#277 「多様性を認めない多様性」なんかない
19:22
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少し前になりますが、福岡県の人権啓発指導者セミナーに講師としてお招きいただきました。県の道路や建物を入札する事業者向けに「企業等における啓発研修の充実、向上に資するため、人権問題への基本的認識を深め、効果的な人権啓発を行える指導者を育成することを目的とした研修」で、リーダーや人事担当者が対象。受講すると入札時に加点される仕組みで、福岡県の入札参加資格における地域貢献活動の評価項目にもなっています。
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タイトルは担当者からの指定で「<メンタルヘルス>セルフダイバーシティから始める人権経営、ハラスメントを生まない組織づくり」。人権経営をしている企業の事例がほしいというご依頼だったので、取材に伺った3社を紹介させていただきました。
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①地域に洗濯物を畳むという仕事を開いているクリーニング会社のアグティ(ACWA)さん
https://voicy.jp/channel/821343/7214495
②会社を休む際に「連絡をしてはいけない」というルールがある、大阪のオーガニックエビ輸入加工販売工場パプアニューギニア海産さん
③熊本県南関町で竹のお箸をつくる、給料自己申告制を採用したヤマチクさん
https://voicy.jp/channel/821343/7754894
いずれもVoicyでレポートしていますので、よかったら聞いてみてください。
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さらに昼スナの実践をもとに多様性とは何かを、セルフダイバーシティというキーワードで話しました。
個人的には「ダイバーシティ」という言葉が自分の外側に向かっていて、LGBTQや同和、障害者といった属性で切り分け、ラベリングすることに使われていることが多い気がしています。
例えば、誰でも使えるトイレを作って配慮を示すことは素晴らしいと思いますが、SDGsの番号しかり「正しいことをしている」証明のためにLGBTQのラベルを貼っているような違和感です。私はそんな風に使いたくないし使われたくない。
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なぜなら、多様性とは自分の外側ではなく内側にあるものだと思うからです。あってはならない自分や認めたくない感情を隠すために頑張り続ける。能力開発自体は素晴らしいことですが、それが自分を抑圧するためだとしたらいずれ苦しくなります。
そんな状態に長くいると、マイノリティが特別扱いをされていると感じて攻撃したくなったり、「多様性を認めない多様性がある」などと詭弁を言ったりします。一見いいことを言っているようですが、要するにマイノリティの権利要求にこれ以上応じたくないだけです。
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そういう時は自分の感情をよく見ていく必要があります。自分の権利が侵食されている気がしたり、応えなきゃという義務感や、できないという罪悪感を感じること。自分が知らないこと、抑圧しているものを堂々と主張する人がいたときに嫌だな、怖いなと戸惑うのは自然な感情です。ただ、それと特定の人を差別したり排除することはまったく違う。
自分の中にモヤモヤや怒りが生まれるのは、そこにケアされていない記憶があるからです。なぜ自分ばかり我慢しなくてはならないのだという怒りやこんな自分は許されないという痛み。そんな自分の中の抑圧された感情=マイノリティ性を認知することがセルフダイバーシティだと思うのです。そして自分をどれだけ解像度高く見ることができるか、その解像度でしか他者を理解することはできない。
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いわゆる人権研修は、当事者と呼ばれる方からお話を聞くスタイルが一般的です。当事者にしか語れないことを分かち合っていただけることは本当に有難い。ただ一方で、ずっとその役割を「当事者」に負わせ続けてもいいのかという疑問があります。
苦しみや痛みを語る当事者に対して「大変ですね」と罪悪感を感じ、「いい勉強をさせていただきました、頑張ってください」と終わらせる、話す人と聞く人の間に生まれる深い溝。このマイクロアグレッションは悪意や差別する意図がなくても、日常の何気ない言動に潜む無意識の偏見や思い込み(アンコンシャス・バイアス)によって、相手を傷つけたり軽視したりする「小さな攻撃」のことで、「頑張ってください」と言った時点で、自分とは違うという確信を強めてしまっているように見えます。
