TOPビジネスニュース・天気野村修也の深掘りニュース国際刑事裁判所の赤根所長への経済制裁。日本の取るべき道は⁈ 10分で解説します。09:41 8月26日 532再生 問題を報告する 再生する シェアする トランプ政権は、国際刑事裁判所の赤根所長に対し、経済制裁を発動しました。そもそも国際刑事裁判所とはどんな組織なのか。アメリカはなぜ敵視しているのか。10分で解説します。AI目次赤根所長への経済制裁、その異例性とは?国際刑事裁判所ICCの権限と限界米国がICCを敵視する長期戦略日本政府の現状と求められる対応国際的コンセンサス形成への日本の道AI文字起こし(β版) # チャプター 1 皆さんこんにちは。野村周也の深堀ニュースです。 今日はICC国際刑事裁判所の赤根智子署長に対する経済政策について考えてみます。 8月18日、アメリカのトランプ大統領がICCの赤根署長に対する経済政策を発動しました。 正確にはOFACと書いてオファックと略称されるアメリカ財務省外国資産管理室がSDNリスト、すなわち特別指定国民リストを管理しているのですが、そのリストに赤根署長の名前が搭載されたわけです。 これにより赤根署長はアメリカへの渡航はできなくなり、アメリカ国内の資産は原則として凍結、アメリカ人との取引も制限されることになります。 また、ドル決済ができなくなりますので、アメリカの銀行やクレジットカード会社との取引もできなくなります。 さらには、制裁対象者と取引した企業にも制裁が及ぶ可能性があるため、日本をはじめ諸外国の金融機関はドル決済を維持するために、制裁者との取引を施設することになります。 これまでもアメリカから経済制裁を受けた日本人は存在していますが、それらはすべて暴力団関係者です。したがって今回の措置がいかに異例であるかがわかります。 ではそもそもICCとはどんな組織なのか、そしてなぜトランプ大統領はこれほどまでにICCを敵視するのでしょうか。 ICCはオランダのハーグに本部を置く国際機関です。1998年に採択されたローマ規定という国際条約によって設立され、2002年に活動を開始しました。 日本は2007年にローマ規定に加入し、ICC締約国となっています。 よく間違われるのがICJ国際司法裁判所です。しかしこれら2つの裁判所は全く性質が違っています。 ICJ国際司法裁判所は国家対国家の紛争を扱うのに対して、ICC国際刑事裁判所は国家ではなく個人を裁く裁判所です。 どんな犯罪を裁くかといえば、ジェノサイド、つまり集団殺害犯罪、人道に対する犯罪、戦争犯罪、そして侵略犯罪という国際社会全体にとって特に重大な犯罪です。 ICCはこれまで、今後民主共和国、ウガンダ、中央アフリカ、マリなどを中心に犯罪、戦争犯罪を訴追してきました。 ICCのホームページによれば、現時点でICCが訴追したのは75人に上ります。 その中には既に逮捕され、現在ICCに拘留されているフィリピンのズテルテ前大統領が含まれているほか、 逮捕状が出されているロシアのプーチン大統領や、イスラエルのネタニア風首相も含まれています。 しかしICCには様々な限界があります。 一つ目は、この条約の定約国が125か国にとどまっているという点です。 しかも、アメリカ、中国、ロシアといった世界の大国は加入していませんし、戦争当時国であるイスラエルも加入していません。 二つ目は、いくらICCが逮捕状を出しても、そのものを逮捕する警察組織がないという点です。 つまり逮捕は加盟国の政府に頼るしかないわけです。 そして三つ目は、ICCの訴追に偏りがあるという点です。 設立当初は、アフリカの事件ばかりを対象としていたため、欧米諸国に甘いといった批判が出ました。 そこで徐々に対象をアフガニスタン、パレスチナ、フィリピン、ウクライナなどに広げていったのですが、そのあたりから先ほどの限界が顕在化するようになりました。 ウクライナ戦争を理由としてICCは、2023年3月17日にプーチン大統領に逮捕状を出しましたが、いまだに逮捕には至っていません。 ロシアはローマ規定に加入していませんので、ロシアの警察が逮捕に協力することは考えられません。 理論上はプーチン大統領がローマ規定に加入している国を訪問したタイミングで、訪問先の警察が逮捕することが考えられますが、実際には外交上の力学が働くため、逮捕はされない可能性が高いわけです。 