TOPハウツー・学習歴史十二単着付け師の【にちにち気づきだより】第621話 【誕生と産養】九夜まで祝う理由07:09 9月2日 67再生 問題を報告する 再生する シェアする 文字で読みたい方はこちらのサイトから「衣と暦」https://ikumina.comもっと読むAI目次平安時代の出産と「けがれ」の概念産屋を包む「白」が持つ深い意味とは?九夜にわたる「産養い」祝宴の背景乳児の生存と繰り返される祝いの意義「養う」の原義から学ぶ現代の指導論AI文字起こし(β版) # 今日はどんな日 日々気づきだより佐藤美奈子です。 今日もお聞きいただきありがとうございます。 このチャンネルでは、毎朝、平安の行事、季節の移ろい、 当時の人の暮らし、そして生俗のこと、 その日の小読みを一つお話ししています。 千年前の営みが、今の暮らしや仕事にどう繋がっているのか、 毎朝一つお届けしています。 おはようございます。 昨日は二百十日と野秋の話をしました。 今日から新しい連載が始まります。 平安の一生。 平安の人がどう生まれ、どう育ち、どう老いて、どう見送られたのか、 一年をかけて月に二、三回ずつ巡ってまいります。 来年の八月に一生を得て、また九月の誕生へ巡っていく、 そういう作りにしてあります。 今日はその一回目、まずは生まれるところから。 # 今日は【誕生】のはなし 平安の時代、お散というのは、けがれとされていました。 そのため、お散をするところのお部屋は、白一色に失らえられます。 貴重も、屏風も、そばに仕える女房たちの小族も、そして産木も、みんな白にするわけです。 ここで少し立ち止まりたいです。 白というのは、この世で最も改まった色でした。 今もそうでしょうね。 けがれを避けるために白くしたのですが、その白は一番核の高い色でもあるわけです。 一番危ういところに、一番清らかな色を置く。 ちょっと想像してみてくださいね。 さて、生まれた後のことです。 三日目の夜、三夜。 五夜、五日目の夜。 七夜、七日目。 九夜、九日目の夜。 奇数の夜ごとに、産やしないという祝宴が開かれます。 親族が集まって、食べ物や産物を持ち寄る日です。 三日目の夜に集まる。 五日目の夜にまた集まる。 七日目の夜にまた。 そして九日目の夜にまたという感じです。 なぜ、こんなに何度も祝うのか。 医療の乏しい時代です。 赤子が何度もの夜、幾晩を超えられるのかは、誰にもわからないぐらい危うい時代だったわけですね。 だから、一夜ごとに超えられたことを祝ったんですね。 三日生まれてきてくれて、三日も生きてくれた。 そして五日目も生きてくれたというわけです。 三日目まで生きた、だからお祝いしよう。 五日目まで生きた、だからまた祝おう。 それが、九日の夜まで祝いが続くことの意味を思うと、私は少し胸が詰まります。 大変だったんだろうなと思います。 一週間を超えるということが、それだけの大事だった時代の話です。 例えば、お稽古のお話の中で、新しく学びに来られた方には、最初のうちほど、技術よりもまた来たいと思っていただけることを大切にしています。 以前、師匠からよく言われました。 厳しくしてはいけません。楽しく始めて楽しく終わりなさい。 何を習ったか忘れても楽しかった、また来ようと思える練習に、講習にしなさいということです。 その言葉は今も残っていますし、今もそれを守っています。 学生を教えていた頃も卒業する時に、きつけの授業は楽しかったと思ってもらえたり、そういう風でいいのかなと思っていました。 その時には、うまくできなかったこともあるでしょう。 けれど、何年かしてから、また学びたいと戻ってきてくださる方がいるんですね。ありがたいことです。 その方にとっては、その時が本当に学ぶ準備のできた時期だったのかもしれません。 だからこそ、戻りたいと思った時に、戻れる場所があることが大切です。 教える側が続けていることも、一つの養うなのだと思います。 産む養いの養うという字は、私はすごく気になっていたんですね。 ちょっと調べてみました。養うと書きますが、この場合は、育てるより先に生き延びさせるという意味だったわけです。 まず、生きていること。育てるのはその後ということです。 