TOPライフスタイルヘルスケア・ダイエット小谷祐樹とICUANDROMEDA SHOCKに見るLess is more09:59 2025年9月28日 224再生 問題を報告する 再生する シェアする ANDROMEDA SHOCKとは、敗血症の循環蘇生指標として、CRTと乳酸を比較したRCT。この研究チームから出てくる研究テーマの特徴とLess is moreという考え方の共通点を探りました。AI目次アンドロメダショック研究の背景低リソース環境での臨床研究の意義脈圧とECMOの関係性に関する仮説研究簡略化に役立つ脈圧の基準とは普遍的な疑問に向き合う研究姿勢とはAI文字起こし(β版) # チャプター 1 こんにちは。小谷隆之です。今日はアンドロメダショックに見るレストイズモアの精神ということでお話ししてみようかなと思います。 この間のメイ論ソファスコアと続いて、このアンドロメダショックの続編であるアンドロメダショック2という研究がヨーロッパ集中治療学会でプレゼンテーションされて その結果が世に出るということですので、この研究をやっているグループというのもご紹介しながら、レストイズモアの精神というのをもう一回見直してみようかなと思っています。 このアンドロメダショックというのは、この第1弾というのは2019年だったと思いますけど、JAMAに掲載されたランダム化比較試験で 肺結晶の患者さんの循環素性においてCRT、脳細血管再充満時間、この爪のところを抑えてどれくらいで赤身が戻ってくるかという指標と乳酸値を比較して どちらを元に循環管理をした方がいいかというような研究だったわけです。 結果としては死亡率には有意差はなかったわけですけれど、結構CRTに良さげな結果だったと。 いわゆる統計学的な有意差はつかなかったけれど、中規模ぐらいのRCTで、 特にその後、JAMAにオリジナルの研究が出た後に二次解析論文が、 ちょっとジャーナル忘れちゃいました。ブルージャーナルだったような気がしますけれど、に出た時には実はベイズ解析をされたんですね。 確率論ですよね、ベイズというのは。ベイズで見ると有意か否かではなくて何パーぐらいこっちが良いよ、悪いよというのを言うわけですけれど、 CRTにかなり有利な結果だったわけです。90%近かったんじゃないですかね、モータリティが下がるのが。 結構、ハイ結晶の循環組成、もうラクテイトが、例えば他のSCVO2とかSVO2とか、いろんな指標と比べて良さそうだってなって、 もはやセプティックショックの診断基準に入るぐらいの地位まで来ていたところに、反対の方向を投げかけるというか、改めて疑問を投げかけるというような結果だったわけで、世の中すごく驚いたわけですよね。 僕は今回着目したいと思っているのが、この研究をやったのは誰かというところなんですよ。 研究責任者はグレンヘルナンデス先生という方で、チリの集中治療医ですね。 おそらくです、これはご本人に確認したわけではないですけれど、やはりチリを含めたラテンアメリカとか、場合によっては他のアジアとかアフリカの国とか、 やはりロー、ミドル、インカム、リソースの国において、例えばその頻快な乳酸値のフォローというのが常にどこでも現実的かというとクエッションだというときに、 古典的にそこにあって、繰り返し患者さんには基本的に無進周でできる微小循環というか末小循環の評価指標としてCRTというのがあるじゃないかというのが、オリジナルの疑問だったんじゃないかなと思うんです。 つまり、できるだけ使うリソース少なくても同じぐらいの管理、場合によってはよくできないかというのが根底にある発想なんじゃないかなというふうに思っているんですね。 この思いはもともと持っていたわけですけれど、その思いをより強くしたのがアンドロメダ・ペガサスという研究をやっているんですよ、グレン・ヘルナンデス先生が。 非常に光栄なことにご一緒させていただく機会を自分自身が得まして、この研究というのがどういう中身かというと、 これも非常に古典的な臨床疑問なんですけれど、何かというと、Aラインで脈圧を見ますよね。中枢血圧と拡張器血圧の差、脈圧を見ますよね。 だいたい脈圧が小さい時というのは、白質が少ないんじゃないか、一回白質というのは少ないんじゃないかというのを、みんなそういう感覚を持っているし、それをサポートする生理学的な論拠もあるでしょうし、 場合によってはそれをガイドにしながらいろんな診療に応用しているかもしれないですよね。 