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一方、多様性が自分の中にあるマイノリティ性だと考えれば、人類みな当事者です。マイノリティ性のない人なんてどこにもいません。
例えば日本の家父長制の社会システムで勝ち残ってきた人たち、特に男性は決して「落ちたくない」という強い思いを持っています。
#243 『転落男性論』西井開さん×信田さよ子さん対談レポート
https://voicy.jp/channel/821343/7907001
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でも思いがけないことが起きることだってあるでしょう。誰でも歳をとれば体が不自由になり障害者になりますし、もしかしたら家では家族とコミュニケーションがうまくとれていないかもしれません。女性に人気のカフェに入ればマイノリティです。常にマジョリティであり続けられる人など、本当は一人もいません。もしそう思っている人がいたとしたら、それは自分自身の解像度が低いだけ、むしろ大きな恐怖を抱えているでしょう。
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当事者でない人など一人もいない。そう考えると、わざわざ外に違いを見つけてラベルを貼りに行かなくても、自分の内側を見ることでマイノリティ性を深く理解することができます。誰かにその役割を負わせ続けなくてもすむ。
昼スナでは講談や落語、スタンダップコメディで自分のマイノリティ性を認識し、語っていきます。エンタメの力が、自己覚知を助けてくれるのです。
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ここからは笑い話です。
人権啓発指導者セミナーの参加者は加点を求めて来られているので、おそらく「この人だから聞きに来る」という方は少なかったろうと思います。「本日の講師のフィッシュさんです」と紹介されて演台に出てきたのが昼スナ正装だったので、皆さん「???」という空気になっていました。
「私、一目でわかる通り社会福祉士なんですが」という鉄板ネタも、さすがこの場ではシーンとなり、エアコンが効きすぎているんじゃないかというくらい会場が冷えていましたw
ただ、話が進むにつれて参加者の顔が上がってきて、建設業という業界ゆえに圧倒的に少なかった女性の方たちが大きくうなずいてくださっていました。後日のいただいたアンケート結果には「社員全員連れて行きたかった」「ダイバーシティという言葉の意味が腑に落ちた」「職場の雰囲気を変えたい。上司や制度を責めて変わらないことに疲れていたけど、自分の内側を見ることからやってみたい」といった熱いメッセージをいただき、本当にありがたかったです。
改善点としては早口だったというご指摘があり、参加者の方たちにとって普段圧倒的に聞き慣れない内容だと想像しますので、配慮が必要でした。
話は変わりますが、先月末は太宰府市の人権講座に呼んでいただきました。ご担当の方が「新しいことに挑戦してみたいです」とおっしゃったので、「昼スナ太宰府支店を1日オープンするなんてどうですか」と提案したところ実現しました。会場にはキラキラしたモールがマイクや出入口に飾られ「郊外の駅前にあるスナックをイメージしました」とのこと。タンバリンの音が聞こえてきそうな雰囲気に大喜びでした。看板を持参し「今から昼スナ太宰府支店開店です」と点灯する演出をしたりして、たいへん楽しかったです。
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こちらのアンケートはデータではなく、原本のコピーをドサッと送ってくださったのですが、送付状に契印が押されていて、久しぶりに見て驚きました。参加者は行政と教員の方が多かったことから、自己開示の度合いが高く濃いフィードバックをたくさんいただきました。「子どもたちと向き合う上で自分の中の感情をしっかり理解したい」と書いてくださった先生もいて、一枚一枚めくるたびにエンパワーされました、ありがとうございました。
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講座の後は大宰府天満宮参道まで送っていただき、参道にある梅園さん(伝統ある和菓子店)に寄って、お参りをして帰りました。
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今後も久留米市や春日市、玄海島などに伺う予定で楽しみ。もしお住まいの自治体や団体で呼んでいただける場合は、看板を持ってまいります、お座敷お待ちしております☺
