#266 『檻の中のライオン 憲法がわかる46のおはなし』弁護士・楾大樹さん講演会
09:09
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昼スナの常連さんでオイエマンこと尾家満さんが経営されている、豊前市の古民家宿泊施設・利他庵にようやく伺えました。
https://ritaan.fukuoka.jp/
弁護士の楾大樹(はんどう たいき)さんによる講演会に参加するためです。
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昼スナで主催している「民主主義の教科書」のオンライン読書会をきっかけに、日本国憲法改正草案を読む勉強会にも参加するようになり、そこで引用されていた「檻の中のライオン」を読みました。
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楾さんは広島弁護士会所属の弁護士で『檻の中のライオン 憲法がわかる46のおはなし』を2016年に出版し、この本にもとづく講演を全国で1000回以上重ねてこられました。国家権力を百獣の王ライオンにたとえ、ライオンが暴れないように、憲法という檻の中でだけ力をふるってもらう、という比喩をつかって立憲主義のかたちを解説してくれます。
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講演はまずクイズから始まりました。
「憲法を守らなければならないのは誰か?」
答えは国民ではなく、政治家や国務大臣、裁判官、公務員などの国家権力を持つ人たちです。憲法99条には、天皇、国務大臣、国会議員、裁判官など公務員に憲法尊重擁護の義務があると書かれています。私たちを縛るルールではなく、権力を縛るルールだということが、まず最初の一番大事な補助線として引かれます。
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次に基本的人権。人権は憲法が与えてくれるものではなく、人間として生まれた以上、生まれながらに持っているもの。天から授かった、人間らしく生きる権利。それをわざわざ憲法にびっしり書き連ねているのは、歴史のなかで権力がその人権を何度も踏みにじってきたから。書かなくても本来持っているはずのものを、念を押すようにしつこく書く。それが人権規定の意味だと、楾さんは言います。
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もう一つ、13条「すべて国民は、個人として尊重される」。これは木でいえば根っこにあたります。人権も、国民主権も、権力分立も、民主主義も、平和主義も、すべてこの根っこから伸びる幹や枝葉である。個々の時事問題をばらばらの点として見るのではなく、一本の木の全体像のなかに位置づけて考える。
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途中、意外と知られていない国会のスケジュールについてお話がありました。通常国会は毎年1月下旬に始まり、6月末までのおよそ150日間続く。なぜこの時期なのか。83条の財政民主主義、86条の予算、41条の国会は唯一の立法機関であるという規定、60条の予算に関する衆参のタイムリミット。これらを順番にたどることで、なぜ年度が始まる前の1月に国会が開かれ、3月末までに予算が決まっていなければならないのかが、一続きの理屈として見えてきます。
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今年は異例づくめの国会でした。今年の通常国会は1月23日に始まったその日のうちに衆議院が解散され、一日で終了。予算審議という本来の仕事をすっ飛ばして解散総選挙に踏み切ったのは、新政権への期待感がまだ高いうちに議席を確保しておく計算だった。その後、2月18日から特別国会が始まり、暫定予算を経て本予算成立は4月7日にずれ込みました。
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53条にもとづく臨時国会の召集要求について。国会議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は臨時国会を召集しなければならないと憲法は定めているが、この「しなければならない」がしばしば守られずに引き延ばされてきた歴史があります。
2017年、安倍政権下で森友問題の追及を求める臨時国会召集要求が3か月放置され、ようやく開かれたその日に衆議院が解散された。石破政権下でも、9月10日の召集要求から実際に開かれるまで40日ほどかかっています。憲法には召集の期限が明記されていないため、この「何日以内」という空白がそのまま権力の裁量として使われ続けている、という指摘でした。
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楾さん自身がれいわ新選組に所属し、広島で二度、国政選挙に立候補した経験があります。憲法を解説する弁護士としてだけでなく、自らも候補者としてその制度の内側を歩いてきた人だからこその話は、生々しい。
