#245 星野俊樹さん、いらっしゃいませ
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ジェンダー教育実践家の星野俊樹さんが福岡にお越しになり、2日間ご一緒させていただきました。
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星野さんは出版社勤務を経て小学校教員に転身し、20年間にわたって教室の中でジェンダーやセクシュアリティの授業実践を重ねてこられた方です。昨年教員を退職し、現在はフリーランスとして学校・自治体・企業への研修や講演、執筆、翻訳に取り組んでいらっしゃいます。昨年6月に『飛び越える教室 フェミニズムと出会った僕が子どもたちと考えた「普通」』を出版されました。
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今年1月、ドルトン東京学園で行われたハイテックハイのカンファレンスでご一緒したぼがきっかけです。私たちはそれぞれ別の分科会を持っていたので、直接交流する機会はなかったのですが、その後、星野さんの著書を拝読して感激して、メッセージを送りました。たまたま福岡にいらっしゃる機会があって空港で短時間ご一緒して、その後ラジオで対談させていただいたのですが、その際にパーパスセッションを行っているという話をしたところ、「受けてみたい」とおっしゃってくださって、なんと本当に福岡に来てくださったのでした。
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初日、飛行機で到着してそのままお店に直行してくださるというスケジュールでした。たまたまその日は大雨で、お店は地下鉄の駅からそんなに遠くもないのですが、迷わず到着されるかしらと、ドキドキしながら待っていました。
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星野さんのご希望は「いま転機を迎えているので、これからの働き方について整理してみたい」というもので3時間近く、ゆっくりお話を聞かせていただきました。
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本当に正直な方です。「自分の中にあるマイノリティ性=恥ずかしいと思うこと、矛盾していること、人に知られることが怖いこと、あってはならないと思っている自分自身」に真剣に向き合っておられる。自分自身の解像度が高い人は、独特の優しさがあります。隠さずにご自身を見せてくださる方を前にすると「この人の前では自分を偽らなくていい」という圧倒的な安心感で、自然と涙が出てくるような感動があります。この短期間でこんなにも大好きになったのは、その存在感に他ならないと思っています。
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セッション終にカウンターでお酒を飲み、その後、天神三丁目のカフェ・屋根裏獏へ。そして私の心の実家、スーホダイニングバーへお連れしました。モンゴル人のスホさんとタカシさんがやっているモンゴル料理のお店で、民族衣装を着て食べて歌って。星野さん、よくお似合いで楽しんでいただけたようです。
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翌日は糸島へ。この日の運転手は私の下の子どもです。
まず桜井神社へ。江戸時代初期、福岡藩二代目藩主・黒田忠之が建設した神社で、古墳の前に本殿・拝殿・門が並ぶ全国的にも珍しい配置が特徴です。境内の奥には伊勢神宮から分霊した桜井大神宮が鎮座していて、福岡屈指のパワースポットとして知られています。
その後、二見ヶ浦の夫婦岩へ。海岸に佇む大きな白い岩のそばで記念撮影をして、ビーチのカフェでお茶をしてから福岡に戻りました。
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翌日、私は昼スナの営業日だったのでご一緒できなかったのですが、宗像エリアをおすすめしました。レンタカーを借りてお一人で散策されたそうで、道の駅にある漁師のお母さんたちが作る食堂でお昼を。地元のお料理が小皿でたくさん並んで、好きなものをピックアップするスタイルです。「お魚とイカのおいしさにびっくりした」というメッセージをいただきました。温泉にも入られて、大満足でお帰りになったようです。
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移動や食事の合間に、たくさんお話ができました。パートナーやワンちゃんのちいころちゃんのこと、そして印象に残ったのはDMでの対話の話です。
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ジェンダー関連の情報を発信している方には、必ずと言っていいほど批判的なコメントがつきます。あるとき、星野さんのインスタの投稿に批判的なコメントを書いた方がいた。スルーしようとしたら、DMが届いた。「意見を聞かせてほしい、無視しないでくれ」。これはただのクソリプではないと感じて、星野さんはDMで対話することにしたそうです。
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しかしこういうやりとりは非常にダメージを受けるもの。だから相手の言葉をそのまま受け止めるのではなく、心にバリアを張って、「自分は対話者である前に観察者だ」というスタンスで挑まれたそうです。
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「私の記事を読んで困惑されている思いと、その理由を言葉を尽くして伝えてくださったことに感謝しています。私だったら困惑した相手にはそもそも関わりを持とうとしないので、こうやって対話をしようとメッセージをくださったことに、私と理解し合いたいという気持ちを感じました」
と返しました。
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まず相手を承認する。それが、武装を解く手立てだった。すると相手の感情がトーンダウンして、自分のことを語り始めた。
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その方は元小学校教員の男性で、教員時代に養護教諭がほぼ女性であること、就労体験で保育園が女子に偏ること、男子の着替えのプライバシーが軽視されることなどに問題意識を持ってモヤモヤしていたと言う。問題意識の根底には、「男として粗雑に扱われ傷ついてきた自分」、「女性は男性より優遇されていてアンフェアだ」という悲しみと怒りがあった。
