TOPライフスタイルヘルスケア・ダイエット小谷祐樹とICU【ARDS60周年 #12】何を見てPEEPを決めるか?17:07 8月29日 79再生 問題を報告する 再生する シェアする ARDS60周年企画12回目の今日はPEEP。この患者さんのPEEP、いくつにしたらいいのか? 人工呼吸を受けている患者さんを日々診療する中で感じている問いに対するぼくなりの考えを言葉にしてみます。AI目次PEEP設定は何を見て決めるべきかPEEPの二面性:リクルートと過膨張PEEP増加が循環動態に与える影響PF比、DPだけでは見えないPEEPPEEP設定:酸素化か循環か、優先順位AI文字起こし(β版) # チャプター 1 こんにちは、集中治療院の小谷幸です。 ARDS 60周年企画、今日は12回目ですね。 昨日のプレミアム放送では、VPX-MOのエビデンスというものを、代表的なCaesarとかAureaというRCTを参考にしながらちょっとお話ししてみました。 今日はですね、また人工呼吸器の方にお話を戻していこうと思いますね。 今日取り上げるのはピープですね。 もう最もキーと言ってもいいかもしれない変数の一つですよね。 ARDSの患者さんが人工呼吸するときは、ピープゼロっていうことはほとんどないと思うんですよね。 じゃあいくつにしたらいいんですかというと、一概に何とも言えないわけですよね。 5の人もいれば10の人もいれば15の人もいる。 かつARDSだから高いピープ、PFが低いから高いピープなんて、単純になかなかものが進まないということがこの難しいところです。 繰り返しになりますけれど、このARDS企画でずっと言っていることはですね、とにかく肺保護、要するに人工呼吸はしょうがないからやってるんだけれど、 人工呼吸のせいで余計な肺障害を起こしてしまうというそのリスクを回避するというのが、人工呼吸管理の最もコアなところだと思っています。 なので、肺を守ろうとしていることが常に余計なダメージを肺に与えていないかということを気にするというのが結構大切なんじゃないかなというふうに思います。 なので、今日はどういうふうなものを見てピープを決めるのがいいのか、何を指標に決めていけばいいのかという、この途方もない問いを一緒に考えていこうというふうに思います。 例によって省略をちょっと出してみますね。 予測体重60キロということにしてみましょう。1回換気量は今360で、パーキロは6になっています。呼吸数24、FIO2は0.6、ピープは8センチで、プラトン圧が24で、ドライビングプレッシャーは16と、そういう患者さんを考えてみましょう。 FIO2が0.6で、PAO2が72というのが今の状況としてみましょうか。 一旦今日は換気のことは置いておいて、酸素化について考えていきますね。 FIO2が0.6で、PAO2が72ですから、PFが120ですね。モデレートARDSということですね。重症指標範囲に伴う今中等度のARDSが発病している患者さんが目の前に来たというわけで、どうしていきましょうかということを考えるわけですね。 PF120というとなかなか低めですよね。なので、いきなりプローンなんて言わずに、まずはピープを最適化した上でその反応を見ていこうということになりますよね。 じゃあピープを8から14ぐらいに上げてみましょうと。2時間後ぐらいにしましょうかね。血液ガス分析を取ると、見ているとSPO数は上がってきたなという感覚がある。 そして、1回関係の気持ち増えたかなみたいに思っていたわけですね。FIO2を徐々に下げることができて、0.4ぐらいになりました。 PAO2、血液ガスを見てみると68になっている。FIO2が0.4で、PAO2が68ということですから、PFは170ですかね。 なので、120か170まで上がって、良かった良かったと思うわけですよね。ピープが14かかっている状況で、プラトン圧が29、ドライブプレッシャーが15ということになりました。 最初と比べると酸素化は、PFで見ると120か170になって、ドライブプレッシャーが16だったら15になって少し良くなったなというわけですね。 ただ、ここで1つ気にしたいのは、ノラドレナリンの量ですね。ノラドレナリンの量が、最初PF8の頃は、ノラドレナリンが0.15ガンマぐらいだったのですね。 