#165 【レポート】Deeper Learning Japan 教育者一人ひとりの実存が、学びの質を形づくっている
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2026年1月5日・6日の2日間、東京都調布市にあるドルトン東京学園を会場に開催された「第2回 Deeper Learning Japan(DL Japan)」に講師としてお招きいただきました。
DL Japanは、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴにあるプロジェクト型学習を実践する学校「ハイテクハイ(High Tech High」と連携し、日本で実践・探究する教育者向けのカンファレンスです。
人とのつながり、理論、体験を通して学びを深め、それぞれの教育現場を再創造することを目的としています。
単なる知識の習得ではなく、子どもたちが主体的に学び、喜びを感じ、公正な社会に貢献できる学びを、実践者同士でつくり上げていくことを目標とした場でした。日本全国、そして海外から210人の参加者が集まっていました。
今回のテーマは「継続的なよろこび― Continuous Joy」。
学びの場が子どもたちの喜びを奪うのではなく、喜びを育み続ける場所であるために、私たちは何をすべきか。この問いに正面から向き合うプログラムが数多く用意されていました。
基調講演には、ディレクターであるミシェル博士が登壇。単なる知的なレクチャーではなく、彼女自身の実存から「喜び」と「解放(liberation)」がどのようにつながっているのかが、彼女の人生とプロフェッショナルとしての歩みを通して語られました。
黒人女性として経験してきた四つの抑圧。
内面化された差別、対人関係の中で生じる抑圧、制度や組織に埋め込まれた差別、そして差別を正当化する思想や価値観。
これらの個人的なストーリーが共有される中で、深い学びを実現するためには、解放教育の側面として「喜び」に焦点を当てる必要があることが強調されました。
一般に解放教育は重く、悲しいものとして受け取られがちですが、そこに「喜び」を据えるというメッセージは、非常に印象的でした。
実践例として紹介されたプロジェクトでは、難民の若者へのインタビューをもとに、生徒たちが肖像画や詩として表現する取り組みが紹介されました。それは楽観や悲観を超え、現実を直視しながら、丸ごとの人間性を認めていくプロセスだったと語られていました。
一方で、授業の中で差別や痛みを扱うことに対し、生徒から履修のチェックリストのように扱われた経験なども、生々しく語られていました。
講演を通して、特に強く印象に残ったのは、「教育者一人ひとりの実存が、学びの質を形づくっている」という点でした。
教員の多様性とは、属性の違いだけを指すものではありません。
それぞれの教員が、どのような抑圧を経験し、どのような痛みや違和感を抱えて生きてきたのか。そうした実存と切り離して語ることはできないのだと感じました。
人種差別、社会的階層、貧困、ジェンダー、セクシュアリティ、それぞれが経験してきた痛みや背景の違いがあり、その重なりの中で、子どもたちは世界が単一ではなく、複雑であるということを身体感覚として学んでいく。
そして、その土台にあるのが「喜び」である、という点も強調されていました。
ここで語られていた喜びとは、単なる楽観やポジティブさではありません。
安心できること、自分が生きていても大丈夫だと思えること、自分の言葉を出しても関係性が壊れないと信じられること。
そうした状態があって初めて、思考は他者に向かって開かれていくのだと述べられていました。
2日目の基調講演テーマは「本質的な評価」。
講演の冒頭では、参加者自身の学生時代のテスト体験を想起する時間が設けられ、不安やストレスと結びついた評価の記憶が呼び起こされました。
学習デザインが革新的に進化していく一方で、評価手法だけが変わらず、テストに依存し続けている現状について問題提起がなされ、その上で、実社会の課題解決を通して知識やスキルを測定する「オーセンティック・アセスメント(本質的な評価)」の考え方が紹介されました。
本質的な評価の構成要素として、六つの視点が示されました。
評価は個人的でパーソナルなものであること、生徒の成長を促す情報を与えるものであること、多様な知性を認める公正さを備えていること。
さらに、質の高いフィードバックを協同的に重ねていくこと、学びを時間をかけて浸透させる内省的なプロセスであること、そして教室の外にいる本物のオーディエンスに向けて成果を共有するエキシビションであることが挙げられていました。
評価の目的は、これまで行ってきた指導や単元、プロジェクトが、本当に学びやスキルの育成につながっているかを確かめることにあります。
一人ひとりの丸ごとの人間性を尊重しながら、その目標を達成する方法として、本質的な評価が語られていました。
学びの多様性が認められるのであれば、評価もまた多様化できるはずだ、というミシェル博士の言葉は、多くの参加者にとって印象的だったのではないかと思います。
カンファレンスが進んでいくごとに、なぜ私がこの場に呼んでいただけたのかが明確になりました。
私の分科会では「心理的成功」と「パーパス」を言語化するワークショップを、合計4時間にわたって実施。
価値観や瞑想などのワークを通して、他者と比べるのではなく、自分が幸せだと感じられる状態とは何か、そしてそれを実現するための指針となるパーパスについて言葉にしていきました。
参加者のみなさんは非常に熱量が高く、それぞれの経験や関心に根ざした言葉が共有されていました。
一人ひとりが、自分自身の言葉で語ろうとする姿勢が、この分科会の時間を支えていたと感じます。
会場となったドルトン東京学園は、探究学習を軸に新設された中高一貫校で、ユースアンバサダーとして参加していた生徒たちの存在も象徴的でした。
多くの学校が一部導入でとどまっている縦割りのハウス制度が、よく機能していることに感動!
そしてDL Japanでも、参加者が学びを共有する仕組みとしてハウス制度が取り入れられていたのです。
国内外の教育関係者と、生徒たちが純粋な好奇心で対話する姿は、このカンファレンス自体が、解放と成長、そして喜びの場になっていることを示していました。
会期中は、久しぶりに対面で再会する教育関係者との交流もあり、同窓会のような雰囲気も感じられました。
(前日の懇親会でまつ毛スナックも開催しました!)
2026年の始まりに、このような学びと出会いの場に立ち会えたことに、心から感謝しています。
さとさん、かなさん、そしておかちゃん。素晴らしい機会をありがとうございました!
また皆様とすぐにどこかで再会できることを楽しみにしています。
昼スナママ・フィッシュ明子の役にたたなくてもいいラジオ
フィッシュ 明子
- 00:161.
タイトルコール
- 09:322.
継続的なよろこび― Continuous Joy
- 06:223.
もし私たちが授業を多様化できるのであれば、評価もまた多様化できるはずだ
- 02:394.
まつ毛スナックももちろん開催
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