブレないなと思ったんですよね。

Voicyにおいては、社員の意見として出てきたものが「ヤバい!思ってるものと違う!」ってことにはならないって確信があったので、むしろ発散してもらって、ちゃんと関わってるっていう感覚になってもらった方がいいなと思いました。

緒方:社長としてはめちゃくちゃいい会社が作りたいんですよ!同じくらいめちゃくちゃ世の中を変えるすごいハイレベルな仕事がしたいんですよね。だから、それなりにシビアなことを求めるし、一方で温かい会社も作りたいっていう一見矛盾したことを言ってるんですよね。

「そのレベルでもいいよ」「君は君で素晴らしい」とか「努力したら報われる」とは一切言わないので。社員には幸せになってほしいけど、頑張ってない人には幸せになる権利は無いっていうぐらいに高く意識を持っていくっていうことを、この二人(京谷と割石氏)が受け止めてくれるかっていうのも大事で。結果的に大事に受け止めてくれたっていうのがデカかったなと思います。

「はいはい、箇条書きにして書いておいてください!あとで持って帰って参考にします!」みたいなことになると、おいおいマジかよってなっていたかな。

割石:発散された中で、会社自体のこともお互いがちゃんと認識することができて、ちゃんと伝わる言葉になったと。それで何を大事にしてるかも、皆さん含め認識がだいぶ取れたよねってなってから、じゃあロゴデザインどうするか?という話に進みました。それから、僕たちの発散目的でコアメンバーの中でディスカッションを重ねたんですよね。

その中で緒方さんからポロッと出たワードがあって。何げない感じでポロッと出たんですけど、僕がそれを拾い上げてブラッシュアップしてコンセプトにさせていただきました。そのコンセプトが「LOVE TAP VOICE 声に手を添えよう」っていうワードだったんですよね。

今までVoicyがやってきた「温かみ」って、具体的な人のアクションにすると、大事な人に言葉を伝えるときに口に手を添えるみたいな感じかなって。しかもそれが「V」にも見えるねというのが偶然に出て来て、それがVoicyっぽくてすごくいいなと思いました。自分たちが機械的に情報としての音声を配信するだけのサービスではなく、声を発してる本人、その人自身を届けたいっていう意味でも、その思いに手を添える側の存在になろうっていうのはすごくいいなと思って。このコンセプトを提案させてもらいました。

▼ロゴデザインについて

割石:まず、ロゴタイプに関して。Voicyの綴りって線対称に近い図形なんですよね。僕はロゴタイプを作る時、元々名前が持ってる綴りの美しさを引き出すことを大事にしています。Voicyは本当に綺麗に線対称に近い図形だったので、それを引き出しつつ、元々のロゴタイプのちょっと弱い印象の部分を変えて、インフラとしてもしっかりしてる印象を与えられるように、ボールドなロゴタイプをオリジナルで作りました。

京谷:私は旧ロゴと同じように「i」の丸いところがオレンジになっている新ロゴを見た時、やっぱりこれだ!と思いました。「オレンジの温かさを社会に一滴落とす」という旧ロゴのエピソードが好きだったから、そういうところも共感してくれて、変えないべきところとして意識してくれたんだなぁと。

割石:声は人のそばにありつづけるものじゃないですか。Voicy自体も、人のそばにありつづけるものであってほしいなって思って。このシンボルマーク自体がVoicy、またはVoiceの「V」でもいいし、ハートに見えてもいい。シンボルでありつつ文字としても読めるようないいバランスを考えながら、人のそばにある「with V(oicy)」というメッセージを作りました。

緒方:これ、社内でもグッときたよね!

京谷:うんうん。これみんなすごく気に入って。さっそく名刺にも使わせてもらってます。

割石:声って一番端的に人を感じられる存在だと思うんですよね。今、僕も起きてる時間のほとんど YouTubeか、Voicyを聴いてるみたいな状態なんですけど、YouTubeでも映像を見なくても「この人いい人なんだろうな」って感じられることが多くて。ひとつひとつ要素を削ぎ落としていった中で人を感じられるものとして残るのって、声だと思うんですよね。

人の存在を感じたいときに「声が聞きたい」と思いますよね。

だからこそ、「with V(oicy)」っていう本当に端的なんだけど生活の中に寄り添って存在するようなメッセージを含めて提案できたらいいなと思って作りました。

緒方:俺が言う例えで結構刺さるのは、石に顔が書いてあっても生きてるとは思わないけど、石から声が出てると生きてると思いますよね、っていう。それくらい生命って声にかかってる気はしますね。

割石:また、今回は「これしかない」というくらい思いを込め、この一案だけを提案したのですが、初案と最終案では微妙に違いがあります。(下の写真参照)角の丸まりと、開き方がちょっと違うみたいな差なんですけど。ここをすごくこだわりました。
この部分に関しては緒方さんの中でも相当こだわりがありましたよね?