今、ノラドレナリンが0.28ガンマになったと、バストプレッシャーに足していこうかというぐらいに、低血圧が進行しているということなんですね。 さて、皆さん、この患者さんにとってのピープ14はどう思いますかということを考えていきましょう。 まず、手前の話をしていきますね。ピープというのは溶圧ですよね。 後期終末溶圧、ポジティブエンドエクスピラトリープレッシャーのPEEPを略してピープと言っているわけですね。 後期の終末ですから、息吐き終わった後でもまだかかっている溶圧のことですよね。 ピープを上げるというのはどういうことかということを考えるわけですね。特にこういうARDSの患者さんでのピープを上げるというのはどういう効果を狙っているかですね。 一つは潰れていた肺が開くということですよね。これはARDSなのか、無機肺なのか、肺炎のまさに起きているところなのかわかりませんが、この潰れていた肺が開くということ。 このことをいわゆるリクルートメントというわけですよね。もう一つ、同じようにピープがかかると、もともと開いていたところがさらに開くという反応も起きるわけですよね。 こちらは潰れていたものが開くことをリクルートメントというのに対して、もともと開いていたのがさらに膨らむというのをインフレーションと言って、さらにこれが行き過ぎるとオーバーディステンション、過膨張というふうに言うわけですよね。 ピープを上げるとたくさん肺が膨らむ、より広がる結果として酸素化が良くなる、特にもともと潰れていた肺が開くということを意図して酸素化が良くなってくれたらいいなということを思っているわけですね。 なので、圧をかけると潰れていたけれど開く肺というものはリクルートメントのしやすさが高い、これをリクルートビリティが高いというわけですよね。このような患者さんでいうと、ピープを上げるとより酸素化に元気が良くなる、酸素化に寄与する肺が増えるというふうになるわけですよね。 ただ、これで注意したいのは、やっぱり肺全体で見ると非常にバラバラな構造というか、バラバラな元気をしているんですね。よく元気がすごく良い肺もあれば、良くない肺もある。でも圧は一定同じ圧がかかってしまうというわけですね。 ピープが効いてリクルートメントされれば、その圧で開く元気にかかる肺が増えていくわけですよね。つまり、例えば増えれば、同じ1回元気量、この患者さんで言ったら360入れたいわけですけれど、それをより低い圧、より低いドライブプレッシャーで叶えることができるんだろうということがわかるわけですね。 そうすると、結果、肺にかかるダメージが減っていくかもしれない。一部の肺で頑張って閉じて開いて閉じてをやっていたのが、もう少し広い肺の肺で開いて閉じてができるようになるというわけですね。こういうリクルータビリティが高い肺では、ピープをかけることによって肺にとっては良くなる。 一方で、リクルータビリティが低い肺だと、ピープをかけても全然効かないわけですよね。全然効かない。もともと閉じていた肺は全然効かない。肺包には全然効かない。一方で、もともと開いていた肺はもっと開いちゃう。まさに過膨張、オーバーディステンションの方向へ行くというわけですよね。これ自体がそもそも肺へのダメージを送るかもしれない。 さらに言うと、ピープを上げると肺の過膨張が起きる。それに加えて、静脈管理が減ってしまうわけですよね。ずっと高い圧が恐怖にかかっているわけですから、静脈管理が減ってしまう。それによって、いわゆる全負荷が減って、結果としてアウトプットが減る。 特に有益反応性があるような患者さん、どちらかというとボリュームが少なめですよね。平田区の患者さんで言うと、それが低血圧を助長するということもあるかもしれませんね。先ほどの症例で提示しましたように、ピープを8から14に上げたときに血圧が下がった。その血圧が下がった裏返しとしての裏ダメな人の量が増えたということになるわけです。 なので、ピープを上げることでPFEが120から170に変化した一方で低血圧は進行した。このあたりどうやってバランスをとるんですかというのは非常に難しいところなんですよね。もう一つ考えたいのは、PFEが良くなったからすなわち肺が開いたというと、それはどうなんだろうという部分もあります。 実はピープをかけるとちゃんと血流、つまりがん気の悪いところの血流も減るわけですよね。