#200 放送記念【レポート】飯尾醸造・飯尾彰浩さん~昼スナに「手巻キング」がやってきた!
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放送200回記念!
昼スナで開いている月1回の会員制バーで「テマパ」を開催しました。
テマパとは、手巻き寿司パーティーの略称。この言葉を生み出し、全国に広めているのが「手巻キング」こと、飯尾彰浩さんです。
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■飯尾彰浩さんとはどんな人?
1975年、京都府宮津市生まれ。東京農業大学大学院を修了後、東京コカ・コーラボトリングと日本コカ・コーラで計4年半、営業教育やマーケティングに従事しました。
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世界No.1ブランドで働いた経験は、のちの経営哲学を大きく形作ります。コカ・コーラで学んだのは基礎的なマーケティングの知識と、"強者"であるコカ・コーラの逆のことをすれば飯尾醸造は"弱者"でも負けないのではないか、ということ。29歳で地元・宮津に戻った時、「大手メーカーの真逆をやろう」と決意。広告なし、営業マンなし、ECサイトへの出店もなし。新規のお客さんを振り向かせることよりも、まずは既存のお客さんのためにできることをする——そう決めて続けているうちに、口コミやメディアを通じて新規のお客さんも増えてきました。
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2004年に飯尾醸造に入社し、2012年に五代目当主に就任。現在は経営全般・商品開発・ブランディングを担い、「手巻キング」「江戸前シャリ研究所所長」など多彩な顔を持ちます。
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■飯尾醸造って、どんなお酢屋さん?
飯尾さんの本業は、京都府宮津市にある老舗のお酢蔵「飯尾醸造」の五代目蔵元です。明治26年創業、130年以上の歴史を持ちます。
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飯尾醸造の看板商品は「富士酢」。お料理に関心の高い方なら、きっと一度は見たことがあるか、使ったことがあるのではないでしょうか。農薬不使用のお米と水だけを原料にしており、発酵から出荷に至るまでおよそ400日を要します。一般的な米酢のJAS基準が1リットルあたり40グラムであるのに対し、純米富士酢は基準の5倍にあたる200グラムのお米を使用。これにより深いコクが生まれ、ツンとした酸味が抑えられます。
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さらに上を目指した「富士酢プレミアム」は、なんと1リットルあたり320グラムのお米を使用。その味わいは大吟醸のようで、国内外のミシュランシェフにも愛用されています。
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発酵の工程も手間を惜しみません。酢酸菌を投入したら、昔から伝わる静置発酵の手法で80日から120日かけてアルコールを酢に変えていきます。酢が完成したら250日ほどかけてまろやかさを引き出して、ようやく出荷です。米づくりから醸造まですべて自前で行うという徹底ぶりで、日本でこの製法を守っているのは飯尾醸造さんだけです。
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■手巻キングとは何者?
その正体は、飯尾彰浩さんご本人。手巻き寿司を通じて日本人のおもてなし力を向上させたいという思いから、この活動を始められました。現代は人間関係が希薄になり、人を家庭に招いておもてなしする習慣も減ってきている。伝統に携わる仕事をしている人間として、それを寂しく思ったのがきっかけだとおっしゃっていました。これまでの参加者は、なんと延べ5000人以上。このテマパをきっかけに「富士手巻きすし酢」も開発されました。
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■テマパとは?
