TOPエンタメ映画・本ショートストーリーの朗読2人分のお湯05:13 10月30日 1再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次昔の夜食の味、記憶との食い違い小さな試み、異なる好みの調整懐かしい茶碗と時間の流れ土曜日の約束、未完のレシピAI文字起こし(β版) # 2人分のお湯 二人分のお湯 引きどころ、雨の日、父は小鍋と茶碗を二つ用意します。 思い出したい夜食の味が娘の記憶と少し違います。 二つの器で始めた小さな試みを湯気の向こうから見守ってください。 五分物語 おさむは大きな鍋を棚に戻した。 あれでは三日分になってしまう。 娘に、昔二人で食べた温かい夜食を作りたかった。 娘のあかりは荷物を取りに夜と連絡してきた。 朝から何も食べてないらしい。 小鍋を出し、茶碗を二つ並べる。 海苔とご飯、お湯、何度も作ったはずなのに、名前も分量も出てこなかった。 茶碗蒸しではないな。 棚を探すと市販の袋が見つかった。 料理の名前はそれで分かった。 けれど、袋の絵を見ても昔の味は思い出せなかった。 鍵が回り、あかりが入ってきた。 ただいま。ご飯の匂いがする。 昔の夜食を作ろうと思ってな。 覚えている。しょっぱいの。 しょっぱくなかったよ。 お父さんはそう言ってたよ。 おさむは少しだけ汁を作り、小皿のご飯にかけた。 確かに濃い。あかりがやかんを持ってきた。 全部薄める前にこっちへ少しだけ。 もう一つ小皿を出す。 片方にはお湯を、片方にはごまを足した。 同じ材料なのに二つの味はなかなか揃わなかった。 おさむは軽量さじを出した。 あかりが昔も使っていたのかと尋ねる。 そんな丁寧なことはしてなかったよ。 二人は笑った。 おさむはさじをしまいかけたが、小鍋の横へ置き直した。 昔の量は戻らなくても、今日の分なら測れる。 あかりは薄めた方の小皿を指し、 もう少しだけごまを足してみたいと言った。 海苔は先に入れたと思うんだがな。 私は最後だったと思う。 あかりが青い線の茶碗を手に取った。 また、まだあったんだこれ。小さくなったみたい。 昔は娘の両手に包まれていた茶碗が、今は片手に収まっていた。 おさむは残りのご飯を二つの茶碗に分け、片方をあかりへ渡した。 そっちは任せる。湯が足りなかったら行ってくれ。 小鍋を真ん中へ置いた。 熱いやかんはおさむの皮へ戻し、あかりが刺すところまで湯を注いだ。 あかりは海苔を最後に、おさむは先に入れた。 二人はようやく座った。 違う匂いのする二つの茶碗から、同じように湯気が上がった。 お菓子と同じか? うーん、わからない。でもこっちが好き。 あかりは自分の茶碗を少しあげた。 おさむはメモを取り出した。 行の一番上を開け、ご飯の量と自分は海苔を先に入れることを書いた。 あかりは隣に、ごまは後からと足した。 次はいつ来る? 土曜日、箱を全部は運べないし。 おさむは土曜日二人分と書いた。 料理の名前はまだ空欄だった。 もう少しご飯ある? おさむは二つの茶碗を見比べて、やかんを火に戻した。 もっと見る #日常小説 #家族の輪 ショートストーリーの朗読ソフトウェアテストTACT 「そふてた」と呼んでください05:131.2人分のお湯コメント感想・質問・応援メッセージを書こう