特に政治資金の話に時間が割かれました。企業や団体による政党への献金には金額の規制がなく、政治資金規正法の抜け穴として長年議論されてきたテーマ。防衛費がGDP比2パーセントへと急増していくなかで、法人税は抑えられたまま、増税は所得税や消費税といった形で私たちの生活に跳ね返ってくる。この構図は企業献金の問題と地続きであるというのは、個々のニュースを断片的に追っているだけでは見えにくい部分です。
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意外なことに広島県は全国で最も投票率が低い県で、平和教育は熱心に行われてきた一方で、主権者教育、つまり政治そのものを自分ごととして考える教育が抜け落ちているのではないかという問題提起をされていました。
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3時間近くにわたるお話の最後は、憲法12条の「不断の努力」という言葉どおり、私たち一人ひとりが政治を知り、考え、投票という行動につなげていくことでしか、この檻は保たれない。学んだこと、感じたことを誰かに話す、SNSに感想を書く、そうした小さな行動の一つひとつが、檻を保つための不断の努力なのだという言葉で、講演は締めくくられました。
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条文の解説と、候補者として選挙を二度戦った実感とが、地続きの一つの話として語られていたのが、この講演のユニークな点です。
制度を外から解説する視点と、制度のなかで実際に戦った当事者の視点。この二つを一人の語り手が同時に持っていることが、楾さんの講演を単なる憲法入門にとどめない力になっていると感じました。
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小学校の社会の教科書に「みんなでお互いの権利を尊重しよう」という表現があることへの違和感。人権を尊重する主体はまず権力であるはずなのに、教科書からは政治の主語が抜け落ち、代わりに「よい子になろう」という道徳の話にすり替わってしまっている。表現の自由という人権を使って政治をつくっていく、という最も大事な部分が教育のなかで手渡されていないモヤモヤを、改めてクリアにできた気がします。
秋か冬に昼スナでこの勉強会のB面(裏バージョン)をやっていただくことになりましたので、詳細決まりましたらまたご案内させてください。
https://ritaan.fukuoka.jp/
弁護士の楾大樹(はんどう たいき)さんによる講演会に参加するためです。
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昼スナで主催している「民主主義の教科書」のオンライン読書会をきっかけに、日本国憲法改正草案を読む勉強会にも参加するようになり、そこで引用されていた「檻の中のライオン」を読みました。
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楾さんは広島弁護士会所属の弁護士で『檻の中のライオン 憲法がわかる46のおはなし』を2016年に出版し、この本にもとづく講演を全国で1000回以上重ねてこられました。国家権力を百獣の王ライオンにたとえ、ライオンが暴れないように、憲法という檻の中でだけ力をふるってもらう、という比喩をつかって立憲主義のかたちを解説してくれます。
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講演はまずクイズから始まりました。
「憲法を守らなければならないのは誰か?」
答えは国民ではなく、政治家や国務大臣、裁判官、公務員などの国家権力を持つ人たちです。憲法99条には、天皇、国務大臣、国会議員、裁判官など公務員に憲法尊重擁護の義務があると書かれています。私たちを縛るルールではなく、権力を縛るルールだということが、まず最初の一番大事な補助線として引かれます。
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次に基本的人権。人権は憲法が与えてくれるものではなく、人間として生まれた以上、生まれながらに持っているもの。天から授かった、人間らしく生きる権利。それをわざわざ憲法にびっしり書き連ねているのは、歴史のなかで権力がその人権を何度も踏みにじってきたから。書かなくても本来持っているはずのものを、念を押すようにしつこく書く。それが人権規定の意味だと、楾さんは言います。
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もう一つ、13条「すべて国民は、個人として尊重される」。これは木でいえば根っこにあたります。人権も、国民主権も、権力分立も、民主主義も、平和主義も、すべてこの根っこから伸びる幹や枝葉である。個々の時事問題をばらばらの点として見るのではなく、一本の木の全体像のなかに位置づけて考える。