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タイトルは担当者からの指定で「<メンタルヘルス>セルフダイバーシティから始める人権経営、ハラスメントを生まない組織づくり」。人権経営をしている企業の事例がほしいというご依頼だったので、取材に伺った3社を紹介させていただきました。
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①地域に洗濯物を畳むという仕事を開いているクリーニング会社のアグティ(ACWA)さん
https://voicy.jp/channel/821343/7214495
②会社を休む際に「連絡をしてはいけない」というルールがある、大阪のオーガニックエビ輸入加工販売工場パプアニューギニア海産さん
③熊本県南関町で竹のお箸をつくる、給料自己申告制を採用したヤマチクさん
https://voicy.jp/channel/821343/7754894
いずれもVoicyでレポートしていますので、よかったら聞いてみてください。
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さらに昼スナの実践をもとに多様性とは何かを、セルフダイバーシティというキーワードで話しました。
個人的には「ダイバーシティ」という言葉が自分の外側に向かっていて、LGBTQや同和、障害者といった属性で切り分け、ラベリングすることに使われていることが多い気がしています。
例えば、誰でも使えるトイレを作って配慮を示すことは素晴らしいと思いますが、SDGsの番号しかり「正しいことをしている」証明のためにLGBTQのラベルを貼っているような違和感です。私はそんな風に使いたくないし使われたくない。
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なぜなら、多様性とは自分の外側ではなく内側にあるものだと思うからです。あってはならない自分や認めたくない感情を隠すために頑張り続ける。能力開発自体は素晴らしいことですが、それが自分を抑圧するためだとしたらいずれ苦しくなります。
そんな状態に長くいると、マイノリティが特別扱いをされていると感じて攻撃したくなったり、「多様性を認めない多様性がある」などと詭弁を言ったりします。一見いいことを言っているようですが、要するにマイノリティの権利要求にこれ以上応じたくないだけです。
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そういう時は自分の感情をよく見ていく必要があります。自分の権利が侵食されている気がしたり、応えなきゃという義務感や、できないという罪悪感を感じること。自分が知らないこと、抑圧しているものを堂々と主張する人がいたときに嫌だな、怖いなと戸惑うのは自然な感情です。ただ、それと特定の人を差別したり排除することはまったく違う。
自分の中にモヤモヤや怒りが生まれるのは、そこにケアされていない記憶があるからです。なぜ自分ばかり我慢しなくてはならないのだという怒りやこんな自分は許されないという痛み。そんな自分の中の抑圧された感情=マイノリティ性を認知することがセルフダイバーシティだと思うのです。そして自分をどれだけ解像度高く見ることができるか、その解像度でしか他者を理解することはできない。
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いわゆる人権研修は、当事者と呼ばれる方からお話を聞くスタイルが一般的です。当事者にしか語れないことを分かち合っていただけることは本当に有難い。ただ一方で、ずっとその役割を「当事者」に負わせ続けてもいいのかという疑問があります。
苦しみや痛みを語る当事者に対して「大変ですね」と罪悪感を感じ、「いい勉強をさせていただきました、頑張ってください」と終わらせる、話す人と聞く人の間に生まれる深い溝。このマイクロアグレッションは悪意や差別する意図がなくても、日常の何気ない言動に潜む無意識の偏見や思い込み(アンコンシャス・バイアス)によって、相手を傷つけたり軽視したりする「小さな攻撃」のことで、「頑張ってください」と言った時点で、自分とは違うという確信を強めてしまっているように見えます。
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一方、多様性が自分の中にあるマイノリティ性だと考えれば、人類みな当事者です。マイノリティ性のない人なんてどこにもいません。
例えば日本の家父長制の社会システムで勝ち残ってきた人たち、特に男性は決して「落ちたくない」という強い思いを持っています。
#243 『転落男性論』西井開さん×信田さよ子さん対談レポート
https://voicy.jp/channel/821343/7907001
