TOPハウツー・学習歴史十二単着付け師の【にちにち気づきだより】第367話 【結ぶ】それは魂を込める「祈り」の所作11:37 2025年12月9日 56再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次「結ぶ」の語源に秘められた天地の力神聖な「結び」が叶える結界と縁おみくじに込める願いと人との絆帯締めが身体と魂を結ぶ瞬間日常に心を込める「結び」の祈りAI文字起こし(β版) # オープニング おはようございます。佐藤美奈子です。 今日もお聞きくださりありがとうございます。 このチャンネルでは、日本の文化や伝統に息づく心の在り方を、日々の暮らしに優しく重ねてお届けしています。 難しい作法ではなく、ふっと心が解ける瞬間を通して、あなたの奥ゆかしい魅力をさらに引き出していきます。 昨日の夜は、故郷青森の方は震度が高い地震がありました。津波警報も出されていて、ちょっとびっくりしましたけれども、 私の方の実家は少し内陸というか、日本海側、弘前ですので、さほど揺れないとはいえ、やはり震度4。 連絡を取っておりますけれども、意外と地盤が強いところで、いつも地震があっても、さほど揺れなくて、 3.11の時も、思うほど両親もびっくりしていなかったというか、そういうふうな感じがありました。 まだ東京の私の方が焦ってしまうような3.11でしたけれども、ちょっとそれを思い起こさせるようなことがありました。 これを聞きの東北地方の皆さん、そして故郷の青森の皆様、本当に引き続き、余震にどうぞお気を付けください。 今日は、私たちが何気なく行っている結ぶという行為について、少しお話をしてみたいと思います。 例えば、靴ひもを結ぶ。よく男性の革靴でも、ひも付きの革靴を必ずビジネスの時には履くという方がいらっしゃいます。 そして、ローファーよりもひも靴ですね。そちらの方がちょっと角が上がるので、ちゃんと靴ひもをついたお靴を履いていらっしゃるという方もいらっしゃる。 そして、日常ですけれども、ゴミ袋の口を結ぶ時もしっかり結びますね。 そして、リボンを結ぶ。お土産ですとか、あとはリボンはリボンでも髪の毛につけるリボンもあります。 日常にはたくさんの結びがありますね。 実はこれ、単に物を留めるとか、くくるとか、そういうものではないということ。 それを結ぶとは、魂を込める、祈りが込められているというお話に膨らませてお話をさせていただきます。 それでは次のチャプターからどうぞ。 # 結ぶとは魂を込める祈り はい、まず、結ぶという言葉の語源、ご存知でしょうか。 実はこれは日本の古い考え方にある、結日という言葉から来ていると言われています。 結というのは、子供が生まれる時のお産の産と書きます。 生むという漢字ですね。 日というのは、霊的な力ですとか、神様の働きを指す言葉です。 つまり、結日というのは、天地万物を生み出して育てる偉大な力のことを示すんですね。 ですから、私たちが紐を結ぶという時は、そこには新しい何かを生み出したりですとか、 あとは魂を繋ぎ止めたりする、とても神聖な意味が込められています。 そして、この結ぶという言葉には大きく二つの役割があります。 一つは、守るということ。 皆さん、これから年末年始、神社に参拝なさる機会があると思いますけれども、 神社の締め縄を想像してみてください。 あれは、神様がいらっしゃる清らかな場所と、私たちのいる、いわゆる世間、俗世間というか、 今の日常を分ける結界としての結びです。 そしてまた、贈り物にかける水引きなんかもそうですよね。 これは未開封ですよという証であるということも込められていますし、 中に悪いものが入らないようにするという、魔除けの意味も込められていると言われています。 そしてもう一つは、繋ぐということです。 縁を結ぶとか、千切りを結ぶという言葉がありますね。 