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途中、意外と知られていない国会のスケジュールについてお話がありました。通常国会は毎年1月下旬に始まり、6月末までのおよそ150日間続く。なぜこの時期なのか。83条の財政民主主義、86条の予算、41条の国会は唯一の立法機関であるという規定、60条の予算に関する衆参のタイムリミット。これらを順番にたどることで、なぜ年度が始まる前の1月に国会が開かれ、3月末までに予算が決まっていなければならないのかが、一続きの理屈として見えてきます。
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今年は異例づくめの国会でした。今年の通常国会は1月23日に始まったその日のうちに衆議院が解散され、一日で終了。予算審議という本来の仕事をすっ飛ばして解散総選挙に踏み切ったのは、新政権への期待感がまだ高いうちに議席を確保しておく計算だった。その後、2月18日から特別国会が始まり、暫定予算を経て本予算成立は4月7日にずれ込みました。
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53条にもとづく臨時国会の召集要求について。国会議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は臨時国会を召集しなければならないと憲法は定めているが、この「しなければならない」がしばしば守られずに引き延ばされてきた歴史があります。
2017年、安倍政権下で森友問題の追及を求める臨時国会召集要求が3か月放置され、ようやく開かれたその日に衆議院が解散された。石破政権下でも、9月10日の召集要求から実際に開かれるまで40日ほどかかっています。憲法には召集の期限が明記されていないため、この「何日以内」という空白がそのまま権力の裁量として使われ続けている、という指摘でした。
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楾さん自身がれいわ新選組に所属し、広島で二度、国政選挙に立候補した経験があります。憲法を解説する弁護士としてだけでなく、自らも候補者としてその制度の内側を歩いてきた人だからこその話は、生々しい。
特に政治資金の話に時間が割かれました。企業や団体による政党への献金には金額の規制がなく、政治資金規正法の抜け穴として長年議論されてきたテーマ。防衛費がGDP比2パーセントへと急増していくなかで、法人税は抑えられたまま、増税は所得税や消費税といった形で私たちの生活に跳ね返ってくる。この構図は企業献金の問題と地続きであるというのは、個々のニュースを断片的に追っているだけでは見えにくい部分です。
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意外なことに広島県は全国で最も投票率が低い県で、平和教育は熱心に行われてきた一方で、主権者教育、つまり政治そのものを自分ごととして考える教育が抜け落ちているのではないかという問題提起をされていました。
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3時間近くにわたるお話の最後は、憲法12条の「不断の努力」という言葉どおり、私たち一人ひとりが政治を知り、考え、投票という行動につなげていくことでしか、この檻は保たれない。学んだこと、感じたことを誰かに話す、SNSに感想を書く、そうした小さな行動の一つひとつが、檻を保つための不断の努力なのだという言葉で、講演は締めくくられました。
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条文の解説と、候補者として選挙を二度戦った実感とが、地続きの一つの話として語られていたのが、この講演のユニークな点です。
制度を外から解説する視点と、制度のなかで実際に戦った当事者の視点。この二つを一人の語り手が同時に持っていることが、楾さんの講演を単なる憲法入門にとどめない力になっていると感じました。
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小学校の社会の教科書に「みんなでお互いの権利を尊重しよう」という表現があることへの違和感。人権を尊重する主体はまず権力であるはずなのに、教科書からは政治の主語が抜け落ち、代わりに「よい子になろう」という道徳の話にすり替わってしまっている。表現の自由という人権を使って政治をつくっていく、という最も大事な部分が教育のなかで手渡されていないモヤモヤを、改めてクリアにできた気がします。
秋か冬に昼スナでこの勉強会のB面(裏バージョン)をやっていただくことになりましたので、詳細決まりましたらまたご案内させてください。
昼スナママ・フィッシュ明子の役にたたなくてもいいラジオ
フィッシュ 明子
- 00:161.
タイトルコール
- 08:532.
秋のB面(裏)セミナー、ご期待ください
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高校生のうちにこの話を聞けるって、とても幸せですね。
皆様のご参加お待ちしております~☺