#265【レポート】最後の森が消える前に、私たちにできること 村田里穂さん×藤井芳広さんトークイベント
1:11:19
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8/2に昼スナで実施したトークイベントのレポートです。
村田里穂さんは、一般社団法人Hidamariの代表理事として、インドネシア・スマトラ島の森を守る活動をされています。
もともとは愛知県出身で、大学に入ってすぐに「ここは自分のいる場所じゃない」と感じて退学届を提出。インクルーシブ教育を学ぶためにイギリスの大学へ入り直し、そこで地球規模の環境危機という現実に出会ったのでした。誰かが解決してくれるだろうと思っていたのに、誰もその答えを持っていない。それを知って、村田さんは自分にできることを全部やろうと決め、単身スマトラ島へ向かいました。
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目にしたのは、車で三時間走っても途切れないパーム油のプランテーション。もともとジャングルだった場所を焼き払い、アブラヤシを植え直した大規模農園です。パーム油農家として雇われている方たちの賃金はとても安く、食べ物を買えない日もある。
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ここにもともと住んでいたスマトラゾウは集団で長い距離を移動する生き物で、森がなければ生きていけません。行き場を失ったゾウが人里やプランテーションに入り込み、家を壊されて怒った住民との間で、命の奪い合いが起きていました。保護施設に運ばれたゾウの写真を見せてもらいながら、村田さんは、この状況が少しでも良くなるなら自分の人生を使いたいと思ったのでした。
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そんな中で出会ったのが、アグロフォレストリーという農法でした。ひとつの土地にコーヒーだけでなく、カカオやカルダモンなど多様な作物を育てることで、森が再生されると同時に、農家の収入も安定します。実際にパーム油農家からアグロフォレストリー農家に転向し、収入が3倍になった方もいるとのことでした。現地NGO「RSF」の代表フスニさんとは、言葉がほとんど通じないのに意気投合し、最終日に「学ぶ側としてではなく、対等な事業パートナーとしてやっていかないか」と声をかけられたことが、今の活動の出発点になったそうです。
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この農法で育てたスパイスを使って生まれたのが、Hidamariで販売している「森のコーラ」です。飲めば飲むほど需要が生まれ、現地でアグロフォレストリーの農地が増えていく仕組みになっています。ただ、森を再生することはできても、今ある森を守ることはできない。実際、大好きだった小さな森が、日本に帰ってきたわずか一週間後に重機で切り開かれていたという経験をされたそうです。だからこそ、開発の対象になろうとしている最後の十五ヘクタールの森を、買うことで守るクラウドファンディングを始めました。7日間で450万円を達成し、今はネクストゴールの600万円に向けて走っています。
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続いて登壇されたのは、NPO法人いとなみ代表理事の藤井芳広さん、通称ふじいもんです。2002年、日本企業の開発によってエクアドルの森が破壊されているのを知った。現地の方たちがアグロフォレストリーで開発を止めようとしている姿を見て、自分たちがコーヒーを輸入することで応援できないかと考えたのが活動の始まりだったといいます。
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藤井さんは、日本の森自体が抱える問題についても話してくれました。70年ほど前にたくさんの木を植えたものの、高度経済成長で輸入に切り替わり、国内の森はほとんど使われないまま放置されています。間伐されずヒョロヒョロに育った木ばかりの森は、虫や鳥や獣の食べ物すら生まれない状態になってしまっている。これを変えるためにふじいもんが実践してきたのが「皮むき間伐」です。のこぎりと竹べらで樹皮を剥ぎ、水分や養分を運ぶ管を断って木を枯らすという、チェーンソーを使わず子どもでも体験できる手法で、より多くの方が実際に森に入る入り口を作ってこられました。
ふじいもんいわく、環境問題というのは環境が生み出した問題ではなく、すべて人間が生み出した問題だということでした。木を材としてではなく命として感じてもらうこと、木々がつくる木漏れ日が明るい場所と暗い場所を生み出し、そこに多様な微生物が住めるようになるということ。そういう存在に実際に触れてもらうことを通じて、自分たち自身のあり方や社会のあり方を考えるきっかけにしたいのだと語ってくれました。
