ワーママはるさんが複数の人と恋愛関係を結ぶポリアモリーについて解説。性の多様性が認知され始めた現代で、恋愛的志向や未来の結婚のあり方を因数分解します。
この記事は、Voicyパーソナリティワーママはるさんの放送をもとに書き起こした記事です。
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目次
ポリアモリーとは?
今日はポリアモリーについて取り上げます。複数の人間と同時に性的な関係も持ちつつ、同時に好きになれるという「ポリアモリー」を分解します。
もしパートナーがそうであったら、浮気や不倫の原因として、ポリアモリーは理由になるのかどうかといった観点も含めて分解してみたいと思いますので、ご興味ある方、どうぞお付き合いください。
ポリアモリーは新しい概念で、1990年代頃からアメリカで唱え始められた概念の1つだそうです。皆さん、性的嗜好とか、自分で認識している性とか、身体的な性、今いろいろ話題になっていますが、LGBTなどで性のパターンというのは、多様化していることはご存知だと思います。
自分たちは男と女だと思っていても、子ども達は、男と女、体はそうかもしれないけど心は違うかもしれないし、選ぶパートナーも違うかもしれないという選択を持つかもしれません。もしくは元々持っていたけど、それを表面上に出せる世界が現代になってきています。
ポリアモリーの恋愛スタイル
ポリアモリーというのは関係する人たち全員の合意、同意を得た上で、複数の人たちと恋愛関係を結ぶ恋愛スタイルというふうにされています。
例えば女性が1人だとします。複数の関係者なので、女性が男性かわかりませんが、とりあえず男性にしておきます。男性が2人だとする。この男性2人と両方恋愛関係を結んでいて、その男性2人もそのことに合意をしている。
逆のパターンもありますよね。例えば、男性1人と女性1人と男性1人かもしれません。要は複数の関係者と恋愛関係になっている状態を全員が合意している、これがポリアモリーという恋愛スタイルだと言われています。
ポイントが関係者全員の合意を得ているということです。要は浮気とか不倫じゃないんです。浮気、不倫の何が問題って、相手側が全然知らなかったのに、勝手に違うところで違う人と恋愛関係を結んでいることが分かると、ややこしくなっていきます。
ところがポリアモリーの概念としては、関係する人たち全員がこういう状況であるということを合意した上で、恋愛スタイルが成り立っているのが前提になります。なので、不倫や浮気じゃないというのをご理解いただけたらと思います。要は1人と1人と親密な関係を築くような恋愛だったり、婚姻だったりのタイプではなくて、複数の人たちとより親密な関係を築きたいと思っているのがポリアモリーになります。
一夫多妻婚とポリアモリーの違いと難しさ
では、ポリアモリーの何が問題かですが、まず社会的な規範として人間は、やっぱり婚姻制度が社会では成り立っているので、1対1の関係性であるという前提の下でカップルは色んなところで承認されているんですよね。要は法的な承認だったり、社会的な地位だったり、職場だったり、いろんな場所で承認されています。
ところが、ポリアモリーの方は複数の人たちと恋愛、もしくは関係性を持っている状態になりますので、なかなか社会的にご理解いただくのも難しいし、社会の法的な保護を受けようとか、婚姻関係を結んで戸籍に入っていくことは難しいという関係性になります。
ただ一部の国では、一夫多妻婚って存在しているんです。これは典型的なポリアモリーですよね。男性が1人いて、奥様が何人もいるっていうのは、その奥様同士は他にも奥さんたちがいるってことを承認した上で結婚しているからです。国によっては一夫多妻制が合法だったりするので、ポリアモリーを前提としているかどうかわかりませんが、社会の基盤上そのほうが経済が成り立つとか、その方が社会存続的に国家存続的にいいんだという概念も入ってか分かりませんが、一夫多妻制の国というのはありますので、そういったところで合法的に認められています。
ただ細かく言うと、この一夫多妻制とかの婚姻関係を結んでいるようなものは、ポリガミーと言われる、複婚と呼ばれる考え方らしいです。ポリアモリーっていうのは恋愛観だそうです。多重婚のポリガミーは婚姻まで結ぶことになるので、ちょっと価値観がお互い違うんだそうです。なので今日は、ポリアモリー、多重の恋愛観について触れています。
