TOPライフスタイルヘルスケア・ダイエット小谷祐樹とICU乳酸の落とし穴09:05 2025年10月1日 152再生 問題を報告する 再生する シェアする 臓器灌流の指標として頻用される乳酸ですが、万能ではないことも理解して使いましょうという話。AI目次乳酸値上昇、見落とせない要因とは?アドレナリン使用時、乳酸値の解釈は?肝機能低下時、乳酸値はどう変化する?全体像を捉える重要性とは?AIでは代替不可?医師の判断の重要性AI文字起こし(β版) # チャプター 1 こんにちは、小谷裕樹です。 今日は乳酸の落とし穴というタイトルでお話ししようと思います。 数回前にアンドロメダショックトライアルというのを取り上げましたけれど、 あれでもCRTと乳酸を比べる、 肺結晶の循環組成のマーカーとしてどっちがいいかなというのを比較していました。 乳酸といえば、あとは肺結晶性ショックの定義にも組み入れられているぐらい、 非常に普及して認知度も高くて、 特にガイドラインでも乳酸値が下がっていくかを繰り返し測定しながらモニターしましょうという立ち位置ですので、 肺結晶にはひいては、重症な患者さんの診療・臨床経過を捉えるマーカーとして、 非常によく用いられていると思います。 だけどこれはどんなマーカーもそうですけど、 それだけ見てりゃ完璧というものはないですよね。 なので、乳酸には乳酸の落とし穴があるので、 その点を把握して、実臨床でどうやったらうまく使えるか、 逆にその欠点に踊らされずに評価ができるかというところを考えていこうかなと思います。 自分の捉え方としては、結局乳酸値というのは濃度ですので、 これは物にはどんな物でも出入りがあるわけですよね。 新しく生まれてくるなり、外的に投与されてしまったりとか、 侵入文庫というか生成文庫は様々あるとして、 その入りが増えると。 一方で、出ていくという、出て行ったり消えていくという仮定があるわけですよね。 その減っていくプロセスとのバランスなわけですよ。 貯金みたいなもんですかね。 収入と支出みたいなイメージで捉えるといいと思います。 乳酸値が高いと一般的には予防が悪いとか具合が悪いということを捉えるわけですけれど、 ここには、産む方、収入が増える、ないしは支出が減ると貯金が増えるというイメージで捉えるわけです。 一般的には循環が悪いと乳酸値が高まっていくということを捉えているわけですけれど、 それ以外にも生成が増える系もあれば、消失、ウォッシュアウトが減っていくという系もある。 例えば代表的にはアドレナリンという薬ですよね。 アドレナリンというのは乳酸生成の回路をぐるぐる回してしまうというわけで、 アドレナリンを使うとラクテと乳酸値が上がってしまうというのは必然なわけです。 逆にウォッシュアウトが減る方というと乳酸の代謝が悪くなる代表的な疾患が肝不全ですよね。 肝臓の機能が悪いとうまく処理できないので乳酸値が溜まってしまうというわけです。 なので非常にややこしいシナリオというかシチュエーションは、 例えばベースラインに肝臓の疾患を抱えている患者さんのセプティックショックで、 ノロアドレナリン、バソプレシンに加えてアドレナリンも使って血圧をコントロールしているという場合に、 乳酸値がどんどん上がっていった場合、これは本当に心臓の経過が悪いのか、 それともアドレナリンとか肝臓の影響があるのかというのを考える必要があります。 結構難しいんですね。 例えば乳酸値が6から10に上がったとして、 この増えている分の何パーセントがアドレナリンで、 何パーセントが臨床経過で、何パーセントが慢性の肝不全というか、 肝疾患に依存するのかというのは定量化できないわけですよね。 なのでやはり単位算指標に依存するというのは非常に悪いというか危険なわけです。 引きで見たときに、やはり患者さんの具合が良くなっているかというのを、 乳酸値がなくても評価したいわけですよ。 末症の色が良いとか、尿量が増えているとか、血圧が上がっているかとか、 意識が良くなっているかとか、他にもたくさんの指標があるわけですよね。 結局、単位算指標に依存してしまうと、その指標の弱点によって視野がぼやけてしまうという状況に陥ります。 なぜかというと、例えば臓器管流と乳酸値の関係を見たときに、 感度、得意度が100%という検査ではないからです。 なので、非常にこれはもやがかかった言い方になってしまうかもしれないですけれど、 やはり全体感を見るというか、俯瞰的な視野を持つということがとても大事だと思っています。 アドレナリンを使う時点で、ある種乳酸というマーカーは捨ててしまえというぐらい自分は思っていて、 むしろ低心臓で評価できる指標というのはたくさんありますよね。 例えば、肺血症に関連した心筋症も合併していたら、超音波検査で心臓の動きや形態的な特徴を捉えるのだって良いでしょうし、 さっき言ったCRTが良いかもしれないし、人によっては他の臓器管理の指標を見るかもしれない。 とにかくその全体感をきちんと捉えていくということが大切で、 これが僕はまだなかなかAIでリプレイスできないところなんじゃないかなと思っています。 これをすることこそがベッドサイドで見ている医師の仕事としてこれからも大切になっていく、 結局その判断する仕事というのが非常に大切になっていくんじゃないかなと思います。 乳酸に限らず、これは単一の検査に依存するのは非常に危険だというのは常に思っています。 特にプレゼンテーションなんかですね。 これがこうなったのでこういうふうに判断しました、みたいに言われると多いってやっぱり思っちゃいますよね。 当然ベースラインの検査前確率という指標もそうですし、 その検査単独の感度得意度ということをきちんと把握しているのかというのを考えておかないと、 診療方針を一気に左右するほど優秀な検査は日常診療の中でほとんどないというふうに思っておいた方がいいんじゃないかなと思います。 なのでこの乳酸値というのはすごくもてはやされていて、乳酸値を追っかけて診療してしまいがちなんですけれど、 やはりその限界というような指標であることは間違いないですけれど、 その限界も理解した上で診療のガイドとして使っていくというのがいいんじゃないかなというふうに思っています。 というわけで今回は乳酸の落とし穴というお話をしてみました。 それではまた。 もっと見る #乳酸 #敗血症 #ICU #集中治療 小谷祐樹とICUプレミアム放送配信中!09:051.チャプター 1https://link.springer.com/article/10.1007/s00134-018-5213-xコメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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