TOPハウツー・学習歴史十二単着付け師の【にちにち気づきだより】第549話 装束が教えてくれた【季節の移ろいの読み方】11:09 6月22日 107再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次装束が伝える、暦を超える季節の徴現代に活かす、心地よい「衣替え」の流儀「重ねの色目」に見る、日本の美意識の粋涼感を生む「透け感」、装束の機能美とは日々の暮らしで育む、繊細な季節の感覚AI文字起こし(β版) # オープニング 日々気づきだより佐藤美奈子です。 今日もお聞きいただきありがとうございます。 このチャンネルでは、絵文童や日本文化の学びを通して感じた、 心の在り方や人との向き合い方を、仕事や暮らしに優しく重ねてお届けしています。 今日のテーマですけれども、 小族が教えてくれた季節の移ろいの読み方です。 この小族というのは、大きく言えばとても広い、 例えば家具を失らえるとか、その場所を整えるとか、 着るものだけでは実はないんですけれども、 今日はある程度、一般的に今使われている着るもの、 着物というよりも儀式で使う羽織物というか、お召し物というか、 そういう観点の小族という括りでお話をしたいと思います。 カレンダーや天気予報を見れば、 今日が何月何日で、そして気温が何度で、湿度がどのぐらいでということはすぐ分かりますし、 テレビを開いたり、あとはスマホを開けば、 そこに最初に表示が出てくるぐらいですよね。 ですけれども、小族の世界には、数字ではなくて色ですとか素材で季節を読み取るという、 もう一つの方法があります。 今日はそのお話をお届けいたします。 # 暦よりも先に季節を語るきもの 小族というのは、暦が変わるよりも先に、季節の気配を映し出すものだと感じています。 特に今は、もう夏物をお召しの方も多いですね。 5月中はまだ本来であれば、合わせという裏地のあるお着物の時期ですけれども、 もう6月の衣替えの時期を待たずとも、5月から暑いから、5月ぐらいから人へお召しになる方も多くなってきました。 昔々とは大きく気象状況が変わっていますので、今の時代に合わせて着るものを整えるということは、どんどんやるべきだなと思っています。 そしてまたそれに、いろんな細かい今までのしきたりだとか、流れのようなものを、いろんなことを言ってくる方もいらっしゃいますけれども、 一番大事なのは、着ている自分が心地よく着ていないと。 無理して、暑いのに裏地のあるようなものを着ていると、どうしても顔にも出ますし、汗もかきますし、 結局は相手に対してのマナーにかけてしまうことも多いので、自分が快適でいる、心地よいお顔でいる、そういう表情でいるということは、逆にマナー的には良いことだと思います。 衣替えの日が来たから夏物にするというのではなくて、空気の湿り気ですとか光の色を感じ取って、小族の方が先に夏へと近づいていくという感覚ですね。 これをこの仕事を続けるうちに、持つように私もなってきました。 そしてこの小族には重ねの色目という考え方があります。 着物を何枚も重ねるときに、その配色そのものに季節の名前が付けられているんですね。 例えば春には桜とか若葉を思わせる色の重なりだったり、あとは夏には涼やかな水色や白を中心とした見るだけで量を感じる配色だったり、素材も同じです。 冬は厚みのある織物、夏は薄く透ける露ですとか、シャのようなものもありますね。 つまり着物そのものが、今の季節はこうですよという風に衣そのものが語りかけているという感じがします。 先人たちというのは自然の変化ですとか、あとは細やかに観察をしていましたね。 それを色や素材という形に分かりやすくしてきた。 その感性の蓄積というものが重ね色目という美意識として今も残っています。 本もよく出ているので、ご覧になると、この色はやっぱり日本の伝統色だったんだな、この色とこの重なり、 なんとなく自分のDNAというかそういうものが、この重ね色の感じがいいなと思っていたら、やはりこれにも名前がついていたんだなというのを知るのもとても楽しいことだと思います。 そして具体的な例として、夏の生息についてお話をします。 よく夏の生息というと、特に男性のものが比較的分かりやすいんですけれども、 白い脳脂、冬物では白い脳脂が少し青い色、そういう風な色に変わったりしてきます。 