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そしてふじいもんも糸島で、実際に開発から森を買い取って守るという活動をしています。糸島では2ヘクタールを200万円で、別の場所では3ヘクタールを450万円ほどで購入。買うことはスタートであってゴールではなく、自分が死んだ後も含めてどう守っていくかを考え続けなければなりません。そのために、出資してくださった方全員を会員にして総会を開き、みんなで意見を聞きながら進めているとのことでした。
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クラウドファンディングがわずか7日間で450万円を達成した理由を尋ねてみたのですが、村田さんは友人がつくってくれたイラストやリールなど、周りの方たちの厚意に支えられたからだと繰り返しおっしゃっていました。こういった活動は「なぜ?」という理由をあれこれ求められがちですが、村田さんはただ森が好きで、動物が好きなのだということが伝わってきました。
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「森のコーラ」をいただきながら、参加者の皆さんからアグロフォレストリーの収益性についての率直な疑問、土地の所有や継承のリスクについての質問があり、そのひとつひとつに、村田さんとふじいもんは丁寧に、時にはご自身の葛藤も交えながら答えてくださいました。
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スケールも場所もまったく違う2つの森のお話でしたが、根っこにあったのは同じ問いでした。遠い場所の問題を自分事として感じるにはどうしたらいいか。そして、好きだから人生をかけてやる、それだけで十分なのだということ。参加者それぞれが、自分の暮らしと森との距離を、少しだけ近くに感じ直せた時間になった気がします。
村田さん、ふじいもん、素敵な時間をありがとうございました!
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【クラファン】
最後の森が消える前に。開発が迫る土地を買い、野生動物のすみかを守りたい!
https://camp-fire.jp/projects/961328/view
村田里穂さんは、一般社団法人Hidamariの代表理事として、インドネシア・スマトラ島の森を守る活動をされています。
もともとは愛知県出身で、大学に入ってすぐに「ここは自分のいる場所じゃない」と感じて退学届を提出。インクルーシブ教育を学ぶためにイギリスの大学へ入り直し、そこで地球規模の環境危機という現実に出会ったのでした。誰かが解決してくれるだろうと思っていたのに、誰もその答えを持っていない。それを知って、村田さんは自分にできることを全部やろうと決め、単身スマトラ島へ向かいました。
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目にしたのは、車で三時間走っても途切れないパーム油のプランテーション。もともとジャングルだった場所を焼き払い、アブラヤシを植え直した大規模農園です。パーム油農家として雇われている方たちの賃金はとても安く、食べ物を買えない日もある。
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ここにもともと住んでいたスマトラゾウは集団で長い距離を移動する生き物で、森がなければ生きていけません。行き場を失ったゾウが人里やプランテーションに入り込み、家を壊されて怒った住民との間で、命の奪い合いが起きていました。保護施設に運ばれたゾウの写真を見せてもらいながら、村田さんは、この状況が少しでも良くなるなら自分の人生を使いたいと思ったのでした。
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そんな中で出会ったのが、アグロフォレストリーという農法でした。ひとつの土地にコーヒーだけでなく、カカオやカルダモンなど多様な作物を育てることで、森が再生されると同時に、農家の収入も安定します。実際にパーム油農家からアグロフォレストリー農家に転向し、収入が3倍になった方もいるとのことでした。現地NGO「RSF」の代表フスニさんとは、言葉がほとんど通じないのに意気投合し、最終日に「学ぶ側としてではなく、対等な事業パートナーとしてやっていかないか」と声をかけられたことが、今の活動の出発点になったそうです。
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この農法で育てたスパイスを使って生まれたのが、Hidamariで販売している「森のコーラ」です。飲めば飲むほど需要が生まれ、現地でアグロフォレストリーの農地が増えていく仕組みになっています。ただ、森を再生することはできても、今ある森を守ることはできない。実際、大好きだった小さな森が、日本に帰ってきたわずか一週間後に重機で切り開かれていたという経験をされたそうです。だからこそ、開発の対象になろうとしている最後の十五ヘクタールの森を、買うことで守るクラウドファンディングを始めました。7日間で450万円を達成し、今はネクストゴールの600万円に向けて走っています。
