#263 寄付って難しい。熊本地震後に考えた二つのこと
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私はSNSでもVoicyでもリアルタイムな出来事を投稿することがほとんどなく、多くが時差投稿です。脊髄反射的にアウトプットせずに、時間をかけて自分の中に気持ちや情報を溜めていく。コップに水が溜まっていくように、十分満ちてから発信する、というのが今の自分に合っていると思っているのですが、熊本地震が起きて感じたことが二つあります。
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一つ目は寄付についてです。
毎月昼スナでお預かりした寄付金をNPOにお送りしていますが、今月は地震が起きたのが月末だったということもあって、熊本の団体にお送りし、これが寄付を考えなおすよいきっかけになりました。
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私は昼スナ以外にも個人で、7団体ほどでいわゆるマンスリーサポーターになっており(金額はわずかですが)、それ以外にもクラウドファンディングなど都度都度の寄付をしていますが、寄付というのは、幸福度を上げるもっとも費用対効果の高い方法だと確信しています。
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しかし被災地に送る寄付というのはいつもちょっと緊張するのです。
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災害が起きたらなるべく早く被災地の悲惨な写真を使ってインパクトを出すとお金が集まりやすい、という情報を共有されたことがあります。
強い刺激に対して人は反応しやすくなる。マーケティング的には正しいのかもしれませんが、これは、例えば「かわいそうな子ども」の姿(〇〇ちゃんは学校に行けません、ご飯を食べていません)を見せると寄付が集まりやすくなる、というのと同じで、人を道具にしているようでとても嫌な感じです。
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また個人的には、誰もが知っているような大きな団体ではなく、実際に活動している中の方を知っている(交流がある)団体にお送りしたいという思いがあります。
そして被災地に送る寄付は、自分の不安を和らげるためのものかもしれない、ということも自己覚知しておきたいです。どういう気持ちで自分がお金を送っているのかということをリフレクションするのも、重要ではないかと。
そんなこともあって寄付先は慎重に選んでいます。今回はたまたまご縁がある団体にお送りしたのですが、慎重にしているつもりでもうまくいかないこともあるので、改めて感じたのは「安心して寄付ができるというのはすごくありがたいことなんだな」ということでした。(団体さんのガバナンス、双方向の関係性のメンテナンスを含めて)
そして当たり前になっている寄付という行為でも、自分にとって「ここを大事にしたい」と言語化できるチャンスをいただいたなと思っています。
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もう一つ、気になっていることがあります。「見えない兵糧攻め」です。
この言葉は、まちづくりの専門家の木下斉さんからお借りした言葉で、木下さんは高校三年生で起業して、まちづくりや地域経済を軸に事業と政策に向き合ってこられた方。
いわく2016年の熊本地震の際に、九州全体でおよそ75万人泊分の宿泊のキャンセルが出た。被災した熊本や大分だけでなく、直接の被害がほとんどなかった長崎や宮崎や鹿児島の宿まで軒並みキャンセルされました。
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実は今回も同じことが起き始めています。長崎県の島原で宿を営んでいる友人によると、すでにキャンセルが入っているとのこと。メディアは一番被害のひどい場所、今回だったらイオンモールだとか、八代市の製紙工場だとかを映し続けます。もちろんそれを伝えるべき事実ではあるのですが、見ている側の頭の中では、その絵が被災地全体の顔になっていきます。余震などももちろんあるかもしれませんし、責められることではないのですが、大体その認知は現実とずれていることが多い。
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今回の地震について宿泊データを分析したある記事によると、九州7県で対象となった宿泊施設のうち、震度6弱以上のエリアにあるのはわずか7.9パーセント。残る83.6パーセントに関しては震度4以下のエリアに立地している。実際にほとんど揺れていないにもかかわらずキャンセルの対象になっていることが数字にも出ている。
2016年の記録を振り返ると、震源地のある熊本よりも87キロ離れた大分県のほうが、実は宿泊客の落ち込みが大きかったそうです。大分県がマイナス39.4パーセントだったのに対して、熊本県自体はマイナス10.6パーセントにとどまっていた、ということで、震源地からの距離とキャンセルの落ち込み幅はほとんど対応していない。