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だから悲しみや怒りには共感を示しながら構造の話をすると、「でも男性も」と言い始めて、そこから踏み出せない。ホモソーシャルについて詳しく説明すれば、「いわゆる悪ノリのことですね」と一言で返ってくる。同性同士の関係性が女性嫌悪と同性愛嫌悪によって補強されているという構造の話は、届いていなかった。
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そこで星野さんは、自分自身のことを話された。教員になりたての頃、「野郎飲み」という慣行があったこと。そこで繰り広げられる下ネタ、武勇伝、同性愛者への蔑視的な発言が本当につらかったこと。星野さんがゲイであるから、なおさら。
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1週間にわたる「膨大な」DMのやりとりの末、その方は星野さんに謝ったそうです。最初は嫌悪感と怒りをあらわにしていた人が、「ジェンダー教育実践家」ではなく「人間としての星野俊樹」と対話してくれるようになった、と。
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「クソリプの向こうに対話の可能性を確かに見いだせた、そんな体験だった」。考え方がまったく違う相手でも、対話の必要性を感じた相手には、いつか実際に会ってみたい。いいカフェで、美味しいケーキとお茶を飲みながら、シラフで話してみようと思っている、と。
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「相手が目の前にいるという身体性は、対話においてとても大事な気がしています。SNSという匿名性が担保される場において、人は人じゃなくなる」
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改めて一言一行の方だと感動しました、そして確かに目の前に星野さんがいるという身体性が、今回一番大きなギフトでした。
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私は年を取るということは、好きな人と会いたい人が増えるということだ、と思っています。好きな人がいて会いに行ける機会があると、ほいほいと出かけていきます。
しかし星野さんは、どちらかというとそういうタイプではないとわかりました。とても繊細で、たくさんの人に会うよりも、一人の時間、そしてじっくり人と向き合うことを大切にされている。
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そんな星野さんが、時間を使ってわざわざ福岡に、私に会いに来てくれた。こんなに嬉しいことがあるだろうかと、幸せで胸がいっぱいの2日間でした。
星野さん、特別な時間を本当にありがとうございました。
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星野さんは出版社勤務を経て小学校教員に転身し、20年間にわたって教室の中でジェンダーやセクシュアリティの授業実践を重ねてこられた方です。昨年教員を退職し、現在はフリーランスとして学校・自治体・企業への研修や講演、執筆、翻訳に取り組んでいらっしゃいます。昨年6月に『飛び越える教室 フェミニズムと出会った僕が子どもたちと考えた「普通」』を出版されました。
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今年1月、ドルトン東京学園で行われたハイテックハイのカンファレンスでご一緒したぼがきっかけです。私たちはそれぞれ別の分科会を持っていたので、直接交流する機会はなかったのですが、その後、星野さんの著書を拝読して感激して、メッセージを送りました。たまたま福岡にいらっしゃる機会があって空港で短時間ご一緒して、その後ラジオで対談させていただいたのですが、その際にパーパスセッションを行っているという話をしたところ、「受けてみたい」とおっしゃってくださって、なんと本当に福岡に来てくださったのでした。
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初日、飛行機で到着してそのままお店に直行してくださるというスケジュールでした。たまたまその日は大雨で、お店は地下鉄の駅からそんなに遠くもないのですが、迷わず到着されるかしらと、ドキドキしながら待っていました。
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星野さんのご希望は「いま転機を迎えているので、これからの働き方について整理してみたい」というもので3時間近く、ゆっくりお話を聞かせていただきました。
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本当に正直な方です。「自分の中にあるマイノリティ性=恥ずかしいと思うこと、矛盾していること、人に知られることが怖いこと、あってはならないと思っている自分自身」に真剣に向き合っておられる。自分自身の解像度が高い人は、独特の優しさがあります。隠さずにご自身を見せてくださる方を前にすると「この人の前では自分を偽らなくていい」という圧倒的な安心感で、自然と涙が出てくるような感動があります。この短期間でこんなにも大好きになったのは、その存在感に他ならないと思っています。
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セッション終にカウンターでお酒を飲み、その後、天神三丁目のカフェ・屋根裏獏へ。そして私の心の実家、スーホダイニングバーへお連れしました。モンゴル人のスホさんとタカシさんがやっているモンゴル料理のお店で、民族衣装を着て食べて歌って。星野さん、よくお似合いで楽しんでいただけたようです。
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翌日は糸島へ。この日の運転手は私の下の子どもです。
まず桜井神社へ。江戸時代初期、福岡藩二代目藩主・黒田忠之が建設した神社で、古墳の前に本殿・拝殿・門が並ぶ全国的にも珍しい配置が特徴です。境内の奥には伊勢神宮から分霊した桜井大神宮が鎮座していて、福岡屈指のパワースポットとして知られています。