ポリアモリーとモノアモリー
反対言葉も気になって調べたら、ポリアモリーの反対はモノアモリーと言うんです。これがいわゆる1人の人を好きになって、1人の人と恋愛をしていくという考え方ですね。
ポリアモリーかもしれないなってこの私の説明を聞いて思った方は、ネット上にポリアモリーの診断チェックリストというのが転がっていますので、よければ見てみてください。項目をいくつか見ていると「複数の人と恋愛している」「恋人が複数の人と恋愛していることが嬉しい」とか、このようにポリアモリーの方というのは、ただの不倫や浮気と違って恋愛指向や性的な嗜好をお持ちなんだと思います。
多分、不倫とか浮気っていうのは、一般的にはもともとパートナーがいて、別のパートナーというか別の誰かと関係を結びますので、そのパートナーに対して多分悪いとか罪悪感とか申し訳ないという気持ちがあるはずなんです。でもきっとポリアモリーの方は、「私はそういう人である」ということを理解してくれるようなパートナーを選んでいるし、それが合意された上で別の関係者と恋愛関係だったり、性的関係を結んでいると思いますので、その状態を全員が合意しているということになります。
なので、浮気とか不倫がバレてしまって「いや、実は俺はポリアモリーなんだ」「私はポリアモリーなの」っていうのは言い訳にならないということです。
ポリアモリーだろうがモノアモリーだろうが、その当事者が大事
このように、LGBTの考え方から、今いろんな多重婚を含めて、いろんな性的そして恋愛関係思考というのは広がってきています。要は多様性をお互いが認め合えるように、もしくは認め合ってほしいということで、働きかけがいろいろと進んでいます。パートナーシップの多様性を認めていくと、婚姻関係の多様性を認めていかなければいけなくなるので、いろんな歪みが少しづつあるんだろうなというふうに推測しています。
私自身の考えとしては、ポリアモリーだろうがモノアモリーだろうが、どれでもいいと思っています。その当事者が大事なんですよね。その当事者がどう合意しているかとか、その当事者がそれをお互いに理解しているのであれば、他人がとやかく言う問題ではないというふうに思っているので、どっちでもいいんじゃないかなっていうのは個人的に思っています。
じゃあ、身内がそうだったらどうなのかという話になります。例えば息子が「僕ポリアモリーなので、彼女が2人いるんだ」とか、「彼女と彼氏が1人ずついるんだ」とか言ったら若干戸惑いますよね。「分かった」と言いながらも、「彼女と彼氏が1人ずついるって、それはお相手のかたは嫌じゃないのかな?」とか、私はモノアモリーなので思ってしまいます。
大多数が普通ではなく、自分の価値観がその人にとっての普通
でも多分ポリアモリーの方からしたら、それは普通の世界なんですよね。普通であるというのは大多数の方が普通ということではなくて、自分が常識的に価値観としてずっと長年持ってきたものを、人間はみんな普通と思ってしまうので、私の息子がもしポリアモリーだったらポリアモリーの世界観できているので、それが普通なんだと思います。
なので私は、やっぱり息子を愛しているので、彼がそう言うのであれば、彼のそういった考え方も受け入れてやりたいなと思います。まあ、まだ幼児なんでそんなこと言わないんですけどね。
ただ、あと10年とか20年経って、ますます恋愛とか性的関係の結び方の多様性が社会的に認められるようになってくると、またいろんな「普通」が変わってくるんだろうなと思っています。今は現状一夫多妻制ではなく一夫一妻制ですし、恋愛感も一対一でやるものが一般的な常識って変な言い方ですけど、多くの人たちが普通だと捉えていることになります。
ただ、この多くの人たちが普通だと捉えていることに現状生きにくいとか、自分は絶対はそうじゃないんだよなって思ってる方は、もしかしたらポリアモリーの可能性もあるかもしれません。そういった世界がちょっとずつ認知されてますので、認知されて言語化されると、同じような考え方同じような思考を持ってる人たちがだんだん見えてくるんですよね。そうすると、より生きやすいと感じる人もいるかもしれません。