TOPハウツー・学習歴史十二単着付け師の【にちにち気づきだより】第639話 【日想観】天文の事実に信仰の意味を重ねる09:07 9月20日 71再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次お彼岸の始まりと東西南北の神秘西方浄土への祈り「日想観」の真髄天文的事実と信仰が重なる意味とは理由なき「型」を守る知恵とその真意確かな事実が伝える「見えない教え」AI文字起こし(β版) # 今日はどんな日 日にち気づきだより佐藤美奈子です。 今日もお聞きいただきありがとうございます。 このチャンネルでは、毎朝、平安の行事、季節の移ろい、 当時の人の暮らし、そして消息のこと、 その日の暦を一つお話ししています。 千年前の営みが、今の暮らしや仕事にどう繋がっているのか、 毎朝一つお届けしています。 皆さん、おはようございます。 今日は9月20日です。 あっという間、もう9月も終わりそうです。 昨日は、秋の夜の明かりの話をしました。 そして、今日からお彼岸に入ります。 終分を中日として、前後3日ずつ、 合わせて7日間がお彼岸です。 今日は、その入りの日です。 # 事実と、祈りと、習慣 そもそも、なぜ、春分と秋分なのでしょうか。 この二日は、太陽が真東から昇り、真西に沈みます。 そして、西の方角、西方に極楽浄土があるとされていました。 だから、真西に日が沈むこの日は、志願と悲願が最も近づく日と考えられていたのです。 志願というのは、こちらの岸のことです。悲願というのは、かの岸、いわゆる向こうの岸です。 もうちょっと詳しく言うと、志願というのは仏教用語ですけれども、私たちが今生きている迷いや煩悩に満ちた現実世界、いわゆるこの世のことです。 そして、悲願というのは悟りの世界やあの世を示す言葉です。 まあ、お互い大義語同士ということになりますね。 その二つが一年で最も近くなる、そんな時期なんですね。 さて、平安の貴族もこの日に修行をしていたと言われています。 日相観と言います。 日に思う、見ると書きます。日相観。 沈む夕日をじっと見つめる、そしてその先にある西方浄土、西の方の浄土ですね。 西方浄土を心に思い描く日とされています。 そして大阪の四天王寺の祭門、これ西の門ですね。祭門はこの日相観のために西を向いていると言われています。 ここが私はとても面白いと思います。真東から上って真西に沈む、これはまあいわゆる天文的に事実なわけですね。 計算でわかることです。その事実の上に信仰の意味を重ねているわけです。 そして先祖に会いに行く日として、これまで長い時代を隔てて続いてきたということなんです。 短く言えば、事実と祈りと修観、この3つがきれいに重なっていると言えます。 今日から7日間、日の沈む方角を少し意識をしてみてはいかがでしょうか。 小族を学び始めた頃というのは、なぜこの順番なのかなと思うことがよくありました。 手の位置も布の持ち方も、重なっていく順序もまずは教わった通りに覚えるしかありません。 最初はみんなそうです。理由がわからないまま手を動かしていたこともたくさんあります。 けれども何度も小族に触れているうちに、ああ、なるほどと後からわかることが多々ありました。 この位置で持つと、この衣が自然に落ちる。 この順番だから、次の動きが無理なく続く。そんな感じです。 言葉で教わった時には見えなかった理由を、この衣の重さや動きが教えてくれているわけです。 一方で今でもなぜこうするんだろうと、きれいに説明できない作法ももちろんあります。 こっちの方が多いのかもしれません。 それでも長く受け継がれてきた型というものには、簡単に変えない方が良いものもあるということをすごく感じます。 理由がわかってから守ることもあれば、守り続けた先で理由に出会うことも多くあります。 小族に触れていると、そんな順番もあるのだと感じます。 ですから普通通りに、トントントンと分かればいいというものでもなくて、逆に分からなくていいというものもあるわけです。 天文的な事実に信仰の意味を重ねる。これは上手いやり方だなと思いますね。 西に浄土があるというのは信仰です。これは証明はできません。信仰ですから。 けれども真日に日が沈むというのは事実です。 実際地球はそういうふうな営みをしています。誰が見てもそうなるわけです。 確かなものの上に、確かではないものを載せている。だから長く続いたのかと思います。 もしも信仰だけだったら、信じない人には何も残りません。 けれども日が真日に沈むことは本当のことです。 だから信じていない人でも、その日には夕日を見ることになるわけですよね。 私の仕事の決まりごとにも似たところがあって、理由がはっきりしているものもあるけれども、 布はこう落ちるからこう持つ、これは事実だけれども、理由を説明しにくいものもあります。 なぜこの順番なのか、なぜこの手つきを使うのかはわからないこと、理由、言葉で説明しにくいこともたくさんあります。 けれども事実の部分がしっかりしていると、説明しにくい部分も一緒に伝わっていきます。 すべて言葉に表現するのが教えではないと私は思っています。 けれども絶対ぶれない部分というのがあって、そのぶれない部分をしっかり読み解いて、私が読み解いて、しっかり説明していけば、 ちょっとその周りにある説明しにくい部分も一緒に、ああそういうことかというふうに、いい意味で風に乗ってその方に伝わっていくという感じでしょうか。 確かなところをまず確かにしておく。ここすごく大事ですね。確かだというところをさらりとしないで、確かなところは確実にしてもらう。 その上に載せるものは、逆に説明できなくても残るものではないかなと思います。 はい、ちょっと今日は難しいお話になりましたが、大丈夫でしょうか。伝わっていますでしょうか。 すべてがすべてね、やっぱり言葉に言い表せないし、言い表さなくても伝えたいことをしっかり教えていれば、やっぱりその余波というもので感じ取ってくださる方々に私は恵まれているかなと思っています。 はい、今日は悲願の入りです。明日はですね、平安の一生シリーズのやっと2回目に入ります。 1回目の時には産やしないと言って、赤子が生まれた時のお話をしましたが、次は2回目のお話に入っていきます。 9月2日にこのお話をしました。産やしない。この9月2日に生まれた赤子に名前がつくというお話です。 それではまたごきげんよう。 もっと見る #習慣 #祈り #彼岸の入り #衣と暦 #日想観 #西方浄土 十二単着付け師の【にちにち気づきだより】さとうみなこ01:011.今日はどんな日08:062.事実と、祈りと、習慣コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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