その後、二見ヶ浦の夫婦岩へ。海岸に佇む大きな白い岩のそばで記念撮影をして、ビーチのカフェでお茶をしてから福岡に戻りました。
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翌日、私は昼スナの営業日だったのでご一緒できなかったのですが、宗像エリアをおすすめしました。レンタカーを借りてお一人で散策されたそうで、道の駅にある漁師のお母さんたちが作る食堂でお昼を。地元のお料理が小皿でたくさん並んで、好きなものをピックアップするスタイルです。「お魚とイカのおいしさにびっくりした」というメッセージをいただきました。温泉にも入られて、大満足でお帰りになったようです。
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移動や食事の合間に、たくさんお話ができました。パートナーやワンちゃんのちいころちゃんのこと、そして印象に残ったのはDMでの対話の話です。
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ジェンダー関連の情報を発信している方には、必ずと言っていいほど批判的なコメントがつきます。あるとき、星野さんのインスタの投稿に批判的なコメントを書いた方がいた。スルーしようとしたら、DMが届いた。「意見を聞かせてほしい、無視しないでくれ」。これはただのクソリプではないと感じて、星野さんはDMで対話することにしたそうです。
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しかしこういうやりとりは非常にダメージを受けるもの。だから相手の言葉をそのまま受け止めるのではなく、心にバリアを張って、「自分は対話者である前に観察者だ」というスタンスで挑まれたそうです。
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「私の記事を読んで困惑されている思いと、その理由を言葉を尽くして伝えてくださったことに感謝しています。私だったら困惑した相手にはそもそも関わりを持とうとしないので、こうやって対話をしようとメッセージをくださったことに、私と理解し合いたいという気持ちを感じました」
と返しました。
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まず相手を承認する。それが、武装を解く手立てだった。すると相手の感情がトーンダウンして、自分のことを語り始めた。
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その方は元小学校教員の男性で、教員時代に養護教諭がほぼ女性であること、就労体験で保育園が女子に偏ること、男子の着替えのプライバシーが軽視されることなどに問題意識を持ってモヤモヤしていたと言う。問題意識の根底には、「男として粗雑に扱われ傷ついてきた自分」、「女性は男性より優遇されていてアンフェアだ」という悲しみと怒りがあった。
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だから悲しみや怒りには共感を示しながら構造の話をすると、「でも男性も」と言い始めて、そこから踏み出せない。ホモソーシャルについて詳しく説明すれば、「いわゆる悪ノリのことですね」と一言で返ってくる。同性同士の関係性が女性嫌悪と同性愛嫌悪によって補強されているという構造の話は、届いていなかった。
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そこで星野さんは、自分自身のことを話された。教員になりたての頃、「野郎飲み」という慣行があったこと。そこで繰り広げられる下ネタ、武勇伝、同性愛者への蔑視的な発言が本当につらかったこと。星野さんがゲイであるから、なおさら。
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1週間にわたる「膨大な」DMのやりとりの末、その方は星野さんに謝ったそうです。最初は嫌悪感と怒りをあらわにしていた人が、「ジェンダー教育実践家」ではなく「人間としての星野俊樹」と対話してくれるようになった、と。
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「クソリプの向こうに対話の可能性を確かに見いだせた、そんな体験だった」。考え方がまったく違う相手でも、対話の必要性を感じた相手には、いつか実際に会ってみたい。いいカフェで、美味しいケーキとお茶を飲みながら、シラフで話してみようと思っている、と。
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「相手が目の前にいるという身体性は、対話においてとても大事な気がしています。SNSという匿名性が担保される場において、人は人じゃなくなる」
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改めて一言一行の方だと感動しました、そして確かに目の前に星野さんがいるという身体性が、今回一番大きなギフトでした。
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私は年を取るということは、好きな人と会いたい人が増えるということだ、と思っています。好きな人がいて会いに行ける機会があると、ほいほいと出かけていきます。
しかし星野さんは、どちらかというとそういうタイプではないとわかりました。とても繊細で、たくさんの人に会うよりも、一人の時間、そしてじっくり人と向き合うことを大切にされている。
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そんな星野さんが、時間を使ってわざわざ福岡に、私に会いに来てくれた。こんなに嬉しいことがあるだろうかと、幸せで胸がいっぱいの2日間でした。
星野さん、特別な時間を本当にありがとうございました。
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昼スナママ・フィッシュ明子の役にたたなくてもいいラジオ
フィッシュ 明子
- 00:161.
タイトルコール
- 10:002.
批判者と1週間にわたるDMでの対話
- 02:233.
目の前にいるという身体性
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