結婚をなさる時に、この五縁が結ばれたということを感じたり、 あとは神様に向かって誓いの言葉を話される。 それも千切りを結ぶことになるのではないでしょうか。 三三九度で、しっかりとこの五縁が結ばれたということが、 結婚式の中にも、この中に組み込まれているというわけですね。 人と人、あとは心と心というのを繋ぐこと、 おみくじを例えば境内の木に結ぶのも、 自分の願いを神様の力にしっかり結びつけたいという、祈りの処作の一つです。 皆様も、どんなくじの大吉が出ようが、中吉が出ようが、強が出ようが、 まずはその境内のある木に、皆さん結んでいらっしゃるから、 ちょっと空いているところに結んでお帰りになると思うんですよね。 それは、この五縁が出たけれども、さらに私をお守りくださいという気持ちも込められていますよね。 さて、ここからは私の専門である着物ですとか、絵本道の視点からお話をしていきます。 例えば着物を着るとき、私たちは何本も紐を使います。 例えば古くから衣服を紐で結ぶことというのは、 自分の魂が体から抜け出ないようにという意味合いもあったり、 そして外から悪いものが入らないようにという身を守る、いわゆる術的な意味というものも込められていたわけです。 着付けでは、まず人からは見えない腰紐とか、あとは胸紐とか、 そういうものをしっかりと着物を体に沿わせて、そして紐で結ぶ。 最後に帯を回してしっかりと結んで締めて、そして帯締めというものを結びますよね。 実は江戸時代の初め頃までは、帯はまだちょっと細めの形状をしていました。 着物のような感じです。 時代とともに幅広になっていきます。 現在のように美しく結びがいろんな結びになる、造形的に生まれてきたというのはその後になるのですけれども、 特に帯締めというものは、もともとは歌舞伎役者が衣服の着崩れを防ぐために使い始めた実用的なものでした。 よく浮世絵を見ますと、露光結びのような結びだったり、縦矢系の結びだったり、 そういう風な結びの、本当にダイレクトに上から縄をくくるような感覚で、帯締めが結ばれているような浮世絵も見たことがあります。 いわゆる今では装いの中心ですよね、帯締め。 最後の帯締めをしっかり結ぶ、金目となっています。 私の感覚でいうと、この帯締めを最後にキュッと結ぶ、これが一番強く結びます。 この瞬間が意外と好きなんですよね。 着物を腰紐とか胸紐で体に一体化させるように結んできた紐とはまたちょっと違う。 最後の最後にこの帯締めで仕上げる。 ですからキュッと結ぶ感じが、単純に着物を留めているとか帯を留めているという感じを超えてと言った方がいいでしょうかね。 なんとなくこれを着てさあ行くぞとか、これを着てさあ仕事に打ち込もうとか、お客様がいらっしゃるところに行こうとか、 そういう風に大げさに言うと腹をくくるという感じに近い時もあるんですよ。 さあやるぞという感じ。 あとは心を決める。さあこれで仕上げた。さあ出かけようという心を決めるという、 なんとなく自分の内側を整えるような最後の帯締めの作業という風に感じるので、 この帯締めというしっかり結ぶというのがすごく好きです。 だらしない気持ちで何か物事をやっていたりすると、この帯締めがグッと締まった感じだと、 身体に稲妻の八両によしちゃんとやらなきゃって思ったりとか、あとは背筋が伸びる感じがする。 本当に身体と魂を結ぶという行為そのものが帯締めを結ぶという最後の最後にしっかり締めるものかなと思います。 本当に私の講習の中でも帯締めが緩いと何度もやり直してもらいます。 もう心入れ替えてやり直してもらいます。 それがやっぱりできないとこの帯というものも、本当に例えば渋谷から新宿とか、渋谷から六本木とか、 赤坂でもいいですよ、そういうところに行くまでの間にクタクタと崩れてしまうというのは、 いくら帯結びの形がうまくいったとて何にもならないわけですよね。 