#229【レポート】第5回 哲学対話・本質観取「親子とは何か」
06:55
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昼スナでは毎月、哲学対話の手法「本質観取」を実践するセッションを開いています。今回のテーマは「親子とはなにか」。
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《本質観取とは》
哲学者フッサールの現象学をベースに、教育哲学者の苫野一徳さんが体系化した哲学的対話の手法。ひとことで言うと、「みんなの納得を生み出す対話」。
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あるテーマについて、それぞれが自分の体験や感覚を出し合い、対話を重ねながら「これがなくなったら、それとは言えなくなる」という核心=本質を、みんなで一緒に探っていきます。
正解を押しつけるのではなく、異なる意見を尊重しながら、全員が「たしかに」と感じられる共通の土台を編み出していくプロセスです。
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大事なのは、美しい文言をつくることではなく、プロセスを共有し、共通理解をつくること。その合意形成のプロセス自体が目的です。
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■対話の中で浮かび上がってきたこと
まず参加者それぞれが「親子」にまつわる体験を持ち寄りました。
・距離が近すぎて話を聞いてあげられない。
・自己決定を奪われた。
・子どもに自分の嫌な部分を見てざわつく。
・「あなたも子どもができたら大変さがわかる」という言葉の棘。
・仮面をかぶることで関係が楽になった、という告白。
どんなに幸せに見える親子でも、必ずしんどさはある。
私は若いころは「尊敬する人は両親」と無邪気に言える人が羨ましくて苦しかったです。2人を看取ってからは「2人が父と母でよかった」と言えるようになりましたが…そんなこともシェアしました。
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体験はそれぞれ全然ちがうのに、対話が深まるにつれ、ある言葉が何度も浮かび上がってきました。
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「距離感ゼロ」
「境界線がない」
「一番わかってほしい相手に、一番伝わらない」。
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近いからこそ遠慮がなくなる。でも近いからこそ、大切すぎて言えないことが生まれる。「わかってほしい」という気持ちは、親から子へ、子から親へ、双方向にある。そしてその気持ちが強いほど、すれ違った時のダメージも大きい。
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■本質観取の本質
そんな中で、今回たどりついたのはこれでした。
【親子とは、独自の「呪い」を共有する、距離感がバグった団体である】
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ちょっと変な言葉に感じるかもしれません。しかし、この日この場にいた人たちには、しっくりと腑に落ちていました。
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「呪い」というのは、その家族の中だけで受け継がれてきた価値観や言葉、傷や誇り、繰り返されるパターンのこと。意識しているかどうかにかかわらず、親子の間にはあり、それは呪縛でもあるし、愛着でもある。
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「距離感がバグった」というのは、近すぎて境界線が溶けているということ。他人には保てる距離が、親子の間ではゼロになる。だからこそ言えることがある。だからこそ言えないことがある。だからこそ傷つく。離れられない。
ㅤㅤ
「団体」というのは、選んでいないのに構成員になっているということ。友人は選べる。でも親子は選べない。それでも、ずっとその「団体」の一員であり続ける。
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この言葉が腑に落ちたのは、それが「正しい定義」だったからではありません。この場にいた人たちが、それぞれの体験を持ち寄り、対話を重ねて、一緒にたどりついた言葉だったからです。
そのプロセスを全員が共有していたから、「たしかに」という共通理解が生まれ、合意が成立しました。
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本質観取の本質は、そこにあります。どんなに洗練された定義も、プロセスなしに外から持ち込まれた言葉は、人の腑には落ちない。自分たちで言葉をたぐり寄せるプロセスそのものが、共通理解をつくり、合意形成を可能にします。
今回もいい場でした!
