この記事は、Voicyパーソナリティ澤円さんの放送をもとに書き起こした記事です。
音声でも聴きたい方は、記事最後の再生プレーヤーからお楽しみください!
目次
仕事ができる人は、伝言ゲームができる
今日はTwitterを眺めていたら、motoさんがなかなか面白いコメントをしていたんですね。それに反応して、今回のVoicyのテーマにしようかなと思ってるんです。
motoさんがおっしゃっていたのは、市場価値が低いサラリーマンは、伝言ゲームができない、とそういう話です。つまり事実と、自分の意見と主観を、ちゃんと明確に区別して話をすることができない。
結局ですね、ビジネスというのは基本的に全部伝言ゲームでできています。手段が、メールだったり、チャットだったり、行動だったりするというその違いがありますけれど、基本は誰かが誰かに伝えて進んでいて、最終的には売り上げが上がったり、お金になったり、サービスが提供されたり、ということになるわけです。
その伝言ゲームがまともに出来ない人は、要するに仕事ができない人と。なんでかというと、事実と感想が混ざって、情報の正確性というのがどんどん失われるから、とそういう話だったんですね。
これ本当に、僕ずっと言ってることで。10年くらい前から、「親父をうんと言わせるメールの書き方」というコンテンツを、人からライセンス共有を受けまして、僕はあちこちデリバリーしてるんですけれども。
その中にもできる人というか、要するに決裁権限を持っている人を人を動かせる人というのは、事実と主観を明確に分けて、分離をして伝えられること、これが必須条件である。って、そういう話なんですね。
事実と主観を分ける人は、大人の喧嘩に勝つ
ついつい人は、自分の思っていることとか感じたこととかを言いたくなる生き物なんですね。これはもうスペック上そうなっているのは仕方がないことです。
ですので、それそのものをものすごく責めるつもりはないんですけれども、ビジネスの世界でこれをごちゃ混ぜにして伝える人というのは、ほぼ例外なく仕事ができない人。もしくは人からの信頼が得られない人、と言えるんじゃないかなと思います。これは本当にですね、おそらくは幼少の頃からそういったトレーニングをしているか、もしくは意識付けがなされていないと、大抵みんなこうなっちゃうんじゃないかな、と思うんですよね。
ですので、これはあの若いとか、経験があるとかは全く関係ないです。若くてもここは明確に分かれていて、場合によっては、例えばメールを書くときにも、一通目には事実しか書いてなくて、所感だったりとか、自分の思惑だったりとかそういったものは、メールを分けて、場合によってはですね、宛先を絞って戦略的に送ってくる人なんかもいます。そういう人は、本当にいいですよね。頼れますし、信頼もできますし、そして何か一緒にやろうかなっていうモチベーションも湧いてきたりするんです。ただ、事実と主観がごちゃ混ぜになって、こちらが一生懸命仕分けなきゃいけないという状態になっていると、はっきり言ってこれは労力の無駄だなぁと思って、一緒にできれば仕事したくないな、という気分になったりもします。
僕もですね、他人に何かを言うときに、若い頃は結構ごちゃ混ぜでしたね。感情の方が先に走ってしまって、主観と事実がゴチャ混ぜになると。そうすると、ビジネスの世界における大人の喧嘩というのでほぼ確実に負けます。事実と主観分けられない人が、感情に任せて誰かに怒りをぶつけると、見事なまでにしっぺ返しをくらうんですよね。だいたいそれは、事実に即していないことを武器にして、雑に殴りかかるわけですね。そうすると見事に、狙いすましたパンチ一発で、こちらK.O.と言うことになるわけですね。ですので誰かと意見をぶつけ合うというときにも、よく論理武装とか理論武装とかって言いますけれども。そのためには正確な情報、正確なデータというのが必要になってきていて、そして感情を分離するところも、これまた大変重要なポイントになってくるかなと思います。
あとですね、やっぱり感情に任せている人は、日によってムラが出るんですよね。機嫌がいい時と悪い時で、同じ事実に対しても感じ方が違うので、言ってることが変わったりとか、こんなのが上についちゃうと最悪ですよね。そうすると下の人たちっていうのは、ずっと振り回される生活が待ち受けていますから、これはもう本当に最悪と言っていいんじゃないかなと思います。まず本当に、事実と主観はきちんと分けてお話をする癖はつけたほうがいいですよね。
次は、できない人にならないための処方箋を、もうちょっと詳しくお話をしたいと思います。
言葉は出来るだけ具体的に!「いつも」や「いっぱい」はNG