これは、教えることにも似ていると思うんですね。 新しく入ってこられた方に、最初から多くを伝えようとしてしまうことがどうしてもあります。 けれど、一番最初に必要なのは、上達することではなくて、続けられることなのかもしれません。 三日目を超える、五日目を超える、そこまで来て初めて育てる話になる。 平安の人というのは、それを祝いの形にしていたわけです。 まだ何もできない赤子を、生きているというだけで、四度も祝っているわけですからね。 できるようになってから褒めるのではなくて、そこにいることを繰り返し祝う。 順番として多分、そちらの方が先なのではないでしょうか。 今日は9月2日、平安の一生、その一回目でした。 次は9月21日頃に、七夜と名付けをするお話をします。 名前をもらう日ですね。そのお話、9月21日まで楽しみにお待ちください。 明日はサンマのお話をします。私大好きです、サンマ。光物大好きです。 平安の人が実は食べられなかった魚の話なんですね。 それではまた。ごきげんよう。 もっと見る #継続 #平安時代 #穢れ #白い装束 十二単着付け師の【にちにち気づきだより】さとうみなこ01:081.今日はどんな日06:012.今日は【誕生】のはなしコメント感想・質問・応援メッセージを書こう sunshine9月2日とても興味深いお話でした✨️毎日、楽しみにしています!1返信 さとうみなこ9月2日ありがとうございます!明日も宜しくお願いします! Fortune Cookie9月2日学ぶことは楽しいこと🎶🥰 楽しいから続けられる💞1返信 さとうみなこ9月2日楽しくなると、学ぶ欲も出るような気がします❣️1
第653話 平安の一生【五十日の祝】 16分・昨日・ 42再生AI目次平安「五十日の祝い」の真実餅が示す赤ん坊の未来とは?紫式部日記にも登場する祝宴現代の「育成」に通じる先見性儀式が固める大人の「覚悟」
第652話 【水始涸】元へ戻し静かに閉じていく 13分・一昨日・ 38再生AI目次「水初めて枯るる」七十二候の異質さ光を映す田んぼ、土色への回帰華やかさの後に続く「下ろす」仕事「終える」ことの真の意味、次への接続華やかではない「終わりの施策」の価値
第651話 神無月〜離れることは見放すことではない 10分・10月2日・ 64再生AI目次「神無月」の名の由来とその背景「神様のお留守」が教える支えとは教える立場で気づいた師の言葉の重み人の成長を促す「待つ心」の重要性「離れる」がもたらす自立と内なる力
第650話 衣を整え、季節を迎える 11分・10月1日・ 65再生AI目次平安貴族の衣替え:住まいも変える五感で楽しむ平安の季節の移ろい「更衣」に込められた二つの意味とは?衣が導く心と体の季節への準備衣替えで心と暮らしを整える秘訣
第649話 長月に思う〜急がずに向き合う時間 10分・9月30日・ 80再生AI目次長月が秘める意味と夜の過ごし方時間の長さに潜む大切な気づき手間をかける仕事が教えるもの効率化の中で守るべき手間とは長月に考える丁寧な時間の使い方
第648話 言葉を知ると、見えるものが変わる 9分・9月29日・ 67再生AI目次秋の情景を彩る微妙な言葉の数々曖昧な感覚が明確になる言葉の力「なんとなく違う」が「違い」に変わる瞬間技術習得に不可欠な言葉と観察眼の連携言葉で育む感性と世界を深める知覚
第647話 蟄虫坏戸 — また戻れる場所であるために 9分・9月28日・ 66再生AI目次巡る季節に宿る穏やかな眼差し稽古場を「休む」ことの真意鍵をかけずに待つ教える側の心休止期間に育つ見えない学びの力戸を閉じても歩み続ける人生の道
第646話 【月やあらぬ…】同時に見られる唯一のもの 11分・9月27日・ 84再生AI目次源氏物語に登場する「月」の役割とは?隔たった者同士を結ぶ唯一の「月」成平の歌にみる変わらぬ月と移ろう心着物と技が繋ぐ時空を超えた絆千年前の装束に触れることで得る一体感
第645話 【御萩】と【牡丹餅】 9分・9月26日・ 60再生AI目次おはぎとぼたもち、季節で変わる呼称の謎同じ食べ物に異なる名を贈る日本文化合理性だけではない呼び分けの深い意味文道の現場に見る所作と心持ちの変化二つの名前が伝える季節と心の移ろい
毎日、楽しみにしています!