がん気の良いところの肺に相対的に血流が良くなるかもしれない。そうすると結果としてそれ自体がPFEを良くしてしまうかもしれないわけですよね。 常にピープを上げたから、それすなわちリクルートメントが起きたと考えていいかはちょっとわからないかもしれない。かつリクルートメントの効果というのはすぐに出てくるかわからないわけですよね。もともと酸素ががん気が悪いところには血流を送らないようにしていたわけですよね。そこがまたそのバランスをとるっていうのにも当然時間が少しかかるかもしれません。 なので、PFEというのはリクルートメントが起きた場合に上がる可能性はもちろんあるわけですけれど、リクルートメントが起きてなくてもPFEが上がるということはあるので、ここをどう見極めるか結構難しいところがあります。 # チャプター 2 もう一つ参考にしたいのはドライビングプレッシャーですよね。ドライビングプレッシャーを下げても良いとなれば、使える肺が増えた、つまりリクルートメントが起きた、逆であれば過膨張が起きてるんじゃないかということになるわけですけれど、何度も言う通り、これは肺全体で見ると非常にバラバラなんですよね。 なので、例えばピープかける。肺側向き肺が解除された。一方で肩側、つまりお腹側、前側の肺は過膨張が起きている。そのバランスで見ると、じゃあドライビングプレッシャーはノーなんだろう。一部の肺はよく開いたけれど、一部の肺は過膨張になっている。 このバランスも自分で虫眼鏡で覗けるわけじゃないので、非常に相対的に捉えざるを得ない。これは本当に難しいところがあります。 なので、何を見て決めますかと言われると、本当に一概に言えないんですよ。当然PFAは見るし、どちらかというと換気も今回は触れてないですけど、見るしドライビングプレッシャーは見るし、血圧とか鬱心の様子をエコーで見たりなんていうこともするかもしれないんですけれど、こうなったからピープさせよう。 こうなったからピープ上げようって一概に言えない。これがピープの本当に難しいところだなというふうに思います。一つは当然酸素化というのはメインになると思います。 例えば、先ほど挙げたように支柱肺炎のARDSでPFA120からスタートしていて、循環が比較的ピープの増量に耐えられるのであれば、僕だったらピープ上げちゃうかなと思います。 まさに先ほど提示したようにピープ8とかで上がってきた患者さんがもしいたら14くらいにピーって上げちゃってそれを見ると。その時に例えば低血圧が多少進行するんだったら小圧で上げるしかないね今はということを考えます。 これはつまりその患者さんにとって何が最もクリティカルかを捉えるということですよね。同じような支柱肺炎の患者さんでもARDSが非常に前面に出ているのか、摂的ショックというか低血圧が前面に出ているのかによって多分このあたりバランス変わってくると思うんですね。 これはPF比250くらいあるんだったらですね。ピープはむしろ低めにして循環を優先する。有益は少なめにするか。有益多少してもいいかなって思えるかもしれない。小圧代をむしろあんまり増やしすぎないように管理しようって思うかもしれないですよね。逆にPF比がもう例えば120とかでスタートしていてですね。 ノラドレナリンが僕にとっては少量と言えるような0.2ガンマ以下ぐらいであればですね。それだったら多少これピープで多分血圧下がると思うからノラドレナリンに加えてバストプレッシング始めておこうよとかですね。時には鎮静剤をミダドラムちょっと使いながらでもピープを優先して低血圧を多少許容しようよみたいなことになるかもしれません。 このあたり本当に多因子を考えますよね。当然それ以外に患者さんのベースラインの因子として例えば肥満があったらピープ高めにするでしょうしとか、他の要素もあるかもしれません。まったく肺炎から離れちゃうとするとですね。 例えばお腹が張ってる患者さん、例えば水炎とかだったらそれはそれでピープいるかもしれない。ドライブプレッシャーだって高めにいるかもしれない。このあたり本当に一概には言いません。ただ大切な要素としてはですね。概念としてやっぱり把握しておきたいのはそのリクルータビリティという概念と、あとはそのPF比やドライブプレッシャーという大切な変数なんだけれど、 それはすなわちPF比よくなればリクルートメントが起きたとか、ドライブプレッシャー下げられたらリクルートメントが起きたかどうかはわからない。