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これは能登半島地震のときも同じで「無用な訪問は控えて」という呼びかけだけが独り歩きしてしまって、被害の少ない地域まで北陸全体でキャンセルが波及しました。不謹慎だという善意から予約を取り消し、訪問をやめて、宿も飲食店も、現金の流れが一斉に止まることで、兵糧が尽きていく、という表現を木下さんはされていました。
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復興割が出たら行くという人も中にはいるかもしれませんが、基本的には、怖い映像が流れなくなって、その映像のことを忘れたらようやく行こうかという気持ちになりますよね。でも、忘れるまで、宿泊業も飲食店も、体力が持たない。
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木下さんが提案しているのは、まず宿泊をキャンセルする前に宿へメールを一本送ってみること、でした。
「状況はいかがですか」と聞けば「うちは無事です」とか「通常営業です」というような返事があるでしょうと。そして「大丈夫だと確認できた場所にはいつも通り行きましょう」と。
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被害の大きい地域には心を寄せながら、無事な地域には普通にお金を落としていく。この二つは矛盾しないんだと。そして、もし行けないんだったら買うことだと。野菜や果物に熊本産があれば、そちらを選んで買おう、ということですね。
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自粛は何も生まない、配慮という名の兵糧攻めに流されないようにしてくれと。揺れの被害の強いところは寄付などで心を尽くし、同時に揺れていない場所の日常は、堂々と回していく。この両方を矛盾なく抱えられる社会でありたいと願う、という木下さんの言葉に強く共感します。
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一つ目は寄付についてです。
毎月昼スナでお預かりした寄付金をNPOにお送りしていますが、今月は地震が起きたのが月末だったということもあって、熊本の団体にお送りし、これが寄付を考えなおすよいきっかけになりました。
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私は昼スナ以外にも個人で、7団体ほどでいわゆるマンスリーサポーターになっており(金額はわずかですが)、それ以外にもクラウドファンディングなど都度都度の寄付をしていますが、寄付というのは、幸福度を上げるもっとも費用対効果の高い方法だと確信しています。
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しかし被災地に送る寄付というのはいつもちょっと緊張するのです。
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災害が起きたらなるべく早く被災地の悲惨な写真を使ってインパクトを出すとお金が集まりやすい、という情報を共有されたことがあります。
強い刺激に対して人は反応しやすくなる。マーケティング的には正しいのかもしれませんが、これは、例えば「かわいそうな子ども」の姿(〇〇ちゃんは学校に行けません、ご飯を食べていません)を見せると寄付が集まりやすくなる、というのと同じで、人を道具にしているようでとても嫌な感じです。
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また個人的には、誰もが知っているような大きな団体ではなく、実際に活動している中の方を知っている(交流がある)団体にお送りしたいという思いがあります。
そして被災地に送る寄付は、自分の不安を和らげるためのものかもしれない、ということも自己覚知しておきたいです。どういう気持ちで自分がお金を送っているのかということをリフレクションするのも、重要ではないかと。
そんなこともあって寄付先は慎重に選んでいます。今回はたまたまご縁がある団体にお送りしたのですが、慎重にしているつもりでもうまくいかないこともあるので、改めて感じたのは「安心して寄付ができるというのはすごくありがたいことなんだな」ということでした。(団体さんのガバナンス、双方向の関係性のメンテナンスを含めて)
そして当たり前になっている寄付という行為でも、自分にとって「ここを大事にしたい」と言語化できるチャンスをいただいたなと思っています。
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もう一つ、気になっていることがあります。「見えない兵糧攻め」です。
この言葉は、まちづくりの専門家の木下斉さんからお借りした言葉で、木下さんは高校三年生で起業して、まちづくりや地域経済を軸に事業と政策に向き合ってこられた方。