例えば、神経性ショックの患者さんだったら強心薬を足してみたりとかですね、ECMO中に脈圧が小さいとアンローディングとしてインプラを足そうかなとか、肺結晶でもいいかもしれません。 いずれもだいたいストロークボリューム、一回白質量が小さいんじゃないかという仮説に基づいているわけですよね。 今回、アンドロメダ・ペガサスという、これは普通の観察研究です。観察研究でやっていることは何かというと、脈圧が40未満だったら、ECMOで見たLVOTVTIが15未満なんじゃないかという仮説です。 つまり、脈圧を見ていればストロークボリュームが少ないことを予測できるんじゃないかというものです。 これもやっぱり同じだと思うんですよね。例えば日本だったら、ECMOって本当に潤沢に、しかもかなり精度のいいECMOがiシューに、場合によっては複数台ありますよね。ERでもそうかもしれません。 でも、それって多分ユニバーサルにそうではない場合もしばしばあると思うんです。 あとは、ECMOの検査技師さんがやるって決まっていた場合には、やっぱりそのアベラビリティが限定されるということもしばしばあると思うんですよね。 なった時に、これ、パルスプレッシャー、脈圧で見ればいいじゃん。だってAラインは入っているでしょ。Aラインは入っていて、それで脈圧というのはもう持続モニタリングできる。 そんな時に、わざわざECMOをしなくても脈圧が少ないって分かったら、まず脈圧が少ないことをディテクトできる。 この人のこれまでの経過とか病態を考えれば、そこからどうやったら脈圧を増やせるか。 引いてはストロークボリュームを増やせるかということを考えていけるっていう、診療上のリソースが限定されている状況でも生きてくるポイントがありますよね。 もう1個大事だと思っているのは、これ研究に使えるんじゃないかと思うんですよ。 つまり、例えばセプティックショックの患者さんを対象にして、血管収縮薬の新しいものを比較したいと。 例えば最近だったら、アンギオテンシンⅡとか結構注目されていると思いますけれど、 アンギオテンシンⅡと、例えばバソプレッシンがセカンドラインでどっちがいいかみたいな話になった時に、 その中に低白質、アウトプット足りてない患者さんがいたら困るんですよ。 なんでかというと、ボリュームは十分満ちている。場合によって新機能も評価されていて、 ストロークボリュームは十分あるという前提で、要するに血管拡張だけが問題なので、 どうやって締めるかだけを議論したいってなった時に、 いちいち全員にエコーをやって、それから同意書を取ってランダム化してっていうのも非常に煩雑ですよね。 そのステップを少しでも簡略化するために、パルスプレッシャー、脈圧が40以上あるっていうのを一言入れておくだけで、 非常にそのプロセスが、患者さんのスクリーニングが非常に簡便化される。 これはランダム化比較試験だけに限らず、観察研究でも利用できるかもしれない。 ってなったら、その研究にもこの基準っていうのは結構役立つ可能性がありますよね。 一方で、脈圧が少ない患者さんを見れば、ストロークボリュームをどうやって上げていくかを考えるストラテジーも評価できるかもしれない。 というわけで、やっぱりこうやって、リソースが限られているところでも診療にも研究にも生きていくような研究課題っていうものに正面から取り組んで、 かつ非常に普遍的ですよね。CRTと乳酸汁ってやっぱりみんな思ってたはずなんです。 でも誰もやってなかった。脈圧とストロークボリューム、これだってみんな思ってるし、何だったらそうだよって。 脈圧少なかったらストロークボリューム少ないよって口でも臨床上言ってるし、実践してそれに基づいた信用を展開してるかもしれない。 でも、実は未解決な問題。 そんなもの、そういうものに正面から取り組んで結果が出てレストイズモアにつながるっていう、そんな精神は僕はすごく共感するというか賛同するというか、 尊敬する研究への向かい方、ひいては診療への向かい方、集中治療を前進させる力だなって思ってます。 それでは今回はここまでです。また! もっと見る #lessismore #ICU #集中治療 小谷祐樹とICUプレミアム放送配信中!09:591.チャプター 1https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2724361コメント感想・質問・応援メッセージを書こう じゅん2025年10月6日いつも楽しく拝聴させていただいております。