TOPハウツー・学習歴史十二単着付け師の【にちにち気づきだより】第364話 金継ぎにみる「足るを知る」豊かさ08:17 2025年12月6日 40再生 問題を報告する 再生する シェアする 新品の時は何の特徴もなかった器が、割れたことによって、世界に一つだけの景色を持った名品になる。 これが金継ぎの醍醐味であり、魔法なんです。AI目次金継ぎとは?日本の美意識に息づく哲学足利義政が変えた器の運命傷跡を「景色」と呼ぶ金継ぎの真髄人生に活かす金継ぎの思考法とは大切なモノを「直す」豊かさの秘訣AI文字起こし(β版) # 直しながら使うということ おはようございます。佐藤美奈子です。 今日もお聞きくださりありがとうございます。 このチャンネルでは、日本の文化や伝統に息づく心の在り方を、日々の暮らしに優しく重ねてお届けしています。 難しい作法ではなく、ふっと心が解ける瞬間を通して、あなたの奥ゆかしい魅力をさらに引き出していきます。 みなさんは、金継ぎという技法を聞いたことがありますでしょうか。 割れてしまった大切なお皿やお茶碗を、漆と金の粉を使って修復するという、日本の伝統的な技法のことです。修復技術というのでしょうか。 最近は、海外でも金継ぎ、ローマ字でKintsugiとして、とても注目されているようです。 今日は、金継ぎに込められた、割れたものをあえて隠さずめでるという考え方、それについて掘り下げてみたいと思います。 金継ぎとは何だということからですが、歴史に触れておきたいと思います。 この金継ぎの技法が広まったのは、室町時代から安土桃山時代、茶の湯の文化が栄えた頃だと言われています。 有名な逸話があります。当時の将軍は足利義政でしたが、足利義政が大切にしていた中国製の茶碗を割ってしまったんですね。 そして、その修理のために中国製ですから、中国へ送ったところ、金属のカス貝、いわゆるホチキスのようなもので、パチンパチンと留められて戻ってきたんだそうです。 これではあまりにも風情がないと、ちょっと嘆いた将軍のために、日本の職人たちがなんとか美しく直せないものかということで、知恵を絞って漆で接着して、その継ぎ目を金で装飾したのが始まりと言われています。 ここで面白いのは、普通の修理であれば、傷を隠そうという、傷があったように見せないというふうに考えるかと思うんですよね。 でも金継ぎというのは逆で、ここが割れましたよというように、いわゆる傷跡をあえて金色に輝かせるわけですよね。いわゆる目立ちますものね。 でも、わざわざなぜこの高価な金を使うのかですけれども、いろいろ調べてみると、日本的な美意識というのがやはり見えてくるんですね。 一つは、傷への敬意の表れであるということなんです。割れてしまったという事実は、その器が終わったことを意味するのではなくて、いわゆるその器の歴史の一部だというふうに捉えましょう。 そして、形あるものはいつか壊れますよね、どうしても。でも、その壊れた姿すらも受け入れて、金というすごく高価で美しい素材で飾ることで、割れる前よりも価値のあるものというふうに生まれ変わらせるというものなんです。 素晴らしい考え方ですよね。金月の世界では、修復した金のラインのことを景色と呼ぶんだそうです。ガシガシと壊れてしまったら、雷のような稲妻が走ったような金の線もできるわけで、これを自然の風景に見立てて楽しむんですね。 例えば、買ったばかりの新品の時というのは何の特徴もなかったシンプルな器が、逆に割れたことによって、これはもう世界に一つだけの景色を持った名品になるということになりますね。 ですから、金月のこういう考え方に至るということそのものが醍醐味であって、心にこの器をもっともっと大事にしようという気持ちがもっともっと芽生えてくるという瞬間なのかなと思います。 でも、これというのは普段の私たちの暮らしにも通じる話ですよね。私たち生きていれば失敗もしたりとか、傷ついたりとか、心が折れそうになることももちろんありますけれども、 この金月という哲学で考えてみると、その傷は隠さなくてもいいし、その傷があるからこそあなたには深みが出て、独自の美しさが生まれるよと、他の人にはない美しさがあるよと、 そういうふうに特に覚えてもらいやすいかもしれないし、それがすごくその人の個性につながっていくかもしれないし、 そして、あとは物に対する接し方ですよね。何かが壊れたら今の時代はすぐに捨てて、新しいものを安く買える時代です。 例えば、欠けているとかひびが入っているものは持っていると運気が下がるから、もうそういうものは躊躇しないで処分して、新しい割れていないものを使うという考え方もたくさんあるし、聞いたこともあります。 ですけれども、割れたお気に入りの、例えば、湯飲みだとかお茶碗だとか、それをわざわざ時間をかけて直して、また使い続ける。 そうやって手のかけたものというのは、自分の道具以上のものですよね。すごく愛着が湧いて、何か手放せなくなるものですよね。 直すという行為そのものは、やっぱり何かすべて変えてしまうということではなくて、それまでの、例えばお茶碗であれば、それまでのお茶碗と過ごした時間が必ずあって、 その時間というものが、例えばそれを処分してしまうとなくなってしまう。そのお茶碗と過ごした時間というのをそのままにしておいて、その先もこのお茶碗とともにおいしいご飯をいただくとか、おいしいお茶を飲むとか、そういうふうに思えるわけです。直す、修復するということは。 このつなぎ目を、金で飾って、その金をなぞりながら、ああ、そうだよなって、このとき割っちゃったんだよなとか、思い出してみたりとか、このお茶碗を見て、とても他にはない、唯一無二のものになって、さらにさらにもっと使い続けたいなって思う。 本当に丁寧な暮らしであるということと、暮らしが豊かになる、そういうことを金継ぎというものは、すごく私たちに教えてくれるような技法ではないかなと思います。 皆様のお家にも欠けてしまって眠っている大切な器があったら、捨てずに、このお直しを考えてみるのもいいかもしれませんね。 よくカルチャースクールなんかでも、この金継ぎのことを何回かに分けて教えてくださっているところもあるようですからね、ぜひとも大事に器も使っていただきたいなと思います。 それではご機嫌よう。 もっと見る #丁寧な暮らし #金継ぎ #大事に使う 十二単着付け師の【にちにち気づきだより】さとうみなこ08:171.直しながら使うということコメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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