テマパとは、手巻き寿司パーティーの略称です。手巻き寿司は、サンドイッチ・ピンチョスに並ぶ世界三大片手料理のひとつなんだと、今回初めて教わりました。片手にグラス、片手に手巻き寿司を持って自在に動き回れるので、立食パーティーにぴったりです。
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ホストとゲストが一緒にテーブルを囲むことができるお料理でもあります。酢飯と具材を用意しておけば、キッチンを行ったり来たりせずに、ゲストをもてなすことに集中できる。海外からのゲストがいるときには、日本の文化を伝えながら親睦を深める場にもなります。テマパには、ただの食事会を超えた「対話の場」としての力があります。
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■シャリ切りへのこだわり——寿司職人も一目置く理由
テマパを重ねていくうちに、飯尾さんがたどり着いたのが「シャリ」への深い探究でした。全国でテマパを開催するからには、おいしいシャリを出さなければならない。研究を重ねるうちに自分でも納得できるシャリが作れるようになり、その成果として生まれたのが「富士手巻きすし酢」です。赤酢と2種類の米酢、塩で調合した、手巻き寿司のシャリをおいしく作るための自信作です。
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飯尾醸造の酢は、プロの寿司職人たちにも厚く支持されています。ミシュランにも選ばれる一流寿司店が「飯尾のお酢でなければいいシャリが作れない」と大絶賛するほど。
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シャリへの探究は、ついに世界規模のイベントへと発展します。2018年、寿司職人とともに酢飯の質向上を目指す「江戸前シャリ研究所」を設立。同じ年、「第1回 世界シャリサミット」を地元・宮津で開催しました。参加できるのは寿司職人のみ。飯尾さんがトップバッターとして科学的にシャリを解説し、飯尾醸造の酢を使用している有名店の職人を招いて、参加者の目の前でシャリを切り、寿司を握ってもらいます。
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飯尾醸造が提案するシャリ切りの基本は、ご飯が炊き上がったら飯切り(酢飯を入れるおけのようなもの)に山型になるように盛り、合わせ酢をまんべんなく回しかけて1分おく。そして、しゃもじで切るように混ぜ合わせて艶よいすし飯に仕上げていきます。シャリ切り後20分〜1時間半が食べごろだそうです。
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「シャリ切り」という独特な言葉には、ただ酢飯を作るという以上の意味があります。酢の質、米の炊き方、合わせる比率、温度——すべてが揃って初めてシャリになる。その丁寧な仕事の積み重ねが、寿司職人たちを唸らせているのです。
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■シャリ切り実況中継(音声あり)
今回のテマパでは、飯尾さんが実際にシャリ切りをしてくださいました。一回目は、早くいらっしゃった飯尾さんと私の2人だけで。その手の動き、所作の美しさに、私はただただうっとりしていました。匠の技というのは、こういうことかと、本当に感動して見ていました。二回目は参加者みんなでぐるりと囲んで。スマホを構えながら、みんなで息を止めてじっと見る。それくらいの緊張感がありました。
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ちなみに今回使っていただいたお酢は、なんと仕込んでから19年の時を経て出荷されたという、非常に特別なものでした。私の子どもの年齢と同じだということで、なんだか感慨深く味わっておりました。
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■テマパのお作法(完全マニュアルより)
テマパの魅力をさらに広めるため、手巻キングはノウハウをつづった『テマパ完全マニュアル』を制作しています。テマパ主催者を初級・中級・上級のグレードに分け、中級以上と認められた人にだけ渡される極秘資料です。
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今回は参加者一人ひとりが好きな具材を持ち寄って、プレゼンテーションしながら食べるという流れで楽しみました。こだわった酢飯に合わせるものなので、できるだけ添加物を使わない自然なものを、とリクエストしていたのですが、皆さんそれぞれ思い思いのお魚、お肉、お野菜を持ってきてくださって、本当にバリエーション豊かなものが集まりました。
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ちなみに私が作ったのは、アボカドと麹でできたマヨネーズ風のものを和えて、醤油で味付けしたもの。巻き具はちょっと濃いめに味付けするといいと事前にアドバイスをいただいていたので、醤油で調節しました。
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■OEMをやめた日——売上が過去最低まで落ちた
家業に戻った飯尾さんが最初に直面したのは、経営の大きな転換という難題でした。
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当時の飯尾醸造は、大手の問屋から依頼を受けて安価なお酢を作るOEM(他社ブランドでの製造請負)の仕事を請けていました。飯尾さんはOEMをやめようと父・毅さんに進言します。「せっかく苦労して作ったのに、よそのおべべを着せたものを世に出すのはイヤ」という思いからでした。
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しかしその決断は、すぐに痛みとなって跳ね返ってきます。OEMをやめるとなれば、その問屋も面白くない。それが原因で「純米富士酢」の取引を減らされてしまい、それまで3億円ほどだった売上が、過去最低の2.7億円まで落ちてしまいました。
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それでも飯尾さんは自社ブランドへの信念を曲げませんでした。それから18年経った現在、飯尾醸造の売上は4億円に達しています。さらには直販サイトからの売上が1億円にのぼるほど、「送料を払ってでも飯尾醸造のお酢が欲しい」というファンが全国に育っています。 ㅤㅤ ㅤ