いわく2016年の熊本地震の際に、九州全体でおよそ75万人泊分の宿泊のキャンセルが出た。被災した熊本や大分だけでなく、直接の被害がほとんどなかった長崎や宮崎や鹿児島の宿まで軒並みキャンセルされました。
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実は今回も同じことが起き始めています。長崎県の島原で宿を営んでいる友人によると、すでにキャンセルが入っているとのこと。メディアは一番被害のひどい場所、今回だったらイオンモールだとか、八代市の製紙工場だとかを映し続けます。もちろんそれを伝えるべき事実ではあるのですが、見ている側の頭の中では、その絵が被災地全体の顔になっていきます。余震などももちろんあるかもしれませんし、責められることではないのですが、大体その認知は現実とずれていることが多い。
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今回の地震について宿泊データを分析したある記事によると、九州7県で対象となった宿泊施設のうち、震度6弱以上のエリアにあるのはわずか7.9パーセント。残る83.6パーセントに関しては震度4以下のエリアに立地している。実際にほとんど揺れていないにもかかわらずキャンセルの対象になっていることが数字にも出ている。
2016年の記録を振り返ると、震源地のある熊本よりも87キロ離れた大分県のほうが、実は宿泊客の落ち込みが大きかったそうです。大分県がマイナス39.4パーセントだったのに対して、熊本県自体はマイナス10.6パーセントにとどまっていた、ということで、震源地からの距離とキャンセルの落ち込み幅はほとんど対応していない。
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これは能登半島地震のときも同じで「無用な訪問は控えて」という呼びかけだけが独り歩きしてしまって、被害の少ない地域まで北陸全体でキャンセルが波及しました。不謹慎だという善意から予約を取り消し、訪問をやめて、宿も飲食店も、現金の流れが一斉に止まることで、兵糧が尽きていく、という表現を木下さんはされていました。
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復興割が出たら行くという人も中にはいるかもしれませんが、基本的には、怖い映像が流れなくなって、その映像のことを忘れたらようやく行こうかという気持ちになりますよね。でも、忘れるまで、宿泊業も飲食店も、体力が持たない。
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木下さんが提案しているのは、まず宿泊をキャンセルする前に宿へメールを一本送ってみること、でした。
「状況はいかがですか」と聞けば「うちは無事です」とか「通常営業です」というような返事があるでしょうと。そして「大丈夫だと確認できた場所にはいつも通り行きましょう」と。
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被害の大きい地域には心を寄せながら、無事な地域には普通にお金を落としていく。この二つは矛盾しないんだと。そして、もし行けないんだったら買うことだと。野菜や果物に熊本産があれば、そちらを選んで買おう、ということですね。
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自粛は何も生まない、配慮という名の兵糧攻めに流されないようにしてくれと。揺れの被害の強いところは寄付などで心を尽くし、同時に揺れていない場所の日常は、堂々と回していく。この両方を矛盾なく抱えられる社会でありたいと願う、という木下さんの言葉に強く共感します。
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- 00:161.
タイトルコール
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被災地に送る寄付はちょっと緊張する
- 06:533.
被害の大きい地域には心を寄せながら、無事な地域には普通にお金を落としていく
コメント

感想・質問・応援メッセージを書こう
ご家族でいつも旅を満喫されていますね。おいしいものを見つけたら教えてくださいね~☺
いつも丁寧に考えられた放送をありがとうございます☺️
ゆっくり考えたい思いがありつつも、言語化すべきタイミングがあるなと感じています。そう言っていただいて、私も報われる思いです。
ヤマチクさんのお箸、ご飯がますす美味しくなりますね🤭
お話を聞きながら、被災地に心を寄せながら皆さんの希望になる日常生活を送ることが大事だと改めても思いました。ありがとうございます😊
決して矛盾しているわけではないんだけれども、白と黒に分けることができないことを抱え続けるって、結構脳に負担がかかりますよね。
心がざわついたときは、新しい考え方、視点を自分に取り入れてみるということもできるんだなと、今回の経験から私も学びました。
いつもありがとうございます!