TOPハウツー・学習歴史十二単着付け師の【にちにち気づきだより】第636話 【玄鳥去】来た日を覚えていたから去る日が分かる08:33 9月17日 48再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次七十二候「玄鳥去」に秘められた意味去る日が分かるのは「記憶」ゆえ来る鳥去る鳥、小読みの特別な記述人の去来、心に残る大切な記憶「去」の後に待つ「来」の循環とはAI文字起こし(β版) # 今日はどんな日 日々気付きだより佐藤美奈子です。 今日もお聞きいただきありがとうございます。 このチャンネルでは、毎朝、平安の行事、季節の移ろい、 当時の人の暮らし、そして消息のこと、 その日の暦を一つお話ししています。 千年前の営みが、今の暮らしや仕事にどう繋がっているのか、 毎朝一つお届けしています。 おはようございます。 9月14日の4時となりました。 昨日は虫の音のお話をしました。 今日は、七十二項が変わります。 つばめ去る、つばめが去る、 春に来た、つばめが南へ帰っていく頃、 という季節に入っていきます。 # 初めての日、覚えています はい、このつばめさるという漢字は、げんちょうさると書くんですね。 このげんちょうというのは、つばめの別の名前なんですけれども、げんというのは黒を意味していて、黒い鳥という素朴な名前なんですね。 さて、七十二行にはこういう仕組みがあります。 三月に、つばめ来たるという行があります。 つばめが来る頃という行です。 このボイシーも、まだこの三月にはこういう小読みのお話を始めていなかったので、まだ聞いたことのない季節の行の名前だと思いますけれども、 三月頃は来た、つばめが来た、そして半年後の今日、そのつばめが去っていく頃ですよという意味です。 来ることと去ることの両方が記されている。 これが七十二行の中で、そういう扱いを受けている生き物というのはあまり多くないですね。 とても特別だと思います。 このつばめに関して、二回出てくるわけですよね、三月と九月に。 去る日がわかるということは、来た日を覚えていたということにもなりますよね。 誰かが半年前の到来を記憶していて、そしていなくなったことに気づいたわけです。 当たり前のようですけれども、注意を持続させていなければできませんね。 例えば、この間の八月でしたら、お盆の時に迎え日をやったり、送り日をやったり、 送り日をするということは、一回迎えたから送り日をするわけですけれども、 そういうふうに、来てくれたからには、その後は送らなければいけないということを誰かが気づいている。 家の人がちゃんと気づいていて、ご先祖様にまた来年もという感じでお別れするわけです。 このつばめに関しても、三月に来たつばめが、そろそろ去る頃だなということに気づかなければ、 やっぱりこういう小読みの名前にはならなかったと思うんですよね。 つばめは何も言わずに去ります。 じゃあねって言わない。さよならとも言わない。 ある日ふと、はて、そういえばいないなと。 つばめの声も聞かないなとか、つばめが低く飛ぶようなことも見ないなとか、いないことに気づくわけです。 その気づきに名前を与えて小読みに残したというこの感性が素晴らしいなと思います。 去ることを小読みに書き入れる文化、とっても素晴らしいと思うんですよね。 そしてそういう素晴らしい国に私たちはいるということを、すごく私自身はとても感謝しています。 例えばこれをお稽古で考えてみると、稽古をしていますと長く通ってくださる方も多くいらっしゃるんですけれども、 まあちょっとポツポツといつの間にか来られなくなる方ももちろんいらっしゃいます。 お忙しくなる時もありますし、もしかしたらちょっと佐藤先生の教えはどうかなと思って去る人もいるかもしれません。 最初の頃はそれが少し寂しく感じられた時もありました。 何買わなかったのかなとか、もう着物から離れてしまったのかなとか、そんな風に考えることも実際ありました。 けれどもしばらく経ってからですね、その人をふと思い出すことというのがあるんです。 あの方はこの結び方がちょっと苦手だった方だなとか、お稽古系が苦手だった方だよなとか、枕の置き方がちょっと心配と言ってもおっしゃってたなということを思い出したりとか、 ここができた時にとても嬉しそうだったなとか、そういうことをさっと思い出すわけです。 不思議なものでですね、毎週お会いしていた頃には当たり前だったことなんですけれども、来られなくなってからはっきり思い出されるんですよね。 そして何年か経ってからまた連絡をくださる方というのもいらっしゃいます。 そんな時は以前の続きを始めるような気持ちになります、自然になります。 教える仕事ではいつも同じ人が同じように通い続けるわけではないので、人にはそれぞれの暮らしがあって、来る時期もあれば離れる時期もあります。 それでもその方がここに来ていた時間というのはちゃんと残っているし、私の心の中にも確実に残っているわけですね。 去る日が分かるというのは、来た日を覚えていたからです。 教える仕事をしていると人が来て、そして去っていきます。 来られる時ははっきり分かります。 初めての日はとても私も覚えています。お互い緊張していますからね。 けれども去る時は大抵静かに去っていかれることが多いですね。 さよならとは言われません。 しばらくしてから、そういえばあの方ちょっといらっしゃっていないなというふうに気づかされることで、そういえばいらっしゃっていないと分かるわけです。 私はそれを寂しいと思っていた時期もありましたけれども、今は少し違います。 気づけるということは覚えていたということですね。 来る日を覚えていなければ、いなくなったことにももちろん気づきません。 つばめが去ったと分かる人は、春につばめが来たことをちゃんと見ていた人です。 去る日と数えられるのは、迎えた人を数えていたからです。 そして、72項は、去るで終わりにしていない。 要は半年後、また3月が来たら、またつばめが来るわけですよね。 来ることを書き入れておくと、また来る日も書き入れられたくなっちゃう。 これが、小読みのまた面白さかなと思います。 はい、今日は9月14日、つばめ去るの項です。 明日は、彼岸という言葉そのもののお話をします。 もうすぐお彼岸ですね。 それではまた、ごきげんよう。 もっと見る #二十四節気 #七十二候 #衣と暦 #玄鳥去 #来るもの拒まず去るもの追わず 十二単着付け師の【にちにち気づきだより】さとうみなこ00:591.今日はどんな日07:342.初めての日、覚えていますコメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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