TOPビジネスニュース・天気野村修也の深掘りニュース防衛白書が強調する新しい戦い方とは⁈ 日本はそれにどう備えようとしているのか。10分で解説します。09:42 8月11日 405再生 問題を報告する 再生する シェアする 防衛白書が強調する新しい戦い方とは何か。日本はそれにどう備えようとしているのか。防衛費の増額の必要性と成長投資との関係についても考えます。AI目次防衛白書が示す新たな戦い方とは無人アセットと複合領域戦術の進化日本の防衛戦略:新領域への挑戦継戦能力と国産AIが支える防衛力防衛費増額は成長投資となりうるかAI文字起こし(β版) # チャプター 1 皆さんこんにちは。野村周也の深堀ニュースです。 今日は防衛白書で明らかになった新しい戦い方についてお話しします。 防衛省は8月4日、令和8年版の防衛白書を公表しました。 その特徴の一つが、新しい戦い方に関する記述が大幅に増えたことです。 ウクライナ戦争では戦車などを用いた伝統的な戦い方が続いている一方で、 無人機やAIの活用に代表されるような新しい戦い方が大きなウエイトを占めるようになりました。 これを受けて各国がその対応を急いでいることが防衛白書で明らかにされたわけです。 では新しい戦い方とはどのようなものなのでしょうか。 まず注目されるのが、無人アセットの大量投入と用途の拡大です。 無人アセットとは、ドローンとか無人潜水艦などのように、人間が同情しない装備のことです。 無人アセットを利用すれば、相手方の戦力を消耗させながら、自国の戦力を温存できることになります。 また、自爆型のドローンや囮ドローンを大量に投入すれば、相手国の防空網をフル稼働させることになり、 その隙間を縫ってミサイルが防空網を突破しやすくなります。 貨物に偽装した木製キャビンの中にドローンを隠した船で敵基地に近づき、遠隔操作で攻撃するといった手法も見られます。 ドローンは攻撃だけではなく、偵察活動などでも威力を発揮しています。 次にネットワークとAIによる意思決定の高速化に注目が詰まっています。 前線部隊、ドローン、衛星などから得られる情報をネットワーク上で統合し、 AIで処理・分析して部隊間で共有することで、敵を発見してから火力を割り当てて攻撃するまでの時間が大幅に短縮されます。 AIによる自立飛行を利用することで、電磁波妨害を受けても攻撃できるドローンの開発も進められています。 さらに防衛の世界でウサデンと呼ばれる領域、すなわち宇宙、サイバー、電磁波の領域が重要性を増しています。 宇宙では早期警戒、通信、位置の測定、偵察などの機能を担う人工衛星が大きな役割を果たすようになっています。 サイバー空間ではサイバー攻撃の頻発化と高度化が進んでおり、それへの対処が重要になっています。 電磁波の領域でも、電磁波攻撃からGPSやレーダー、ミサイル誘導装置などをどのように守るかが深刻な課題になっています。 情報戦という新しい戦い方にも注目が詰まっています。 敵や第三者に成りすまして攻撃を行う、いわゆる偽旗作戦や、偽情報をルーフすることで敵を混乱させる行為も頻発するようになっています。 防衛を続ける力、すなわち軽戦能力の重要性も明らかになっています。 戦争が長期化すると、装備品や弾薬は想定以上に早いスピードで消費されます。 このため、平時から十分な備蓄を確保するとともに、戦時に大量生産、修理、補充できる防衛産業、技術基盤を整備することが必要となります。 また技術革新と戦術変更のサイクルが極端に短くなったことも最近の特徴です。 偵察用だったドローンが攻撃用に変わり、それへの対抗策として電磁波攻撃が開発され、 それに対抗するために光ファイバーによって有線で接続されたドローンが登場するなど、対抗策に対する新たな対抗策が次々に生まれています。 その他にも、ドローンの利用によって大型の走行車が狙われやすくなると、 オートバイ、バギー、電動スクーターなどといった小型の移動手段を用いた攻撃も開発されるようになっています。 このように短いサイクルで防衛装備が進化するようになると、現場からのアイディアを吸い上げることと、 場合によっては現場が直接調達できるようにするシステムを開発することも重要になっています。 最後に同志国や同盟国からの支援が重要度を増しています。長期戦を支えているのは国内の軍事力だけではないからです。 海戦初期の攻撃を耐え抜き、同盟国、同志国から継続的な支援を受けられることが重要な戦争遂行能力となっています。 ではこうした状況に日本はどのように対処しようとしているのでしょうか。 まず無人アセットについては、無人飛行機、無人船、無人潜水艦などを大量に購入し、多層的な沿岸防衛体制を構築することを目指しています。 そのために2026年度はおよそ2773億円の予算を計上しています。 宇宙領域では2025年に策定した宇宙領域防衛指針に基づいて、衛星通信の整備に力を入れています。 現在は防衛通信衛星きらめきが3期体制で配備されていますが、その後その後継機の製造が重要になっています。 さらに衛星コンステレーションといって、同盟国の衛星も含めた衛星同士の連携を強化することも重要となっています。 こうした取り組みを踏まえて、今年6月に防衛省設置法が改正され、航空自衛隊は航空宇宙自衛隊へと改組されることになりました。 サイバー空間では深刻化するサイバー攻撃に対処するため、2008年に陸海空の共同部隊として自衛隊サイバー防衛隊が設置されました。 さらに2025年には自衛隊法の改正を含むサイバー対処能力強化法が制定され、サイバー攻撃を未然に防ぐために能動的に無害化措置を講ずる権限が自衛隊に付与されました。 電磁波の領域では、日本に対する電磁波攻撃から日本の通信機器を守る力や、逆に侵略国の通信やレーダーを妨害する力を強化しています。 