TOPライフスタイルヘルスケア・ダイエット小谷祐樹とICU急性膵炎に対する大量輸液療法09:57 2025年9月29日 136再生 問題を報告する 再生する シェアする 長らく標準治療と信じられてきた急性膵炎に対する大量輸液療法にNO!を突きつけたRCTを通して、この話題の歴史や、標準治療に疑問を抱く大切さを話します。AI目次大量輸液療法の盲信への疑問水塩治療、常識へのアンチテーゼ観察研究で見えた意外な盲点とはガイドラインを疑うことの意義目の前の患者と向き合う姿勢とはAI文字起こし(β版) # チャプター 1 こんにちは。小谷幸です。今日は給水水塩の大量有益療法についてお話ししてみようと思います。 前回のアンドロメダショックも、研究者たちのリソース限られた研究環境でどんなふうにプラクティスを最適化していくかという思いを感じてご紹介したわけですけれど、 今回の水塩の大量有益というのも、研究者の思いを感じたという意味で紹介してみようかなと思います。 これは皆さん、国家試験とかそれまでの医学部、卒前教育の現場では、水塩といえば何ですかと言われたら、鎮痛と大量有益で、できるんだったら栄養をやりましょう、みたいな感じで教わると思うんですが、 この大量有益というのは、教科書に書いているだけではなくて、当然ガイドラインでもそういうふうな記載が長らく続いていたわけです。 なぜそうなんだろうって、ガイドラインに書いてあるのはいいんだけど、どうしてガイドラインは大量有益療法を推すんだろうということになると、 やっぱり循環が悪いとか、ハイポボレミアが、例えば水蔵の拒絶を招いてしまって、さらに水塩が増悪してしまうというような、これは仮説だったり、臨床に至る前の動物実験だったり、いわゆるプレクリニカルなデータに基づいていたり、 ナイシュは非常に小規模な人手のデータに基づいていたということが、その当時の実際だったわけです。 そこで登場するのが、エンリケ・デ・マダリア先生という、3年前のニューイングランド・ジャーナル・メディスに載ったウォーターフォールトライアル、拒絶水塩に対する大量有益療法と中等度の有益療法の比較を行ったRCTの筆頭著者、ファーストオーサーですね。 彼は、おそらく1990年代に医者にならって、2000年くらいから、いろんな学会だったり講演会だったりセミナーで、いわゆる救世水塩分野の巨匠と言われる人たちが、 幾度に大量有益療法を推奨する中で、「それどうしてなんですか?」というのを、とにかく聞きまくった。でも、一人として彼を満足させる答えを持っていなかったんですね。 そこからが、この先生のすごいところですけど、これを明らかにするのは自分だということで、まず観察研究を行って、確かにそうすると、大量有益をしたら肺合併症、呼吸系の合併症が増えるということが分かった。 ただ一方で、例えば、ヘマトクリッドが高いこととか、BUNが高いことっていうのは、重症化、予後不良因子であることも分かっていたというので、ここがやっぱり観察研究の面白いところというか、ある種気をつけないといけないところですよね。 つまり、結果か原因か分からない、いわゆるニワトリか卵か分からないというわけですね。 有益量が多い患者さんで肺合併症が増えるっていうのは、重症度が高くて、たくさん有益が必要で、結果的に重症なので、どうせ肺合併症、呼吸系の合併症をきたしてしまうということかもしれないし、単に大量に有益をしたせいで肺合併症が増えるということかもしれない。 同じことは、ヘマトクリットやBUNに関しても言えますよね。 有益が少なくて、必要な有益が行われなくて、ヘマトクリットが上がってしまって脱水になって、いろんな合併症が生じてしまう予後が悪くなる。 同じことがBUNに関しても言えますが、なのか、有益をしても追いつかないぐらい重症だったので、どうせ有益に関わらず予後が悪いのか。 この個別はやっぱり観察研究っていう、その結果をデータとしてプロットしていくだけではよくわかんないっていうところがあります。 ただひとまず、大量有益していれば全部良くなるってわけではない。大量有益の患者さんで肺合併症が増えるということをまず観察研究で示したわけです。 なので、大量有益さえしていればOKってわけではないんじゃないかというふうに考えが移っていくわけですね。 その後、レビューをしてみたりとか、さらに規模を広げてみたりする中で、やっぱりたくさん有益した方がいいわけじゃないということが確信を強めていって、 そして今回紹介するランダム化比較試験に至ったわけです。 3年前にニューインドランジャーナルメディスに出て、皆さんもご存知かもしれません。 大量有益をすると水塩の増悪が防げるわけではない。一方で呼吸器合併症が増えてしまう。 体液処理に伴う害が増えてしまうということで、この試験では大量有益の有効性はなく、むしろ安全性が損なわれる。 有害性が示されたということで、中等症の中でも軽症目なグループの患者さんにおいては大量有益はダメ、中等量ぐらいの有益療法が良いでしょうということになったわけです。 やっぱり僕はこのデーマダリア先生の非常に素晴らしいと思うところは、ガイドラインというある種絶対的な影響力を持つような、その道の専門家たちが意見を合わせて作ったプラクティスの道しるべですよね。 それを妄信するんじゃなくて、そこに疑問を抱いて、その疑問が解決されない場合に自分で解決しようというスタンスですよね。 ガイドラインにチャレンジしていくような、そういう研究というのは僕はすごく好きなんですよね。 結局、結果的に最終的なRCTの結果がどっちに転ぶかっていうのはあまり大きな問題じゃないです。 どちらかというと、そのプロセスですよね。 かくたるものではない。でもみんながやっている。場合によっては有害かもしれない。ガイドラインに従うことで患者さんに害を与えてしまっているかもしれない。 これはもう医師としての、いわゆるヒポクラテスの誓いに反する、一番避けたいこと。 なので、ちゃんとした方法論でどっちがいいか白くつけましょう。 結果、悪かったのでやめましょう。 これ以上、有害なリスクにさらす患者さんを減らすこと、なくすことにつながりました。 この一連のプロセスを見るにつけ、ガイドラインを含めて、いろんな二次情報のサイトもあると思いますけれど、 そういったものの根拠を改めて見直して、自分で解釈して、ただ追従するだけではなくて、 自分の納得感が得られているか、やガイドラインに書いてあることが本当に自分の目の前の患者さんに当てはめていいかという姿勢でプラクティスを展開する、選択する。 そういう姿勢を持つことの重要性を改めて教えてくれた試験だし、彼の研究プロジェクトのジャーニーだったのではないかと思います。 というわけで、今回は救世主権の有益療法のお話をしてみました。 それではまた。 もっと見る #輸液 #ICU #集中治療 小谷祐樹とICUプレミアム放送配信中!09:571.チャプター 1https://x.com/YukiKotani5/status/1601322804808335360?s=20コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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