ICUで働く看護師です。CRTやmottling signに関して、有用性が高まっていると思いますが、数値化しにくかったり定量化しにくいためか、当院ではなかなか浸透していません。詳細に記録を残したり、複数人で見るようにはしていますが、継時的に評価できる乳酸値のみが重視されている現状があります。機械による測定もコスト面から進められていません。CRTを乳酸値と併せて活用している施設では、プロトコールの導入など何か工夫されていることはあるのでしょうか。1返信 小谷祐樹2025年10月7日とってもリアルな質問ありがとうございます!広くシェアしたかったので、こちらでお答えしました!https://r.voicy.jp/ByKo3oJDKnx1 じゅん2025年10月7日ありがとうございます。さっそく拝聴させていただきます1 T I2025年9月30日ICUで最重症の方を診療されながら、異なる医療資源、環境で働いている方のことまで思いを馳せられる先生の懐の深さに感銘を受けました。地域の診療所で働いた経験があり、簡易血ガスキットも乳酸が測れるキットはコストが若干高く、使えない施設もあったのを思い出しました。臨床で漠然と感じていたこと、エビデンスはないけども当たり前に行われていることを、自ら研究で証明してしまう行動力を少しでも見習えたらと思います。1返信 小谷祐樹2025年9月30日ありがとうございます!それぞれの環境だからこそ生じる疑問に向き合う姿勢が大切だと思います。
ICUで見る破傷風 20分・6時間前・ 22再生AI目次稀少疾患破傷風との忘れ得ぬ出会い頭部外傷と顔面麻痺に潜む危険ベテラン医師が看破した破傷風DPCデータが示す破傷風の現実長期治療の課題と予防の重要性
【ARDS60周年 #20】ARDSと右心系・静脈うっ血の関係 15分・9月8日・ 61再生AI目次ARDS症例から見る循環とPEEPの矛盾肺血管抵抗上昇が右心を蝕む理由PEEPが右心に及ぼす光と影右心不全と静脈うっ血が腎臓を襲うARDS管理、PEEPと循環の最適解
【ARDS60周年 #19】最新のARDSの定義で何が変わったのか? 19分・9月7日・ 67再生AI目次ARDS新定義の登場とその意義ベルリン定義が抱える課題とはグローバル定義が変える診断基準広がるARDS患者群と異質性問題個別化医療へ向けたARDS研究の行方
最近読んだ本×3 23分・9月6日・ 126再生AI目次プロが選ぶ!心を揺さぶる3冊の世界村上春樹が迫るオウム心理教の内面小川公代が描くケアと不確実性の本質集中治療に「芸術性」を問う新視点3冊から見出す「世界を深掘る」ヒント
【ARDS60周年 #18】免疫不全患者での呼吸不全 20分・9月5日・ 49再生AI目次免疫不全患者の呼吸不全:見落としがちな落とし穴ARDS診断の限界と根本原因特定への道ステロイド治療の功罪と診断マスクのリスク非侵襲的呼吸サポートの光と影:相関遅延の危険性BAL検査の決断:診断とリスクのバランス
【ARDS60周年 #16】外傷性ARDS 13分・9月3日・ 48再生AI目次外傷患者の低酸素血症、ARDSか「マルチプルヒット」が引き起こすARDS胸部外傷と肺座症、ARDS発症リスク外傷性ARDS予防の鍵は「鎮痛」ARDS予防の鉄則 早期の根本治療とは
【ARDS60周年 #15】ARDSは予防できるのか? 15分・9月2日・ 52再生AI目次ARDS、その予防は可能か?多重ヒット説:肺障害の蓄積輸血関連肺障害(TRALI)の教訓二次的なヒットを避ける管理戦略予防薬とARDS予防の現実
【ARDS60周年 #14】PEEPをどこまで上げて、どこで止めるのか? 16分・9月1日・ 78再生AI目次高PEEPの患者選定と適正値の探索PEEP調整時の観察点と判断基準段階的PEEP増加時の変化と考察PEEP上昇を止めるべき3つの兆候理想的なPEEP設定へのアプローチ
CRTやmottling signに関して、有用性が高まっていると思いますが、数値化しにくかったり定量化しにくいためか、当院ではなかなか浸透していません。詳細に記録を残したり、複数人で見るようにはしていますが、継時的に評価できる乳酸値のみが重視されている現状があります。機械による測定もコスト面から進められていません。CRTを乳酸値と併せて活用している施設では、プロトコールの導入など何か工夫されていることはあるのでしょうか。
https://r.voicy.jp/ByKo3oJDKnx