AI技術の面では、自衛隊指揮官の迅速な判断を後押しするために、情報の収集、分析、評価などを担うAIの導入を急いでいます。 8月10日の読売新聞によれば、その中心には国産AIを据えることが計画されているようで、その有力候補としては新興企業である魚AIが開発した魚フグという名のAIが浮上しているようです。 この魚フグというAIは、複数のAIに処理を割り振ることで、低コストで高いパフォーマンスを提供できるといった特徴を持っている点が高く評価されています。 軽戦能力の向上では、国内の軍事産業の育成が不可欠です。 今年4月に防衛装備移転三原則が改定され、殺傷能力のある装備品の輸出を原則として解禁しました。 その狙いは、中古でも構わないので日本の安くて性能の良い防衛装備品を買いたいという東南アジア諸国のニーズに応えることで、 いざという時にこれらの国々から同じ規格の装備品を調達できるようにするといった狙いがあるほか、国内の防衛産業を育成することで軽戦能力の強化につなげる点に求められています。 このように新しい戦い方で攻めてくる相手国から、しっかりと国民の生命財産を守れるようにするためには、かなりの防衛費が必要になります。 既に岸田内閣の時点で、2027年度までに防衛費を2倍にし、対GDP費2%を目指す方針が決まっています。 これを踏まえて防衛省は、2027年度の予算編成に向けた概算要求で、過去最高の8.9兆円を要求する方向で調整に入ったと報じられています。 こうした防衛費の増額に対しては、反対する国民も少なからずいるかと思いますが、 これまでの説明で明らかなように、新しい戦い方が急速に浸透する中で、その備えは不可欠だと言わなければなりません。 その際注目しなければならないのは、新しい戦い方への対処の多くは、例えばAIなどのように、軍民療養の技術への投資である側面が強いという点です。 つまり単なる軍閣ではなく、ビジネスへの成長投資という側面を見ていくことが必要なのではないでしょうか。 今日は新しい戦い方についてお話をしました。では次回をお楽しみに。 もっと見る野村修也の深掘りニュースプレミアム放送配信中!09:421.チャプター 1コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
国際刑事裁判所の赤根所長への経済制裁。日本の取るべき道は⁈ 10分で解説します。 10分・8月26日・ 532再生AI目次赤根所長への経済制裁、その異例性とは?国際刑事裁判所ICCの権限と限界米国がICCを敵視する長期戦略日本政府の現状と求められる対応国際的コンセンサス形成への日本の道
プーチン大統領の択捉島訪問。改めて考えよう!北方領土はわが国固有の領土だ。 10分・8月13日・ 631再生AI目次プーチン氏の択捉島訪問と日本の抗議北方領土は日本固有、江戸からの歴史「千島列島」の定義、サンフランシスコ条約の真意ヤルタ協定は無効?ロシア主張の誤謬返還交渉の軌跡と、打開策への問い
生成AIの発達で新たに浮上した「声」の権利とは⁈ 10分で解説します。 9分・8月12日・ 381再生AI目次生成AI悪用!あなたの声が凶器に?声の権利、法務省の解釈指針著名人の声を保護するパブリシティ権AIによる声の模倣、侵害事例とは一般人の声も人格権で守られるか
防衛白書が強調する新しい戦い方とは⁈ 日本はそれにどう備えようとしているのか。10分で解説します。 10分・8月11日・ 405再生AI目次防衛白書が示す新たな戦い方とは無人アセットと複合領域戦術の進化日本の防衛戦略:新領域への挑戦継戦能力と国産AIが支える防衛力防衛費増額は成長投資となりうるか
知っているようで知らない非核三原則。安保三文書での改訂はあるのか⁈ 10分で解説します。 10分・8月8日・ 480再生AI目次非核三原則 改定の是非とは非核三原則誕生の舞台裏法的位置付けとNPT条約「持ち込ませず」と日米密約迫る脅威 原則見直しの時か
外国人に人気の日本の地下水!どう守れば良いのかを、10分で解説します。 10分・8月6日・ 424再生AI目次日本の地下水が抱える三つの問題地下水は誰のもの?所有権と公共性地下水保全の課題と法整備の限界国が進める地下水保護策とその提言外国人による土地所有規制の行方
辺野古事故。船での出来事は、船長とヘリ基地反対協議会のいい加減さの表れだ! 10分・8月5日・ 480再生AI目次事故当日のずさんな船長判断と危険な乗船生徒操縦体験で臨時制限区域に侵入した理由相次ぐ転覆と救助要請を怠った船長たちの顛末なぜヘリ基地反対協議会は無登録運行したのか船長の操縦資格と安全管理に問われる法的責任
為替介入で生じた利益は消費税減税の財源になり得るのか⁈ 10分で解説します。 10分・8月3日・ 727再生AI目次為替介入の舞台裏 円安是正の動き外貨め特会とは 為替介入の基盤円安で生じる為替差益のメカニズム介入利益、消費税減税の財源となるか一般会計繰入で減税財源へ道筋
同志社国際高校の辺野古事故。第三者委員会はどこまで原因を分析できた⁈10分で解説します。 10分・8月2日・ 624再生AI目次同志社国際高校 辺野古事故の経緯なぜ同志社は危機管理に甘かったのか報告書が深掘りできなかった核心潜む「歪んだ教育」の可能性とは真の事故原因解明はどこへ向かう
日本人の数が1億2000万人を切った!どうなる人口減少⁈ 10分で解説します。 10分・7月31日・ 480再生AI目次日本人人口1.2億人割れ 外国人増加との現実2070年には8700万人へ?人口予測の衝撃GDP・社会保障・インフラ 深刻な影響G7比較で見る人口減少の新たな視点AI活用と未来をデザインする外国人政策