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続いて登壇されたのは、NPO法人いとなみ代表理事の藤井芳広さん、通称ふじいもんです。2002年、日本企業の開発によってエクアドルの森が破壊されているのを知った。現地の方たちがアグロフォレストリーで開発を止めようとしている姿を見て、自分たちがコーヒーを輸入することで応援できないかと考えたのが活動の始まりだったといいます。
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藤井さんは、日本の森自体が抱える問題についても話してくれました。70年ほど前にたくさんの木を植えたものの、高度経済成長で輸入に切り替わり、国内の森はほとんど使われないまま放置されています。間伐されずヒョロヒョロに育った木ばかりの森は、虫や鳥や獣の食べ物すら生まれない状態になってしまっている。これを変えるためにふじいもんが実践してきたのが「皮むき間伐」です。のこぎりと竹べらで樹皮を剥ぎ、水分や養分を運ぶ管を断って木を枯らすという、チェーンソーを使わず子どもでも体験できる手法で、より多くの方が実際に森に入る入り口を作ってこられました。
ふじいもんいわく、環境問題というのは環境が生み出した問題ではなく、すべて人間が生み出した問題だということでした。木を材としてではなく命として感じてもらうこと、木々がつくる木漏れ日が明るい場所と暗い場所を生み出し、そこに多様な微生物が住めるようになるということ。そういう存在に実際に触れてもらうことを通じて、自分たち自身のあり方や社会のあり方を考えるきっかけにしたいのだと語ってくれました。
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そしてふじいもんも糸島で、実際に開発から森を買い取って守るという活動をしています。糸島では2ヘクタールを200万円で、別の場所では3ヘクタールを450万円ほどで購入。買うことはスタートであってゴールではなく、自分が死んだ後も含めてどう守っていくかを考え続けなければなりません。そのために、出資してくださった方全員を会員にして総会を開き、みんなで意見を聞きながら進めているとのことでした。
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クラウドファンディングがわずか7日間で450万円を達成した理由を尋ねてみたのですが、村田さんは友人がつくってくれたイラストやリールなど、周りの方たちの厚意に支えられたからだと繰り返しおっしゃっていました。こういった活動は「なぜ?」という理由をあれこれ求められがちですが、村田さんはただ森が好きで、動物が好きなのだということが伝わってきました。
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「森のコーラ」をいただきながら、参加者の皆さんからアグロフォレストリーの収益性についての率直な疑問、土地の所有や継承のリスクについての質問があり、そのひとつひとつに、村田さんとふじいもんは丁寧に、時にはご自身の葛藤も交えながら答えてくださいました。
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スケールも場所もまったく違う2つの森のお話でしたが、根っこにあったのは同じ問いでした。遠い場所の問題を自分事として感じるにはどうしたらいいか。そして、好きだから人生をかけてやる、それだけで十分なのだということ。参加者それぞれが、自分の暮らしと森との距離を、少しだけ近くに感じ直せた時間になった気がします。
村田さん、ふじいもん、素敵な時間をありがとうございました!
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【クラファン】
最後の森が消える前に。開発が迫る土地を買い、野生動物のすみかを守りたい!
https://camp-fire.jp/projects/961328/view
昼スナママ・フィッシュ明子の役にたたなくてもいいラジオ
フィッシュ 明子
- 00:161.
タイトルコール
- 06:432.
2つの国で自分の暮らしと森との距離を、少しだけ近くに感じ直せた時間 ★クラファン8/25まで
- 1:03:413.
村田里穂さん×藤井芳広さん トークイベント
- 00:404.
#16 【常連さんいらっしゃ~い】ふじいもん/藤井芳広さん
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