できない人にならないためには、何が大事かって言うと、言葉を具体的にしておくということなんですね。よく解像度を上げる、なんて表現方法をしたりするんですけれども、どういうことかと言うと、例えば曖昧な表現を避けるようにする、と。ビジネスの世界ではなるべく具体的な数字とか、事実に即した表現というのをするのが大事かなと思います。要するに「たくさん」とか「いつも」とか「いっぱい」とか「みんな」とか、そういう言葉を使わないということですね。
「昨日はお客さんがたくさん来ていました」ではなくて「昨日の入場者数は午前中の段階で何人、午後まで残っていたのは何人でした」みたいな感じですよね。そういった数字がもししないのであれば、例えば「パッと見た感じ7割から8割埋まっているように感じましたが、具体的な数字は別途お伝えします」という感じです。
あと「あのお客さんはいつも留守です」なんていうの、これは無しなんですね。「いつも留守」なんて「そのお客さんはこの世に存在しないのか?」って話になりますので「あのお客様には今週に入って3回面談の申込みをしたんですけれども、その都度毎回どうしても出張が重なっていたり、ほかの顧客との面談が入っているということで断られてしまいました。」みたいな。何回やったのかっていうところも説明しないと、いつもってなんじゃい!って話になるわけですよね。
じゃあ具体的にその3回っていうのはどういうふうにやったんですか、という風に上司の人も質問したりして、改善策が見つかってくるわけですよね。「電話しました」と言うんなら「メールでこういうふうに送ったらどうだ」って上司もアドバイスができるでしょうし。そうやって解像度高く説明をする、という癖をつけておくのがすごく大事かなと思います。
人を頼るのが抜群にうまくて、謝りっぷりのいい人でありたい
そして、完璧に何でもできるっていう状態である必要はないんですね。うまく相手を頼るということも、できるビジネスパーソンの非常に重要な要素になってくるかなと思います。
ですので、何でもかんでも自分ができなければならない、そして出来ていないところは隠さなければならない、という方が、よっぽど危ないですからね。重要なことっていうのは、出来ていないことも含めて、具体的に説明ができること、と考えるのが重要な要素になります。特にですね、僕の周りを見ても、できる人っていうのはほぼ例外なく人を頼るのが抜群にうまいんですよね。そして何か失敗したりとか、できない時に謝りっぷりがいいというのが特徴かな、なんて思います。
例えばですね、経営の神様と言われる松下幸之助さんがおっしゃった言葉らしいんですけれども、ビジネスパーソンで非常に大事なことは何かと言うと、「愛嬌」と答えたそうなんです。もう一つが「運がいいこと」というふうに言ったらしいんですけれども、この愛嬌ってすごい大事だと思うんですよね。愛嬌っていうのは、結局のところ人を惹きつけることになりますし、それから何か失敗したとしても、それを許容してもらいやすくなるし、そして助けてもらいやすくなるんですよね。ですので、愛嬌があるというのが、非常に重要な要素かなと感じます。
愛嬌と媚びるは違う
愛嬌があることと、やたらめったら媚びる人って、全然違うんですよね。やたら媚びる人というのは、逆になんとなく嘘くさいと言うか、あんまり近寄りたくないな、って一定のアレルギー反応を起こしてしまう人も出てきたりします。愛嬌があるというのは、何でしょうね。なかなか説明が難しいところでもあるんですが、一つ大事なポイントは、人を差別しないというところが大事かもしれないですね。
やたらめったら偉そうな態度をとったりとか、下の人間に対してやたら強く出たりっていうことがあると、これはやっぱり愛嬌のある人にはなりえないかなと思います。相手が上であろうと下であろうと、基本的に接する態度は同じようにしていて、そして下の人に対しても、例えば年下だったり、組織上の立場が自分よりも下の階層にいたりする人に対してもフラットに接して。失敗したこともオープンにできる人というのが、やっぱり愛嬌のある人になってくるのかなと思います。
そして勿論、ビジネスに関わる話をする時にはやっぱり、具体的であること。そして相手の失敗にも寛容であること。ここら辺ができると、すごくビジネスパーソンとしては成功しやすいのかなぁなんて思います。
僕自身がすごい成功を収めているという訳ではないのかもしれないので、あくまでもこれは仮説になってしまうわけですが、ただ僕の周りを見ても、やっぱり愛嬌がある人は、すごくいろんな人から協力も得られているし、結果的には、どんどんいわゆる出世というルートに乗っかっていきやすいのかな、なんて思います。
もちろん繰り返しになりますけれど、愛嬌だけでもいけませんので、その愛嬌プラス、先ほど言った、いろいろな言葉が具体的であり、指示が明確であり、さまざまなものってのがは数値化をされる。そういった人たちが、本当の意味で信頼を勝ち得る、いわゆるできる人になってくるかなと。裏を返せば、できない人にならないようにするためには、具体的な話をする。そして愛嬌のある振る舞い、そして人の接し方をする。この2点かなと思います。