TOPエンタメ映画・本ショートストーリーの朗読湯気の順番05:12 11月1日 1再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次初めての食レポに挑む友人一口目の沈黙と予期せぬ展開完璧な下書きと現実のギャップ二人だけの「湯気の順番」とは?AI文字起こし(β版) # 湯気の順番 湯気の順番 聞きどころ 温めた包みを前に、録音の赤い丸が点灯します。 なおは、初めての食レポを、友人の三崎と残そうとしています。 二人の口とマイクは、同時に働いてくれるのでしょうか。 5分物語 なおが録音ボタンを押すと、三崎は温かい包みを二つ、台所の宅へ置いた。 友人同士で続けている、短い録音配信。 今日は、なおが初めて食べ物を紹介し、三崎が録音を手伝う。 二人とも朝ごはんはまだだった。 いつもは三崎が話し、なおが音を整えていた。 今日は、自分の声も残したくて、下書きを三枚作った。 帰りに来て、冷めた三崎の手が、包みを両側から挟んでいる。 外は香ばしく、中は…。 なおは止まった。まだ食べていない。 三崎が自分の包みを開けかけたので、「待って。」と頼む。 最初の一口は同時に食べ、その驚きを残す約束だった。 じゃあ、かじってからね。 なおが一口かじる。チーズが伸びた。うまく切れず、顔を近づける。 三崎も同時に食べ始めた。感想を言おうとすると、口が塞がっている。 二人はマイクを見たまま黙った。 飲み込んだなおは、慌てて録音を止めた。何も話してない時間が随分長く見える。 最初からやり直そう。 最初の一口はもうないよ。 包みの端に二人の歯ごとがついていた。 なおは下書きを見た。具の説明、食感、驚きの一言、きれいに並べた順番よりもチーズの方が早かった。 三崎は自分の包みを畳み直し、湯気を閉じ込めた。 なおの準備を待ってくれている。 食べていていいよと言いかけた。 でも一緒に食べたいと頼んだのはなおだった。 もう一回だけ付き合って、私が食べる間三崎が見たことを話すのではどう? 味は代わりに言えないけど。 うん、その後交代しようよ。 三崎は包みを開いた。 なおも下書きを裏返し録音を再開する。 今度はさっき一口食べて黙ってしまったと最初に話した。 なおがかじると三崎は宅の向こうから顔を覗いた。 目が悪くなりました。 なおは首を振り口元を刺した。 三崎が水を寄せる。 なおは飲み込みようやく息をついた。 まだ暑かった。 三崎が笑う。なおも笑った。 次は三崎が食べ、なおが紙の音を聞く。 黙るところもあったが今度は止めなかった。 食べ終え二人で録音を聞いた。 なおの声より三崎の笑い声の方が大きい。 下書きにあった立派な言葉は一つも入っていなかった。 ここをどうする? 水を差し出すまでの短い空白で三崎が止めた。 そのままで聞いたらまた思い出せた。 なおは再生を押した。 紙が鳴り椅子が軋む。 空になった二人の包みの間で朝の続きが流れた。 もっと見る #日常小説 #共同制作 ショートストーリーの朗読ソフトウェアテストTACT 「そふてた」と呼んでください05:121.湯気の順番コメント感想・質問・応援メッセージを書こう