事実、プーチン大統領は逮捕状が出た後、ローマ規定の加入国であるモンゴルなどを訪問しましたが、逮捕には至りませんでした。 また、ネタニア府首相が訪問したハンガリーは、ローマ規定の加盟国でしたが、ネタニア府首相を逮捕しないばかりか、ICCから脱退してしまったわけです。 ここ数年、アメリカとの対立も激しくなっています。 アフガニスタンでアメリカ軍の関係者を捜査対象にしたことで衝突が始まり、2020年には第一次トランプ政権が、当時ICCの就任検察官をしていたベンソーダ氏を制裁しました。 さらにICCがイスラエルのネタニア府首相に逮捕状を出した頃から、トランプ政権との対立が激しくなりました。 2025年2月にトランプ大統領は、ICCの裁判官らを制裁するための大統領令14203に署名しました。 その第一条A-2の栄光には、国際刑事裁判所がアメリカの政府関係者に対して捜査をしたり、逮捕したり、訴追したりした場合には、 それに関与した外国人や、それに協力した外国人に対して経済制裁を加えると規定されました。 これに基づいてトランプ政権は、既に8名の裁判官を含むICC職員11名に経済制裁を加えていたのですが、 今回いよいよICCのトップである赤根省庁にまで制裁が及んだというわけです。 同時に経済制裁の対象となった弁護士を含めますと、現在アメリカから経済制裁を受けているICC職員は合計13名ということになります。 こうしたトランプ大統領の動きに対しては、盟友であるネタニア副首相を助けたいのではないか、とか、 自分が逮捕されるのを恐れているのではないかといった見方がありますが、ことはそれほど単純ではありません。 実はアメリカは、ICCが発足した当初から、ローマ規定に加入していない国の指導者に対する捜査権限を認めないという立場を主張してきました。 ジョージ・ブッシュ大統領の政権下であった2002年には、アメリカの軍人や政府関係者が国際刑事裁判所の捜査を受けた場合に、 武力攻撃を含むあらゆる手段で救出を図ることを定めた、米国役務者保護法が制定されています。 また、アメリカは諸外国に対して、逮捕状が出たアメリカ人を国際刑事裁判所に引き渡さないことを定めた二国間条約を、 ローマ規定第98条に基づいて締結するよう圧力をかけてきました。 このように、今回のアカネ症状に対する制裁の背景には、国際刑事裁判所の管轄権をめぐる長年にわたるアメリカの抵抗が存在しているわけで、 一筋縄ではいかない問題だと言わなければなりません。 しかし、その対抗策が国際機関の職員個人に対する経済政策の形をとっている点で、アメリカの行動は手段の相当性を欠いていると言わなければなりません。 では、日本政府はこの問題にどのように対処すればよいのでしょうか。 現状では高市総理が、「残念だ。」と発言し、 もてぎ外務大臣が日本の立場と相入れないと発言していますが、表立ってアメリカを非難する声明は発表していません。 日本政府が強く背中を押す形で所長に就任してもらったのに、いざという時には冷たすぎるとか、アメリカに対して弱腰すぎるといった批判が見られますが、 今はまず、朱根所長に対する金融支援を講ずることが重要でしょう。 この点、木原官房長官は必要な支援はしていくと公言しています。 その上で、最大の争点である国際刑事裁判所の管轄権をどうするか、ここを考えなければなりません。 東京裁判のような勝者の裁判で戦争指導者を裁くのではなく、法の下で平等に裁くためにはICCをどのように活用していけばよいのか。 この点を、まずは日本が主導権を発揮する形で国際会議を開いていく必要があるのではないでしょうか。 その結果、日本が主導権を発揮する形で形成する国際的コンセンサスこそが、朱根所長に対する制裁を解除する道につながるのではないかと考えます。 今日は、朱根所長に対する経済政策について考えてみました。では次回をお楽しみに。 もっと見る野村修也の深掘りニュースプレミアム放送配信中!09:411.チャプター 1コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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