TOPハウツー・学習歴史十二単着付け師の【にちにち気づきだより】第635話 【虫合(むしあわせ)】〜秋の夜の遊び10:22 9月16日 56再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次平安貴族の「虫合わせ」とは?鳴き声で分ける虫の名の秘密現代に蘇る千年前の音体験装束着付けに潜む「音」の妙音の受け取り方が変える世界AI文字起こし(β版) # 今日はどんな日 日々気付きだより佐藤美奈子です。 今日もお聞きいただきありがとうございます。 このチャンネルでは、毎朝、平安の境地、季節の移ろい、 当時の人の暮らし、そして荘族のこと、 その日の暦を一つお話ししています。 千年前の営みが、今の暮らしや仕事にどう繋がっているのか、 毎朝一つお届けしています。 おはようございます。 今日は9月16日です。 昨日は9月15日、昔の敬老の日でしたよね。 長寿の祝い、そんなお話をしました。 40歳からも長寿のお祝いをしていたという話でしたね。 そう考えると、私の年齢では後長寿の部類に入ってくるのかもしれませんが、 今日は秋の夜の遊びの話です。 虫合わせと言います。 # 平安の合わせもの はい、秋の夜、平安の人は虫を捕まえて、籠に入れて、鳴かせて楽しみました。 わらわ、今でいう子供ですね。わらわを野に行かせて、虫を捕らせて、それを籠に入れて庭に放つ。 あるいは持ち帰って、どちらの虫の声が優れているかということを競う。これを虫あわせと言います。 平安にはこのあわせものという遊びがたくさんあります。 たぶん皆様も聞いたことのあるあわせがあると思いますが、まずはうたあわせ、えあわせ、かいあわせ、こうあわせ。 集う者たちが左右に分かれて、持ち寄ってきて、そして競うというあわせものです。 そして虫あわせもその一種なんですね。 さてここで面白いのが日本語の呼び方です。 虫の音とよく言いますよね。 騒音でもなく、自然の音でもなく、干渉するものとして音、いわゆる音というものを使って呼んでいます。 そして鳴き声で名前を付け分けているというのも面白いです。 例えば、松虫、すず虫、くつわ虫、コオロギ。 この虫の名前聞いたことあると思うんですが、松虫というのは、鳴き声がチンチロリンチンチンなど松林などで聞こえる澄んだ音に由来すると言われています。 この鳴き声から名付けられたと言われています。 そして鈴虫、リンリンという鈴を振るような鳴き声が特徴で、その音色から鈴の字が当てられたと言われています。 そしてくつわ虫、くつわというのは馬の口にはめるものです。 ガチャ、ガチャ、ジャラジャラと金属的な音がすることからこの名が付いたとされています。 このくつわというのは、くつわという文様もあって、男性小族の側体などによく見られますが、くつわからくさというものにも使われていて、本当に小族と深い関係のあるものです。 そしてコオロギ、このコオロギというのは全体的にコオロギ類の総称的な漢語です。 日本語のコオロギの鳴き方、コロコロに由来する気温語的な漢字の名前の付け方です。 鳴き声を聞き分けて名前を分けた文化は世界にそう多くないのではないかと思います。 今日、そろそろ雨も多い一週間になりそうですけれども、窓を少し開けてみると、千年前の人がカゴに入れてまで聞きたかった音というのが、私たちは無料で聞けるということですね。 先日、田舎の青森に帰っていたんですけれども、夜は2時、3時、寒くて目が覚めて、夕方になると虫の音が聞こえるんですよね。 もう秋だなという感じです。まだまだ東京では聞かない声を田舎では聞いてきました。 例えば、音といえば、この絹ずれの音というのがよくありますけれども、この木付けだとか十二単絵というのを始めたばかりの頃というのは、音というものをあまり意識したことがなかったように記憶しています。 綺麗に着せられているかとか、紐の位置は合っているかとか、あとは全体の形が崩れていないかという、目で確かめることに精一杯だった時代というのは、どうしてもやっぱりありました。最初の頃は。 けれども、長く続けているうちに、少しずつこの音というのが気になるようになってきたわけです。 例えば、布が擦れる音、紐を引いた時にシュッと鳴る音、そして衣を整える時にも微かな音が聞こえるんですが、そういう音です。 力が入りすぎている時と、スッと自然に上手い具合に収まった時では音が違います。 そして、稽古を私の方で、中高生さんを見ていても、その方の手元を私がずっと見ていなくても、耳から入ってくる音で、今ちょっと力強くやっただろうなとか、強引に弾いただろうなとか、そういうことが音で聞き分けられるようになってきました。 不思議ですけれども、やっぱり耳が覚えているんでしょうね。 もちろん、最初から聞き分けられたわけではなくて、何度も触れて、何度もお客様に聞かせて、その音の中に長く自分を置いていたわけですから、それで少しずつ違いが分かるようになったのかなと思います。 ちょうど本当に先日も、12人の稽古の時に、中高生の方の音が気になったんです。 そもそも、その中高生さんがどうしても分からないところが2つある。 その2つを今日は重点的に見ていただきたいということが事前にあったので、そこを見ていたんですね。 案の定、やっぱりその方が理解していない。理解というのは手順もそうですし、意味というか、そういうのを理解していないと音が鳴ってしまっていて、どういう手つきをすればよいかが理解できてくると、本当に大人しくなったんですよね、音が。 音を抑える術も分かってきた、という講習を先日ちょうど終えたばかりです。 技術を身につけるということは、手が動くようになるだけではなくて、以前は聞こえなかったものが聞こえてくるようになることでもありますね。 だからこそ、これからも音に耳をすませながら、一枚の着物と丁寧に向き合っていきたいなと思いますし、それを伝えていきたいなと本当に思いました。 虫の音と呼ぶ、虫の声を音と呼ぶ、この言い方に聞く姿勢そのものが現れているように思います。 同じ音でも、うるさいと思えば騒音になるし、聞こうと思えば音楽にもなる。決めているのは音の方ではなくて、聞く側、私たち側の問題ですね。 私の仕事にも音があります。絹ずれの音、ひもを引くときの音、そして畳を歩く音、あとは板の間を歩く音もそうですね。 慣れてくると、これで分かるようになります。今うまくいっているかどうかとか、目で見ていなくても、あの方が歩いていらっしゃったなということを音で分かるわけです。 けれども初めの頃は聞こえないものです。音がしていないのではなくて、聞く姿勢がない、そんな時期もあるわけです。 平安の人は虫の声を聞き分けて、名前まで付けていました。そこまで細かく聞いていた人たちが作った小族を私は扱っているわけです。 多分あの小族にも聞くべき音があるのかなと思いました。 今日は9月16日、明日はツバメがかえる日のお話をします。 七十二項がまた変わります。 今日もお聞きいただきありがとうございました。それではまた。ごきげんよう。 もっと見る #虫取り #鈴虫 #絵合 #轡虫 #歌合 #貝合 #香合 十二単着付け師の【にちにち気づきだより】さとうみなこ01:131.今日はどんな日09:092.平安の合わせものコメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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