TOPハウツー・学習歴史十二単着付け師の【にちにち気づきだより】第622話 【四種器】味は自分で決めるものだった07:04 9月3日 69再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次平安貴族が秋刀魚を知らぬ理由平安時代のまさかの『味変』『薄味』ではなく『自分で決める味』教える側が『塩を振る余地』を残す意味選択範囲の制限と自由の絶妙な線引きAI文字起こし(β版) # 今日はどんな日 日々気付きだより佐藤美奈子です。 今日もお聞きいただきありがとうございます。 このチャンネルでは、毎朝、平安の行事、季節の移ろい、 当時の人の暮らし、そして、生俗のこと、 その日の暦を一つお話ししています。 千年前の営みが、今の暮らしや仕事にどう繋がっているのか、 毎朝一つお届けしています。 おはようございます。 昨日は平安の誕生の話をしました。 今日は食べ物の話です。 秋の魚といえば、まずこれ、サンマです。 # 味変していた 北の海で油を蓄えて、南へ下ってくる。 その途中のものが一番おいしいとされます。 ところがです。平安の貴族は、さんまを知りません。 理由はいくつかあります。 まず、都は海から遠いということ。 運べる魚は、ひものか塩漬けにしたものに限られていました。 生の魚が都まで届くことはほとんどありません。 そして、仏教の影響もあるようです。 この獣の肉ですとか、多くの魚が遠ざけられていたと聞きます。 では、彼らは何を食べていたのか。 お膳の中心は、こわいい。 こしきで蒸した大変硬いお米です。 そして、ひものや木の実。 ここからが面白いところで、平安の食前には必ず小皿のひとそろえが添えられていました。 お塩、酒、酢、あとはひ塩ですね。 この四つを入れた小皿を四種器と言います。 四つの種類の器と書いて四種器と言います。 つまり、料理そのものには味がついていない。 食べる人が自分の手元で塩をつけ、酢をつけ、自分で味を整えるわけです。 今で言うと味変というところでしょうか。 調味は各自の手元、それが当時の作法だったようです。 味のついた料理が出てくるのはずっと後の世のことです。 よく平安の人は薄味を好んだと言われていますが、少し違うんじゃないかなと思います。 薄味だったのではなく、味は自分で決めるものだったわけです。 例えば木付を教えていると、どのやり方が正しいのですかと聞かれることが多くあります。 けれど私は一つの答えだけを渡すことはなるべくしないようにしています。 私がお伝えするのはお客様に失礼がなく、美しく見えて体にも無理のないこと。 そこはもう絶対動かせない自分なりの土台でもあるし、それを皆さんにも学んでもらいたいと思っている大事な部分です。 けれども、その先の加減まで全て私が決めてしまう必要はないと思っています。 ですから質問を受けると時々、それまでは、これまではどうあなたはされていたんですかというふうにお尋ねします。 するとご本人なりに考えて、すでに良いやり方を見つけていることも多くあります。 ただ自信がないだけなんですよね。 どのやり方が正しいのですかって聞く方というのはちょっと自信がない。 全部を教えてもらわないと不安で、もっと正しい答えを探したくなる方もいるんです。 けれど技術はお客様や場面によって少しずつ加減が変わります。 その違いを自分で感じ取れるようになることも大切です。 迷った時には戻ってきて一緒に確かめる。 そしてまた自分の手で試してみる。 そうやって少しずつ自分にとっての良い塩梅が分かっていくのかと思います。 味は自分で決めるもの。 この考え方が私は少し好きなんですよね。 私も味変というものは最初は嫌だったんですけれども、 子どもたちがちょっと辛味を足したり、あとはわさびを使ったり柚子胡椒を使ったり、 いろいろしながら楽しんで食べているのを見て、それもまた良しと考えるようになっています。 出す方が全部決めてしまえば、食べる人はただ受け取るだけになります。 その方が親切に見えますし失敗もありません。 ですが自分で塩をつける余地を残しておくと、食べる人はその度に自分の好みを確かめることになります。 教えることもそこは似ていて、全部を決めて渡す方が早い。間違いも少ない。 けれど決めきってしまうとその方はその通りにしかできなくなります。 どこかに自分で塩を振る場所を残しておく。そんな感じでしょうか。 もっとも四周期には決まりがあります。酒、塩、お酢、塩、この4つだけなんです。 何を足してもいいというわけではなくて、この4つ。選べる範囲は決まっていて、その中は自由。 これが実は一番難しくて一番大事な線引きだなと思いました。 油の乗ったサンマを千年前の人は食べられませんでした。 そう思うと今日のこの一匹が少しちょっと違って見えてきます。 実は先日スーパーに行ったときにこの初物というのでしょうか。 このサンマが出てすごくキラキラ輝いていて、どうしようかなと思ったんですが、まだまだお高いですね。 もう少し量が進むのを待ってみたいと思います。 明日は稲の話です。 72項が国物すなわち実るという項に入っていきます。 今日もお聞きいただきありがとうございました。 それではまた明日。ごきげんよう。 もっと見る #秋刀魚 #塩梅 #四種器 #食の作法 十二単着付け師の【にちにち気づきだより】さとうみなこ00:441.今日はどんな日06:202.味変していたコメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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