あとはこの袴も、どちらかといえばパリッと体から離れるような素材になっていることも多いです。 少し目の粗い透け感のある織物を使うことで、実際のところきちんと空気も通りますし、見た目にも涼やかな印象を与えています。 実際の体感温度を下げるというよりも涼しそうに見えるという考え方もとても大事ですね。 見る人の心が爽やかになる。着る人自身も涼しい色をまとうことで、気分も変わるし実際涼しい。 小族は気温だけではなくて気分の温度というものも調整してきたのではないかなと感じています。 重ねの色目には、例えばウノハナ色とかナデシコとかアオクチバなど、植物の自然の名前がついているものというのはたくさんあるんですけれども、 単にきれいな配色を考えたというだけではなくて、自然をよくよく見ていて、とてもよく感じていて、それを自分の身にまとうという発想があったから生まれたものですね。 外の世界の変化を自分の内側、つまりよそおいに映し込んでいた、その平安時代の先人たちの思いというのが、今でも残っている小族に語りかけてくるような感じがします。 今の私たちが季節を感じるという時の感覚よりも、もっともっと繊細で、もっともっと深い、肌で感じるというか、そういうものが生まれたものではないかなと思います。 私たちというのはテレビを見る、スマホを見る、本当にそういうところから、耳でも聞くしね、暑いねとか、なんとかだねとかって、意外と簡単にね、パッパッと私たちっていった情報から、ああそうだよな、夏だよなとか感じますけれども、 けれどもやはり昔々の方々っていうのは、そういうスマホとかテレビとかそういうものはありませんし、もうね、週刊なんとかとかね、そういう雑誌が出るわけでもありませんから、庭先の木々の色づき方ですとか、風を感じるだとか、 いろんなそういう、本当に肌感で、自分の頬を伝う風の湿り具合とか、そういうことで感じていたので、よりその観察力は鋭いというか、それがこの重ね色目として残っています。 # 日常の小さな変化に気づく では、この感性を現代の暮らしに置き換えると、どうなるでしょうか。 例えば、その日の空の色を見て、服の色を選んでみる。 皆様も、多分朝、今日何着ていこうかなって、昨日の日から選んでいたとしても、朝雨だったり、朝すごく風が強かったりしたら、色々変えると思うんですよね。 スカートを履こうと思ったけれども、意外と風が強くて、ひらひらしそうだから、逆にパンツにしようかなって変えたりとか。 吹く風の質が変わったことに気づいて、今日はいつもより少し薄着にしてみる。 逆になこともありますよね。ちょっと寒さを感じる季節になったら、ちょっと地の厚いものに変えてみるとか。 そういう小さな選択をしていく。こういう風に自分はこうだからこう選ぼうとか、この風の風向きがこうだからこういう風に選んでいこうという積み重ねが、この季節の移ろいを読む力というものを育てていくものだと思います。 すごく歴史の学びをするとか、難しいことを勉強するということではなくて、普通に今の自然の変化に少し意識を向けるだけで、毎日が少し豊かに感じられるはずです。 今日は、小族が教えてくれた季節の移ろいの読み方というテーマでお話をしました。 小族またはコロモというのは、子読みよりも先に季節を語る、そして色や素材、重ねの美学の中に先人たちの自然への眼差しが詰まっている、そんなお話でした。 私たちも、この小族のように丁寧に自然を見つめてみると、毎日の中に小さな季節の変化を見つけられるはずです。 今日外にお出かけになる方、お仕事で出勤される方は、ぜひ少しだけ空の色を見てみるとか、風を感じてみるだとか、そういうふうにちょっとしたことに意識を向けて見てください。 ちょっと意識がいろんな意味で変わってくると思います。 今日もお聞きいただきありがとうございました。また次回もお付き合いいただけたら嬉しいです。それではまたごきげんよう。 もっと見る #季節を感じる #日本の美意識 #衣紋道 #和文化 十二単着付け師の【にちにち気づきだより】さとうみなこ01:371.オープニング07:042.暦よりも先に季節を語るきもの02:283.日常の小さな変化に気づくコメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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