その経営哲学は「競わない競争戦略」と「モテるお酢屋。」という言葉に凝縮されています。弱者なので競争になったら負ける。だから競争のない世界を作り出す——大手とは土俵を変えて、圧倒的な品質と体験で独自の地位を築いてきたのです。
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■ 「丹後を日本のサン・セバスチャンに」——まちごとカルチャーをつくる
飯尾さんの視線は、お酢蔵の中だけにとどまりません。2015年ごろから公言するようになったのが、「丹後を日本のサン・セバスチャンにしたい」という構想です。
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サン・セバスチャンとは、スペイン北部バスク地方にある人口17万人ほどの小さな街。「食」によるまちおこしに取り組んだことで、街全体のレストランのレベルがアップし、今では「美食の街」として世界中から観光客を呼び込んでいます。
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人口20万人、海と山があり、自然の幸が豊富な丹後も、サン・セバスチャンのようになれるポテンシャルがあるというのが飯尾さんの考えです。「コカ・コーラで全体最適を学んだことが大きい。町が潤ったらうちも潤うはずなので、町がよくなることが大事」とおっしゃっています。
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その第一歩として、宮津市内の築120年の古民家を自ら買い取り、両親を何度も説得した末に2017年の夏、古民家イタリアンレストラン「aceto(アチェート/イタリア語で「酢」)」をオープンしました。
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「丹後をちょっと立ち寄る街ではなく、わざわざ目指して行く街に」——そんな思いでオープンしたacetoでは、地元の無農薬野菜や近海の魚介をふんだんに使い、富士酢が陰で料理を支えます。あえてディナーのみの営業にしているのも、宿泊客を増やし、滞在時間が延びることで街への理解が深まり、消費が増えることを期待してのこと。
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最初の半年は飯尾さん自身が毎日、掃除に始まり、営業中は料理やドリンクをサーブし、閉店後の片付けまで、お酢屋の仕事と並行してこなしました。まったくの素人から飲食業に飛び込んだ、その覚悟が伝わってきます。
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acetoをきっかけに気鋭の新店も周辺に増え始め、少しずつ宮津の街の風景が変わってきたと言います。お酢蔵一軒が、まちのカルチャーそのものを変えようとしている。飯尾さんの挑戦のスケールの大きさに、痺れます。
こんな小さな場所にお迎えできるような方ではないのですが、快く引き受けてくださった飯尾さんに感謝ばかりです。
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■手巻クイーン爆誕
そして今回の開催で、光栄にも「手巻クイーン」の称号を授与されましたので、これから私もテマパを開催することができます。
昼スナでもご希望があれば開催しますのでリクエストしてください😊
昼スナで開いている月1回の会員制バーで「テマパ」を開催しました。
テマパとは、手巻き寿司パーティーの略称。この言葉を生み出し、全国に広めているのが「手巻キング」こと、飯尾彰浩さんです。
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■飯尾彰浩さんとはどんな人?
1975年、京都府宮津市生まれ。東京農業大学大学院を修了後、東京コカ・コーラボトリングと日本コカ・コーラで計4年半、営業教育やマーケティングに従事しました。
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世界No.1ブランドで働いた経験は、のちの経営哲学を大きく形作ります。コカ・コーラで学んだのは基礎的なマーケティングの知識と、"強者"であるコカ・コーラの逆のことをすれば飯尾醸造は"弱者"でも負けないのではないか、ということ。29歳で地元・宮津に戻った時、「大手メーカーの真逆をやろう」と決意。広告なし、営業マンなし、ECサイトへの出店もなし。新規のお客さんを振り向かせることよりも、まずは既存のお客さんのためにできることをする——そう決めて続けているうちに、口コミやメディアを通じて新規のお客さんも増えてきました。
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2004年に飯尾醸造に入社し、2012年に五代目当主に就任。現在は経営全般・商品開発・ブランディングを担い、「手巻キング」「江戸前シャリ研究所所長」など多彩な顔を持ちます。
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■飯尾醸造って、どんなお酢屋さん?
飯尾さんの本業は、京都府宮津市にある老舗のお酢蔵「飯尾醸造」の五代目蔵元です。明治26年創業、130年以上の歴史を持ちます。
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飯尾醸造の看板商品は「富士酢」。お料理に関心の高い方なら、きっと一度は見たことがあるか、使ったことがあるのではないでしょうか。農薬不使用のお米と水だけを原料にしており、発酵から出荷に至るまでおよそ400日を要します。一般的な米酢のJAS基準が1リットルあたり40グラムであるのに対し、純米富士酢は基準の5倍にあたる200グラムのお米を使用。これにより深いコクが生まれ、ツンとした酸味が抑えられます。
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さらに上を目指した「富士酢プレミアム」は、なんと1リットルあたり320グラムのお米を使用。その味わいは大吟醸のようで、国内外のミシュランシェフにも愛用されています。
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発酵の工程も手間を惜しみません。酢酸菌を投入したら、昔から伝わる静置発酵の手法で80日から120日かけてアルコールを酢に変えていきます。酢が完成したら250日ほどかけてまろやかさを引き出して、ようやく出荷です。米づくりから醸造まですべて自前で行うという徹底ぶりで、日本でこの製法を守っているのは飯尾醸造さんだけです。
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■手巻キングとは何者?