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でも思いがけないことが起きることだってあるでしょう。誰でも歳をとれば体が不自由になり障害者になりますし、もしかしたら家では家族とコミュニケーションがうまくとれていないかもしれません。女性に人気のカフェに入ればマイノリティです。常にマジョリティであり続けられる人など、本当は一人もいません。もしそう思っている人がいたとしたら、それは自分自身の解像度が低いだけ、むしろ大きな恐怖を抱えているでしょう。
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当事者でない人など一人もいない。そう考えると、わざわざ外に違いを見つけてラベルを貼りに行かなくても、自分の内側を見ることでマイノリティ性を深く理解することができます。誰かにその役割を負わせ続けなくてもすむ。
昼スナでは講談や落語、スタンダップコメディで自分のマイノリティ性を認識し、語っていきます。エンタメの力が、自己覚知を助けてくれるのです。
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ここからは笑い話です。
人権啓発指導者セミナーの参加者は加点を求めて来られているので、おそらく「この人だから聞きに来る」という方は少なかったろうと思います。「本日の講師のフィッシュさんです」と紹介されて演台に出てきたのが昼スナ正装だったので、皆さん「???」という空気になっていました。
「私、一目でわかる通り社会福祉士なんですが」という鉄板ネタも、さすがこの場ではシーンとなり、エアコンが効きすぎているんじゃないかというくらい会場が冷えていましたw
ただ、話が進むにつれて参加者の顔が上がってきて、建設業という業界ゆえに圧倒的に少なかった女性の方たちが大きくうなずいてくださっていました。後日のいただいたアンケート結果には「社員全員連れて行きたかった」「ダイバーシティという言葉の意味が腑に落ちた」「職場の雰囲気を変えたい。上司や制度を責めて変わらないことに疲れていたけど、自分の内側を見ることからやってみたい」といった熱いメッセージをいただき、本当にありがたかったです。
改善点としては早口だったというご指摘があり、参加者の方たちにとって普段圧倒的に聞き慣れない内容だと想像しますので、配慮が必要でした。
話は変わりますが、先月末は太宰府市の人権講座に呼んでいただきました。ご担当の方が「新しいことに挑戦してみたいです」とおっしゃったので、「昼スナ太宰府支店を1日オープンするなんてどうですか」と提案したところ実現しました。会場にはキラキラしたモールがマイクや出入口に飾られ「郊外の駅前にあるスナックをイメージしました」とのこと。タンバリンの音が聞こえてきそうな雰囲気に大喜びでした。看板を持参し「今から昼スナ太宰府支店開店です」と点灯する演出をしたりして、たいへん楽しかったです。
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こちらのアンケートはデータではなく、原本のコピーをドサッと送ってくださったのですが、送付状に契印が押されていて、久しぶりに見て驚きました。参加者は行政と教員の方が多かったことから、自己開示の度合いが高く濃いフィードバックをたくさんいただきました。「子どもたちと向き合う上で自分の中の感情をしっかり理解したい」と書いてくださった先生もいて、一枚一枚めくるたびにエンパワーされました、ありがとうございました。
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講座の後は大宰府天満宮参道まで送っていただき、参道にある梅園さん(伝統ある和菓子店)に寄って、お参りをして帰りました。
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今後も久留米市や春日市、玄海島などに伺う予定で楽しみ。もしお住まいの自治体や団体で呼んでいただける場合は、看板を持ってまいります、お座敷お待ちしております☺
昼スナママ・フィッシュ明子の役にたたなくてもいいラジオ
フィッシュ 明子
- 00:161.
タイトルコール
- 09:542.
#138 人を大切にするために仕事がある~ACWAで洗濯物をたたんで分かったこと
- 09:123.
#243 『転落男性論』西井開さん×信田さよ子さん対談レポート
コメント

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こちらこそ、いつもフィードバックをありがとうございます!
何かを考えたり感じたりすることに、どれだけの幅広さ、選択肢を持てるかを探求できたらいいなと思っています。
それもKUMAさんのような、昼スナに来てくださる素敵な方たちとの出会いがあってこそ。感謝ばかりです。
次回のお越しをお待ちしてますね!