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■次回の本質観取は「はたらくとは何か」
6月の本質観取は、テーマを事前に決めて実施します。
お題は「はたらくとは何か」。
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お子さんの参加も大歓迎です。
テーマに関心のある方、哲学対話に興味のある方、合意形成を実践したいと思っている方のご参加を、お待ちしております。
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日時:2026年6月6日(土)11:00-13:00
場所:中洲昼スナ「役にたたなくてもいい場所」
福岡市博多区中洲2丁目7-5 第3タワービル2階 bar Day-Break
参加費:価格2000円(1ドリンク付き)
※昼スナに参加される方はチャージ代(1,000円)が無料
https://honshitsukanshu06.peatix.com/view
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<過去の様子をラジオVoicyで聞けます>
■#166【レポート】第1回哲学対話・本質観取「価値があるとは何か」~全員が納得できる共通の土台を作る
https://r.voicy.jp/YQm4DgWLm2W
■#176【レポート】第2回 哲学対話・本質観取「よい場とは何か」~違和感こそが他者への最大の貢献
https://r.voicy.jp/YQm4D6wam2W
■#193【レポート】第3回 哲学対話・本質観取「大人とは何か」
https://r.voicy.jp/nEmNe1nkKXk
■#203【レポート】第4回 哲学対話・本質観取「人を信じるとは何か」
https://voicy.jp/channel/821343/7725890
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《本質観取とは》
哲学者フッサールの現象学をベースに、教育哲学者の苫野一徳さんが体系化した哲学的対話の手法。ひとことで言うと、「みんなの納得を生み出す対話」。
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あるテーマについて、それぞれが自分の体験や感覚を出し合い、対話を重ねながら「これがなくなったら、それとは言えなくなる」という核心=本質を、みんなで一緒に探っていきます。
正解を押しつけるのではなく、異なる意見を尊重しながら、全員が「たしかに」と感じられる共通の土台を編み出していくプロセスです。
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大事なのは、美しい文言をつくることではなく、プロセスを共有し、共通理解をつくること。その合意形成のプロセス自体が目的です。
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■対話の中で浮かび上がってきたこと
まず参加者それぞれが「親子」にまつわる体験を持ち寄りました。
・距離が近すぎて話を聞いてあげられない。
・自己決定を奪われた。
・子どもに自分の嫌な部分を見てざわつく。
・「あなたも子どもができたら大変さがわかる」という言葉の棘。
・仮面をかぶることで関係が楽になった、という告白。
どんなに幸せに見える親子でも、必ずしんどさはある。
私は若いころは「尊敬する人は両親」と無邪気に言える人が羨ましくて苦しかったです。2人を看取ってからは「2人が父と母でよかった」と言えるようになりましたが…そんなこともシェアしました。
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体験はそれぞれ全然ちがうのに、対話が深まるにつれ、ある言葉が何度も浮かび上がってきました。
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「距離感ゼロ」
「境界線がない」
「一番わかってほしい相手に、一番伝わらない」。
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近いからこそ遠慮がなくなる。でも近いからこそ、大切すぎて言えないことが生まれる。「わかってほしい」という気持ちは、親から子へ、子から親へ、双方向にある。そしてその気持ちが強いほど、すれ違った時のダメージも大きい。
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■本質観取の本質
そんな中で、今回たどりついたのはこれでした。
【親子とは、独自の「呪い」を共有する、距離感がバグった団体である】
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ちょっと変な言葉に感じるかもしれません。しかし、この日この場にいた人たちには、しっくりと腑に落ちていました。
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「呪い」というのは、その家族の中だけで受け継がれてきた価値観や言葉、傷や誇り、繰り返されるパターンのこと。意識しているかどうかにかかわらず、親子の間にはあり、それは呪縛でもあるし、愛着でもある。
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「距離感がバグった」というのは、近すぎて境界線が溶けているということ。他人には保てる距離が、親子の間ではゼロになる。だからこそ言えることがある。だからこそ言えないことがある。だからこそ傷つく。離れられない。
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「団体」というのは、選んでいないのに構成員になっているということ。友人は選べる。でも親子は選べない。それでも、ずっとその「団体」の一員であり続ける。
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この言葉が腑に落ちたのは、それが「正しい定義」だったからではありません。この場にいた人たちが、それぞれの体験を持ち寄り、対話を重ねて、一緒にたどりついた言葉だったからです。
そのプロセスを全員が共有していたから、「たしかに」という共通理解が生まれ、合意が成立しました。
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本質観取の本質は、そこにあります。どんなに洗練された定義も、プロセスなしに外から持ち込まれた言葉は、人の腑には落ちない。自分たちで言葉をたぐり寄せるプロセスそのものが、共通理解をつくり、合意形成を可能にします。
今回もいい場でした!
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■次回の本質観取は「はたらくとは何か」
6月の本質観取は、テーマを事前に決めて実施します。
お題は「はたらくとは何か」。
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お子さんの参加も大歓迎です。
テーマに関心のある方、哲学対話に興味のある方、合意形成を実践したいと思っている方のご参加を、お待ちしております。
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日時:2026年6月6日(土)11:00-13:00
場所:中洲昼スナ「役にたたなくてもいい場所」
福岡市博多区中洲2丁目7-5 第3タワービル2階 bar Day-Break
参加費:価格2000円(1ドリンク付き)
※昼スナに参加される方はチャージ代(1,000円)が無料
https://honshitsukanshu06.peatix.com/view
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<過去の様子をラジオVoicyで聞けます>
■#166【レポート】第1回哲学対話・本質観取「価値があるとは何か」~全員が納得できる共通の土台を作る
https://r.voicy.jp/YQm4DgWLm2W
■#176【レポート】第2回 哲学対話・本質観取「よい場とは何か」~違和感こそが他者への最大の貢献
https://r.voicy.jp/YQm4D6wam2W
■#193【レポート】第3回 哲学対話・本質観取「大人とは何か」
https://r.voicy.jp/nEmNe1nkKXk
■#203【レポート】第4回 哲学対話・本質観取「人を信じるとは何か」
https://voicy.jp/channel/821343/7725890
昼スナママ・フィッシュ明子の役にたたなくてもいいラジオ
フィッシュ 明子
- 00:161.
タイトルコール
- 06:402.
親子とは、独自の「呪い」を共有する、距離感がバグった団体である
コメント

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子供の頃と大人になってからだと、兄弟の関わりも変わったりしますね。
そうやって家族でも関係性が変化していく過程を味わっていけるといいですね。