最後の最後にこの帯締めをしっかり結ぶということが、はい終わりましたというふうにお客様に言える本当の心を込めた行為ではないかなと思っています。 結ぶとは祈りでありました。 そして自分を整えるスイッチでもあるというお話を今日はしていきました。 今の私たちの現代的なことだと、私も通勤にスニーカー履いてます。 スニーカーの紐を結ぶときとか、あとは家に帰って食事の支度をするときにエプロンを使う場合は、 エプロンの紐を結ぶときに、よし作るぞっていう感じもありますしね。 例えばプレゼントのリボンを結ぶときにどうか喜んでもらえますようにというふうにちょっと気持ちが入りますよね。 そういう感じで何か皆様が何かを結ぶときに、ご自分の手元に何か心を込める温かい気持ちが宿るように結んでみてはいかがでしょうか。 今日もしっかりと心を結んで素敵な一日をお過ごしくださいね。 それではごきげんよう。 もっと見る #しめ縄飾り #水引 #結ぶ #ご縁を結ぶ #産霊 #契りを結ぶ #注連縄 十二単着付け師の【にちにち気づきだより】さとうみなこ02:531.オープニング08:452.結ぶとは魂を込める祈りコメント感想・質問・応援メッセージを書こう
第634話 【算賀】四十で長寿を祝った時代 9分・6時間前・ 24再生AI目次平安の敬老の日「算賀」とは驚き!40歳を祝う長寿の宴10年ごとに重ねる人生の節目自らの成長を確かめる秘訣現代にも活きる平安人の知恵
第633話 【キノコ狩り】松茸の値段は山と人の距離 7分・昨日・ 39再生AI目次平安貴族も嗜んだ松茸の魅力松茸が身近だった時代の理由松茸の値段が語る人と山との距離「遠くなったもの」が示す現代の課題失われゆく技術を身近にするには
第632話 秋の【襲色目】半歩先の季節を着る 7分・一昨日・ 45再生AI目次平安の美学「襲色目」色の重なり季節を「半歩先」に着る意味とは顧客の無意識を掴むプロの視点「察する力」が示す絶妙な距離感千年前から現代へ繋がる「半歩」
第631話 【恋教え鳥】鶺鴒から教わったこと 7分・9月12日・ 54再生AI目次「恋教え鳥」鶺鴒の意外なルーツ国生みの神も小鳥に教えを乞う知らぬを恥じず学び続ける心構え教える側が一番学ぶという発見分からないを分かるに教わる意味とは
第630話 【秋の七草】目立たないものを七つ数える 7分・9月11日・ 54再生AI目次秋の七草とは?春の七草との違い万葉の花人・山上憶良が選んだ七草目立たぬ野花に宿る日本の美意識日常で「美しさ」を見つける重要性役に立たぬものから始まる文化の贅沢
第629話 【割に合わない】とわかっていても【やる】 7分・9月10日・ 70再生AI目次古代から現代へ続く栗との長い付き合い平安貴族を魅了した甘味料「甘面」の秘密「割に合わない」から生まれる甘さの価値日常のひと手間がもたらす豊かな食卓気づかれなくても「やる」ことの真の意義
第628話 【重陽】そして「扇」を仕舞う日 8分・9月9日・ 50再生AI目次重陽の朝に綿で顔を拭う美の習慣五節句から消えた重陽の節句の背景夏扇を納める九月九日の伝統と意味物事に「終わり」を決める平安人の哲学美しい終わりが次への始まりを彩る
第627話 【重陽の前夜】手がかかることが「祈り」の中身 8分・9月8日・ 60再生AI目次重陽前夜、菊に真綿をかぶせる意味長寿不老を願うキセワタの習わし紫式部が詠んだキセワタの歌「手がかかること」が祈りである理由静かで確実な仕事を生む支度とは
第626話 【白露】消えるからこそ光っている 7分・9月7日・ 61再生AI目次白露に秘められた平安人の感情なぜ露は歌に詠まれ続けるのか「消えるからこそ光る」の真髄十二単体験が残す「写せ身」儚いものだからこそ一番美しい
第625話 【音楽は身近なもの】聴く側ではなく鳴らす側にいた平安人 6分・9月6日・ 59再生AI目次平安貴族の必須科目「管弦」音楽は聴くものにあらず?教養として演奏する意味「見る」と「やる」の決定的な違い現代が失った「鳴らす」体験