本当に不均一な範囲の一部にはいいことして一部には悪いことしているかもしれないというその両面を捉えながら、それからもう一つの要素としてその循環動態というのを合わせてみるということが大事なんじゃないかなというふうに思っています。 将来に戻るとですね、ピープを8から14に上げました。PFが120から170に良くなりました。ドライブプレッシャーも16から15に下がりました。一方で血圧が下がってノラドレナリンが0.5γから0.28γに増えました。じゃあピープ14でこのままいくんですか。また8に下げるんですか。間取って10とか12ぐらいにするんですか。何ともわからないですよね。 とりあえず血圧低下の原因を知っておきたいですよね。税負が少なめなんだったらちょっとだけ有益するのか。それともこれぐらいのノラドレナリンの量、場合によってはバストプレッシャーに足すぐらいで様子を見るのか。そのあたりも患者さんの様子を見て選ばざるを得ないですよね。 心機能が他にちょっとしんどそうなんだったら強心薬だって考えるかもしれないですけれど、僕だったら多分非常にシンプルにベースラインの心機能の問題があまりなさそうだったら、ただバストプレッシャーに出すだけでもうちょっとPFの様子を見たいなというふうに思うと思います。これが非常にフレッシュな患者さんであれば。 一つはPFE150というのが結構クリティカルですよね。つまりこれでしばらく良くならない170、180ぐらいで推移してくれればいいし、それよりまた戻って130、140戻るんだとすれば、これはプローンにもなるわけですよね。プローンってなると、またなかなかいろんな循環も含めて管理が煩雑になります。別にプローンが嫌って言ってるわけでは全然なくてですね。 一つの目安としての重症度の反映としてのプローンをするかどうかというところのカットオフ、重症度の把握としてのプローンがいるかどうかという判断軸として、170、180ぐらいで行ってくれるんだったら、そのままPEEP14ぐらいで見たらどう?って多分思うんじゃないかなと思います。 今日は全然お話できてない内容としては背景肺がどうかとかいうのももちろん関係してきますよね。もともと例えばCOPDとか、逆に肝性肺炎とかでベースラインの肺障害があった場合には、慢性肺疾患がある場合にはですね、やはり例えば高圧に伴う気経とか腫瘍みたいなガップレーションみたいなリスクも考えますよね。 なので、この辺りは本当にPEEPの設定って難しい。難しいしか言ってないんですが、それぐらい難しい普遍的なテーマで、当然一つの解っていうのはまだまだないというところですかね。 今日のお話としてはですね、PEEPを上げる、PEEPの目的としてはやっぱりリクルートメントというのが良いとされているわけですけれど、既に開いている肺をさらに膨らませてしまうというインフレーション、ないしは行き過ぎるとオーバーディステンションという過膨張の害っていうのも一方では把握しておく必要があると思いますし、リクルートビリティによってやっぱりPEEPの上げ幅、どれぐらい上げるといいのかっていうのを決めていくと。 さらに言うと循環動態にも影響を及ぼしてくるわけですよね。全負荷が減ったり、ウッシンの効果が上がったりとか、その辺りのバランスを考えていく、非常に複雑なプロセスを踏むというのが一つなんかなというふうに思います。 というわけで、今日はPEEPのざっくりとしたどういう変数を見ながら決定していくのかっていうものをご紹介してみました。 ぜひこの回を聞いていただいて、質問とかご意見とかコメントあれば、ぜひこのボイスのコメント欄でもいただけると嬉しいなというふうに思っています。 というわけで、今日もここまでお聞きいただいてどうもありがとうございました。それではまた。 もっと見る #ICU #集中治療 #ARDS #PEEP 小谷祐樹とICUプレミアム放送配信中!09:421.チャプター 107:252.チャプター 2コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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