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子どもの発達に良い影響を与える「すごい」以外の褒め方 – モンテッソーリ教師あきえ

子どもの発達に良い影響を与える「すごい」以外の褒め方 – モンテッソーリ教師あきえ

この記事は、Voicyパーソナリティモンテッソーリ教師あきえさんの放送をもとに書き起こした記事です。
音声でも聴きたい方は、記事最後の再生プレーヤーからお楽しみください!

「結果」ではなく、「過程」を認める

褒め方のバリエーションを持っておこうというテーマでお話しします。褒めることに関しては、褒め方が重要なんです。ただただ褒めちぎっていればいいということではなくて、やはりどう褒めるか。中身がとても重要になってきます。褒め方によって、子どもに与える影響というのも大きく違ってくるんですね。今回はその影響がどうかっていうところがテーマではなく、褒め方のバリエーションについてお話をしたいなと思っています。

よくある褒め方というか、1番楽で、何にでも使える褒め方って、おそらく「すごいね!」だと思うんです。過去の私もすごく使っていました。何かと「すごいね!」って。やっぱり楽というか、なんでも使える、万能なんです。先生として、子どもと関わらせてもらっていた時も、子どもが「絵を描けた」とか「今日、おうちでこういうことをやったんだよ」とか「お出かけの時、こんなことをしたんだよ」っていうお話をしてくれた時、やはりオウム返しでそんなことしたんだって受け止めた後に「すごいね!」って感じで使っちゃってたんです。今となっては本当に大反省なんですけど、使いやすいですね。

絵を見せてくれました、何かを作って持って帰ってきてくれました、こんなことできたよって見せてくれました。そういう時にやっぱり一番に出る言葉って「すごいね!」だと思うんです。別にこの「すごいね!」が子どもに与える影響がすごく悪いということではないんですが、より子どもの有能感だったり、自己肯定感とか今後の発達においてより良い影響を与えていきたいなと思った時に、やはり意識したいのは結果を褒めるのではなくプロセスです。過程とか、子どもが努力した行動を認める関わりをしていきたいですね。

褒めちぎる必要は全くありません。おだてる必要はないです。それはなぜかといったら、やはりおだてたりとか褒めるっていう裏側には、褒めたりおだてたりすることで、子どもの行動をコントロールしたいという気持ちが隠れていたりするんです。そもそも、子どもってそうやって大人がコントロールするような存在ではないですし、一人の人間として、人格ある人間として尊重して対等に関わるべき存在なので。褒めることで子どもの行動をどうにかさせようというのはやはり避けたいです。ただただシンプルに認める。

じゃあどうするかっていったら先ほどお話した、子どもがやったこと、行動、がんばったところ、努力したことを認めていきたいです。なので、そのまま子どもがやった行動を言語化するのがとってもおすすめです。

例えば絵を描いて来てくれました。「見て!描いたの!」って言ったら「えっ!〇〇ちゃんが描いたんだね!」だけでいいんですよ。このあとに「すごーい!賢い!上手!」って言わないとなんだか物足りなく感じるのは、今まで言っていたからだけです。理由はそこだけ。おそらく子どもも「すごい!」とか「賢い!」とか「天才!」とか「上手!」ってすごいおだてられた場合に関しては、初めは「すごいでしょう!」って言ってくると思うんです。なので、それも「うん!そうね!」って受け入れてあげれば大丈夫です。

「うん!すごいよ!」って言った後で、例えば赤色をたくさん使って丸を描いていたら、「赤色たくさん使って描いたんだね〜」ってそのまま言ってあげる。例えば女の子と男の子が描いてあったら「なんだか、人間が2人描いてあるよ?これは誰描いたの?」とかって聞いてあげてもいいですし「男の子書いたんだね、女の子描いたんだね」だけでも良いと思います。

ただただやったことを言う。例えば子どもが字を書きました。けど、上手い下手とか書くのが速いとか遅いとかそういうことはどうでもいいので、そうではなくただ「〇〇くん書いたんだ!みせてみせて!本当だ、読んでもいい?〇〇って書いてあるね!書いたんだね!」以上です。こういうふうに子どもがやったことを認めていく。

成功体験には「共感」を

自転車に乗れるようになったとか、ずっと練習してた逆上がりが出来るようになった。それで「出来た出来た!」って喜んでる時があると思います。そういう時までおだてちゃだめなのかって言うと、そこはぜひ共感をしてあげたいですね。「できるようになったね〜、嬉しいね!見てたよずっと、頑張ってたもんね!何回も練習してあきらめなかったからできるようになったんだと思うよ!よく頑張ったね!」って言う形で、喜んでるところには共感しつつ、それまでのプロセス、努力、行動をぜひ認めてあげたいなと思います。

子どもが何かをした時「すごい!上手!」っていうのは本当に簡単でよく使えるので私たちよく使ってしまうんです。以前の放送で、やばいっていう言葉を置き換えてみましょうと放送したんですけど、すごいっていうのは、やばいの褒めてるバージョンですね。大体すごいで片付いてしまうんですけど、それ以外の言葉を持っていましょう。そうすることでバリエーションがかなり広がります。

まずは子どもが言ったこと、できたこと、やったことをそのまま言葉にする。まずそこから意識してみるとぐっと認め方、褒め方のバリエーションが広がってくるんじゃないかなと思います。少しでも参考になれば嬉しいです。

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