緒方:そうね。とにかくシンプルに削ぎ落としたものっていうのはディテールの一つ一つがものすごい大事なんですよ。このシンボルって下手をすると手書きのハートに見える懸念もあるなって思って、外側も内側も「V」になるフォルムにしたい!って。

※ロゴのコンセプトや思いについてはこちらの記事を参照

割石:プロジェクトの終盤で緒方さんがそのこだわりについて20分ぐらい話してるんですけど、その場にいた全員が初めは理解できていなかったですね(笑)最後らへんで「そういうことか!」ってようやく理解できた。

緒方:開きすぎ!とかね(笑)

割石:そうそう(笑)ようやく勘所を掴み始めて形になり始めて…みたいな感じでやっていきましたね。

京谷:一案しか作ってないって言いましたけど、結果的にわりえもんさんには何百パターンもの調整案を作ってもらうことになってしまいましたね(笑)

割石:極論を言うとこの細かいバランスの詰めによって、印象が大きく変わるわけじゃないかもしれない。だけど、こだわりきったことによって自分たちもちゃんと自信を持って発信できた、ちゃんと使えるものになったと思います。

最初に僕はこのシンボルを図として捉えていたので、意図的にハートっぽいものに寄せていたんですよね。だけどブラッシュアップの過程で、Voicyだからこそ掲げるシンボルと考えるとハートでもあるんだけど、Voicyの「V」であることのほうが重要度が高く、これこそがVoicyを表すシンボルとして強いよねって話になって、なるほど!と納得して。ただただひたすら「V」に近づける調整をし続けました。

緒方:これだけシンプルなシンボルを作れるって会社としては誇りなんですよ。ハートなんて世界中の会社が使いたいんですよ。そのハートに挑むって、覚悟がいるんですよね。だからこそめちゃめちゃこだわらなきゃいけなくて、、ロゴタイプとのバランスも踏まえて、その辺はずーーーっと、かなりの回数調整して作っていったかな。

▼プロジェクトを振り返って

京谷:このプロジェクトを振り返ってみて、どうですか?

割石:悩んだ末にみんなで作りあげていくことができたので、最終的にこのデザインが出来上がった時には、僕とこのチームが作るんだったらもうこれ以上はないし、これしかないと思いました。だからこそ一案でしか勝負しなかったし、最終的にこの形に落ち着いたんです。

シンプルだからこそ、出す時の恐怖ってめっちゃあるんですよね。僕はシンプルなロゴを結構出すんですけど、シンプルすぎてビックリしたみたいな反応のときもあって。今回Voicyでここまで削ぎ落としたものを作れたのは良かったし、それがちゃんとハマった。これ以外無いなって思えるところまで突き詰められたのはすごいよかったですね。

緒方:社長としては、自分の会社にいることを誇ってほしいし、Voicyの名刺を渡すことも誇りに思ってほしい。ロゴはそういうときの「顔」になるものになると思ってるんですよね。それだけじゃなくて、うちの場合はパーソナリティやリスナーさんも「俺、このサービスでよく喋ってるんだよね」とか「このサービス、毎日聴いているんだよね」っていうことを誇れたりとか、それでちょっとワクワクする時間ができたらいいなっていうのを考えていた。一番目に見えるロゴを限界までこだわれるっていう体験は、みんなの人生の中でもあまり無い経験だろうなと思っていたので、そこは妥協せずやってよかったなと思ってますね。

その中でも社内みんなをどこまで巻き込むのかとか、最適なものを出すって、答えのない中で模索したと思います。

割石:これを社内お披露目した時の感想をもらったんですけど、その時に言われて一番嬉しかったのが「このロゴだったら生活の中にあってほしいって言ってもらえたことです。それを社員の人が言ってくれるのってめちゃくちゃ嬉しい。

ビジュアルって耐久年数があると思うんですよね。時流の変化だとかトレンドの変化だったり。無理に古いまま運用していくことによって時代に遅れたっていう印象もあるかと思います。ただ、「思い」の部分って引き継ぐことができると思っているんですよね。今後アップデートが起こり得たとしても、「声に手を添えよう」っていう部分に込めたメッセージや思いは引き継がれていくと思うし、長生きしてもらえるんじゃないかなと思って。

単純なロゴデザインではなく、思いを紡ぐところまで、極限までやり切れたのはよかったなと思います。


いかがでしたか?

2019年の年明けから始まったこのプロジェクトを通して、私たちVoicyが何を目指すのか、何を大事にするのかを全社でしっかり見直すことができました。

CI変更により、ひと回りもふた回りも成長したVoicyの更なる活躍をご期待ください!

Voicyでは今後も様々な勉強会を開催します。引き続きレポート記事でも公開していきますのでお楽しみに。

【イベントレポート】 「VoicyCEOとデザイナーが語る CI刷新の裏側」 -前編

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