TOPハウツー・学習歴史十二単着付け師の【にちにち気づきだより】第611話 【処暑】平安の綿は「真綿」だった06:13 8月23日 85再生 問題を報告する 再生する シェアする 文字で読みたい方は「衣と暦」サイトへhttps://ikumina.comAI目次「処暑」の語源と季節の移ろい72候「綿の花」が示す特殊性平安時代の「綿」の正体とは?キセ綿に込められた美と長寿の願い言葉が指すものの変遷に潜む学びAI文字起こし(β版) # 今日はどんな日 日々気づきだより佐藤美加子です。 今日もお聴きいただきありがとうございます。 このチャンネルでは、毎朝、平安の行事、季節の移ろい、 当時の人の暮らし、そして、生俗のこと、 その日の暦を一つお話ししています。 千年前の営みが、今の暮らしや仕事にどうつながっているのか、 毎朝一つお届けしています。 はい、今日は8月の23日、 24世紀の初暑です。 暑という字は、とどまる、やむという意味を持っています。 つまり、暑さがやむ頃ということです。 # 綿といえば? はい、ここで24世紀の並びを少し追ってみます。 立秋で秋が経つ。 初秋で暑さが治る。 白露で梅雨が白くなる。 秋分で昼と夜が等しくなる。 このように、階段のように季節を下りていくという感じです。 一段ずつ名前がついているわけですよね。 今日はその2段目にあたります。 そして、今日からの72項が少し変わっています。 綿の花しべ開く。 花しべというのは角のことです。 綿の実がはじけて、白い綿が顔を出す頃、そういう意味の項です。 これは実は珍しいことなんですね。 日本の72項に、栽培植物の名前がつくのはあまりありません。 稲の実り、綿の開花、人が作っているものが季節の名前になっているというわけです。 ところで、ここで一つ面白いことがあります。 木綿が日本に広まるのは中世以降なんですね。 つまり平安の人は木綿を知らないと言われています。 では彼らにとっての綿とは何だったのか。 そう、そこは真綿なんです。 眉を広げて作る絹の綿のことでした。 同じ綿という字を使いながら、中身は全く違うわけです。入れ替わっているわけです。 真綿といえば、9月の徴用に菊の花に乗せるキセ綿。 これは絹の綿です。本当に真綿なんですね。 白、黄色、赤の3色に染めて、それぞれ菊の花に9月8日に乗せて、 夜露を湿らせて翌日9月9日に、その菊の夜露を含んだ真綿を使って体や顔を拭うと、 いつまでも美しく、また不老長寿に菊とされています。 菊の効能を絹の綿に含ませる。 このキセ綿の話はまた9月に、実際の徴用のときになりましたら、お話をしていきます。 同じ字で中身が入れ替わっている。これは商俗の世界にもよくあることです。 言葉の方は残っているのに、指しているものがいつのまにか変わっている。 そして、大抵の場合、変わったことに誰も気づかないまま使い続けています。 私はこれを悪いことだとは思っていません。 言葉が残るというのは、それだけ使われ続けたということですね。 中身が変わるほど長く使われたということでもあります。 けれど、教える立場にいると時々立ち止まらなければいけない。 今私が言っている言葉は、昔の人が言っていた言葉と同じものを指しているのだろうか。 そこを一度確かめておくと、教わる方も聞き間違えずに済みます。 表現は違いますけれども、例えば十二単語という言葉、これは正式名称では実はないんですよね。 五つ銀、唐銀も、小族というのが正式名称で、十二単語というのは俗称になります。 けれども、全く同じものを表しています。 この私たち小族を扱うものは、五つ銀唐銀もというのを必ず覚えておきます。 それが正式ですから。 そして皇后様がお召しになるものは、恩、五つ銀、恩、唐銀、恩もといって、全て恩をつけるということも学びます。 けれどもこの十二単語という言葉で、たぶんこの絵文に関わっていない方々は、 ああ、あの十二単語だろうというふうに思い浮かぶことができると思うんですよね。 だからこの名前が俗称だとわかっている人であっても、あえて十二単語という言葉をそのまま活かしている、 まあそういうことだと思っていただければいいと思います。 今日は諸々です。 暑さが止む頃です。 そして綿の花が開く頃。 平安の人にとっては、眉の方が綿でした。 そんなお話でした。 明日もその日の小読みからお話をしていきます。 それではまた。ごきげんよう。 もっと見る #七十二候 #処暑 #真綿 十二単着付け師の【にちにち気づきだより】さとうみなこ00:491.今日はどんな日05:242.綿といえば?コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
第634話 【算賀】四十で長寿を祝った時代 9分・8時間前・ 26再生AI目次平安の敬老の日「算賀」とは驚き!40歳を祝う長寿の宴10年ごとに重ねる人生の節目自らの成長を確かめる秘訣現代にも活きる平安人の知恵
第633話 【キノコ狩り】松茸の値段は山と人の距離 7分・昨日・ 39再生AI目次平安貴族も嗜んだ松茸の魅力松茸が身近だった時代の理由松茸の値段が語る人と山との距離「遠くなったもの」が示す現代の課題失われゆく技術を身近にするには
第632話 秋の【襲色目】半歩先の季節を着る 7分・一昨日・ 45再生AI目次平安の美学「襲色目」色の重なり季節を「半歩先」に着る意味とは顧客の無意識を掴むプロの視点「察する力」が示す絶妙な距離感千年前から現代へ繋がる「半歩」
第631話 【恋教え鳥】鶺鴒から教わったこと 7分・9月12日・ 54再生AI目次「恋教え鳥」鶺鴒の意外なルーツ国生みの神も小鳥に教えを乞う知らぬを恥じず学び続ける心構え教える側が一番学ぶという発見分からないを分かるに教わる意味とは
第630話 【秋の七草】目立たないものを七つ数える 7分・9月11日・ 54再生AI目次秋の七草とは?春の七草との違い万葉の花人・山上憶良が選んだ七草目立たぬ野花に宿る日本の美意識日常で「美しさ」を見つける重要性役に立たぬものから始まる文化の贅沢
第629話 【割に合わない】とわかっていても【やる】 7分・9月10日・ 70再生AI目次古代から現代へ続く栗との長い付き合い平安貴族を魅了した甘味料「甘面」の秘密「割に合わない」から生まれる甘さの価値日常のひと手間がもたらす豊かな食卓気づかれなくても「やる」ことの真の意義
第628話 【重陽】そして「扇」を仕舞う日 8分・9月9日・ 50再生AI目次重陽の朝に綿で顔を拭う美の習慣五節句から消えた重陽の節句の背景夏扇を納める九月九日の伝統と意味物事に「終わり」を決める平安人の哲学美しい終わりが次への始まりを彩る
第627話 【重陽の前夜】手がかかることが「祈り」の中身 8分・9月8日・ 60再生AI目次重陽前夜、菊に真綿をかぶせる意味長寿不老を願うキセワタの習わし紫式部が詠んだキセワタの歌「手がかかること」が祈りである理由静かで確実な仕事を生む支度とは
第626話 【白露】消えるからこそ光っている 7分・9月7日・ 61再生AI目次白露に秘められた平安人の感情なぜ露は歌に詠まれ続けるのか「消えるからこそ光る」の真髄十二単体験が残す「写せ身」儚いものだからこそ一番美しい
第625話 【音楽は身近なもの】聴く側ではなく鳴らす側にいた平安人 6分・9月6日・ 59再生AI目次平安貴族の必須科目「管弦」音楽は聴くものにあらず?教養として演奏する意味「見る」と「やる」の決定的な違い現代が失った「鳴らす」体験