その正体は、飯尾彰浩さんご本人。手巻き寿司を通じて日本人のおもてなし力を向上させたいという思いから、この活動を始められました。現代は人間関係が希薄になり、人を家庭に招いておもてなしする習慣も減ってきている。伝統に携わる仕事をしている人間として、それを寂しく思ったのがきっかけだとおっしゃっていました。これまでの参加者は、なんと延べ5000人以上。このテマパをきっかけに「富士手巻きすし酢」も開発されました。
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■テマパとは?
テマパとは、手巻き寿司パーティーの略称です。手巻き寿司は、サンドイッチ・ピンチョスに並ぶ世界三大片手料理のひとつなんだと、今回初めて教わりました。片手にグラス、片手に手巻き寿司を持って自在に動き回れるので、立食パーティーにぴったりです。
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ホストとゲストが一緒にテーブルを囲むことができるお料理でもあります。酢飯と具材を用意しておけば、キッチンを行ったり来たりせずに、ゲストをもてなすことに集中できる。海外からのゲストがいるときには、日本の文化を伝えながら親睦を深める場にもなります。テマパには、ただの食事会を超えた「対話の場」としての力があります。
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■シャリ切りへのこだわり——寿司職人も一目置く理由
テマパを重ねていくうちに、飯尾さんがたどり着いたのが「シャリ」への深い探究でした。全国でテマパを開催するからには、おいしいシャリを出さなければならない。研究を重ねるうちに自分でも納得できるシャリが作れるようになり、その成果として生まれたのが「富士手巻きすし酢」です。赤酢と2種類の米酢、塩で調合した、手巻き寿司のシャリをおいしく作るための自信作です。
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飯尾醸造の酢は、プロの寿司職人たちにも厚く支持されています。ミシュランにも選ばれる一流寿司店が「飯尾のお酢でなければいいシャリが作れない」と大絶賛するほど。
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シャリへの探究は、ついに世界規模のイベントへと発展します。2018年、寿司職人とともに酢飯の質向上を目指す「江戸前シャリ研究所」を設立。同じ年、「第1回 世界シャリサミット」を地元・宮津で開催しました。参加できるのは寿司職人のみ。飯尾さんがトップバッターとして科学的にシャリを解説し、飯尾醸造の酢を使用している有名店の職人を招いて、参加者の目の前でシャリを切り、寿司を握ってもらいます。
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飯尾醸造が提案するシャリ切りの基本は、ご飯が炊き上がったら飯切り(酢飯を入れるおけのようなもの)に山型になるように盛り、合わせ酢をまんべんなく回しかけて1分おく。そして、しゃもじで切るように混ぜ合わせて艶よいすし飯に仕上げていきます。シャリ切り後20分〜1時間半が食べごろだそうです。
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「シャリ切り」という独特な言葉には、ただ酢飯を作るという以上の意味があります。酢の質、米の炊き方、合わせる比率、温度——すべてが揃って初めてシャリになる。その丁寧な仕事の積み重ねが、寿司職人たちを唸らせているのです。
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■シャリ切り実況中継(音声あり)
今回のテマパでは、飯尾さんが実際にシャリ切りをしてくださいました。一回目は、早くいらっしゃった飯尾さんと私の2人だけで。その手の動き、所作の美しさに、私はただただうっとりしていました。匠の技というのは、こういうことかと、本当に感動して見ていました。二回目は参加者みんなでぐるりと囲んで。スマホを構えながら、みんなで息を止めてじっと見る。それくらいの緊張感がありました。
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ちなみに今回使っていただいたお酢は、なんと仕込んでから19年の時を経て出荷されたという、非常に特別なものでした。私の子どもの年齢と同じだということで、なんだか感慨深く味わっておりました。
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■テマパのお作法(完全マニュアルより)
テマパの魅力をさらに広めるため、手巻キングはノウハウをつづった『テマパ完全マニュアル』を制作しています。テマパ主催者を初級・中級・上級のグレードに分け、中級以上と認められた人にだけ渡される極秘資料です。
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今回は参加者一人ひとりが好きな具材を持ち寄って、プレゼンテーションしながら食べるという流れで楽しみました。こだわった酢飯に合わせるものなので、できるだけ添加物を使わない自然なものを、とリクエストしていたのですが、皆さんそれぞれ思い思いのお魚、お肉、お野菜を持ってきてくださって、本当にバリエーション豊かなものが集まりました。
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ちなみに私が作ったのは、アボカドと麹でできたマヨネーズ風のものを和えて、醤油で味付けしたもの。巻き具はちょっと濃いめに味付けするといいと事前にアドバイスをいただいていたので、醤油で調節しました。
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■OEMをやめた日——売上が過去最低まで落ちた
家業に戻った飯尾さんが最初に直面したのは、経営の大きな転換という難題でした。
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当時の飯尾醸造は、大手の問屋から依頼を受けて安価なお酢を作るOEM(他社ブランドでの製造請負)の仕事を請けていました。飯尾さんはOEMをやめようと父・毅さんに進言します。「せっかく苦労して作ったのに、よそのおべべを着せたものを世に出すのはイヤ」という思いからでした。
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しかしその決断は、すぐに痛みとなって跳ね返ってきます。OEMをやめるとなれば、その問屋も面白くない。それが原因で「純米富士酢」の取引を減らされてしまい、それまで3億円ほどだった売上が、過去最低の2.7億円まで落ちてしまいました。
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それでも飯尾さんは自社ブランドへの信念を曲げませんでした。それから18年経った現在、飯尾醸造の売上は4億円に達しています。さらには直販サイトからの売上が1億円にのぼるほど、「送料を払ってでも飯尾醸造のお酢が欲しい」というファンが全国に育っています。 ㅤㅤ ㅤ
その経営哲学は「競わない競争戦略」と「モテるお酢屋。」という言葉に凝縮されています。弱者なので競争になったら負ける。だから競争のない世界を作り出す——大手とは土俵を変えて、圧倒的な品質と体験で独自の地位を築いてきたのです。
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■ 「丹後を日本のサン・セバスチャンに」——まちごとカルチャーをつくる
飯尾さんの視線は、お酢蔵の中だけにとどまりません。2015年ごろから公言するようになったのが、「丹後を日本のサン・セバスチャンにしたい」という構想です。
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サン・セバスチャンとは、スペイン北部バスク地方にある人口17万人ほどの小さな街。「食」によるまちおこしに取り組んだことで、街全体のレストランのレベルがアップし、今では「美食の街」として世界中から観光客を呼び込んでいます。
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人口20万人、海と山があり、自然の幸が豊富な丹後も、サン・セバスチャンのようになれるポテンシャルがあるというのが飯尾さんの考えです。「コカ・コーラで全体最適を学んだことが大きい。町が潤ったらうちも潤うはずなので、町がよくなることが大事」とおっしゃっています。
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その第一歩として、宮津市内の築120年の古民家を自ら買い取り、両親を何度も説得した末に2017年の夏、古民家イタリアンレストラン「aceto(アチェート/イタリア語で「酢」)」をオープンしました。
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「丹後をちょっと立ち寄る街ではなく、わざわざ目指して行く街に」——そんな思いでオープンしたacetoでは、地元の無農薬野菜や近海の魚介をふんだんに使い、富士酢が陰で料理を支えます。あえてディナーのみの営業にしているのも、宿泊客を増やし、滞在時間が延びることで街への理解が深まり、消費が増えることを期待してのこと。
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最初の半年は飯尾さん自身が毎日、掃除に始まり、営業中は料理やドリンクをサーブし、閉店後の片付けまで、お酢屋の仕事と並行してこなしました。まったくの素人から飲食業に飛び込んだ、その覚悟が伝わってきます。
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acetoをきっかけに気鋭の新店も周辺に増え始め、少しずつ宮津の街の風景が変わってきたと言います。お酢蔵一軒が、まちのカルチャーそのものを変えようとしている。飯尾さんの挑戦のスケールの大きさに、痺れます。
こんな小さな場所にお迎えできるような方ではないのですが、快く引き受けてくださった飯尾さんに感謝ばかりです。
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■手巻クイーン爆誕
そして今回の開催で、光栄にも「手巻クイーン」の称号を授与されましたので、これから私もテマパを開催することができます。
昼スナでもご希望があれば開催しますのでリクエストしてください😊
昼スナママ・フィッシュ明子の役にたたなくてもいいラジオ
フィッシュ 明子
- 00:161.
タイトルコール
- 08:272.
テマキング、昼スナに降臨!
- 08:143.
「丹後を日本のサン・セバスチャンに」——まちごとカルチャーをつくる
- 11:024.
シャリ切り実況中継
- 03:545.
参加者の皆様にインタビュー
- 00:526.
実はダジャレキング
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