TOPライフスタイルヘルスケア・ダイエット小谷祐樹とICU【ARDS60周年 #13】高いPEEPが効きそうなのって、いつ?12:25 8月31日 82再生 問題を報告する 再生する シェアする ARDS60周年企画13回目の今日は、高めのPEEPが効きそうな人をどうやって見極めるかをお話しします。AI目次PEEP上昇で生じる2つの現象とは高PEEPが効果的なARDS患者の特徴PF比200が示す高PEEPの限界点肺のリクルートメントを測るRI比PEEP設定で優先すべき呼吸か循環かAI文字起こし(β版) # チャプター 1 こんにちは。集中治療院の小谷幸です。 昨日は久しぶりに本の話をしましたが、またARDSに戻っていこうと思います。 2回前、おとといはピープをどういう要素を考えて決めていけばいいかという話をしました。 ピープを上げると2つのことが起きているわけです。 1つは潰れていた肺が開くというリクルートメント。 もう1つはすでに開いている肺がさらに膨らむインフルエーション。 この2つが起きるわけです。 リクルートメントができるとピープによってがん気が増えていく。 ガス交換に関わる肺の領域が増えていく。 インフルエーションばかり起きてしまうと、その先には過膨張や循環の抑制が起きてしまう。 これを踏まえて、どういう患者さんに高いピープを使ったらいいのかを考えていこうと思います。 逆に言うと、高めのピープをやっても意味なさそうな患者さんを把握していくというところでもあります。 前回と同様、主肺ARDS、予測体重60キロの患者さんで、 1回かき氷は360㎏、0.6㎏、ピープは8㎏、プラト圧が24㎏、ドライビングプレッシャーが16㎏という患者さんで、 今のPFが120㎏というふうに考えてみます。 ピープを8から14㎏に上げると、PFは170㎏に良くなりました。 一方で、平均血圧は下がって、ノーラドレナリンの量が増えているというわけで、 一定の循環抑制はある。 PFEは良くなったけど、循環への影響もあったということで、 この患者さんでピープを14㎏に維持した方がいいかを考えていこうというわけです。 まず1つはPFEです。 PFEは絶対的なカットオフがあるわけではありませんが、 最近もインテンシブキャアメディスンというのは、 ARDSのレビューを今年はたくさん出していますが、 その中でも1つ、PFE200という数字が目安になっています。 つまり、高度肥満などの理由を除いては、 PFE200を超えている患者さんだと、そんなピープを高めにしても、 リクルートメントが新たに起きるというのは少ないのではないかということを言っています。 つまり、こういった患者さん、 肥満ではなくPFE200を超えている患者さんだと、 ピープを高くしても、新たなリクルートメントは起きなくて、 逆にむしろ既に開いている肺をさらに膨らませるインフレーションが起きてしまうのではないかということが言われています。 PFE200を超えているような患者さんは、 どちらかというと高いピープを維持するというよりは少し下げる。 ないしは、この後に言う、オープニングプレッシャー以上は、 超えながらも比較的低いピープがいいのではないかということを提案されています。 ただ、当然これはPFE200というのは絶対的なカットオフでもないし、 こういうプラクティスを良い悪いと判断するだけのRCTがあるわけではありませんので、 一つの参考です。 ただ、現時点でなかなかピープはしょっちゅう決めたり評価したりしないといけない変数に対して、 なかなか良い指標というのはないので、 一つの指標としてこれを提示しているというのが、 このナラティブレビューの立ち位置だと思います。 この患者さんが120だったのが170になったとはいえ、 まだ200を超えていないというのは一つの目安として、 まだ高めのピープを試し続ける、維持し続ける一つの要素かなと思います。 もう一つが、エアウェイクロージャーです。 エアウェイクロージャーは、ARDSの患者さんだと、 呼吸器で完全に抹消機動が閉じてしまって、 呼吸器と排放の交通が失われてしまうということがあります。 そうすると、次、この気動の圧を超えるまで、 排放にガスが届かない、ガス交換ができないというわけです。 この最も低い圧、つまり排放炎と抹消機動の閉塞が取れる圧、 一旦閉じてしまった機動が開くための圧というのを、 エアウェイオープニングプレッシャーというわけです。 例えば、ピープ8の患者さんで、エアウェイオープニングプレッシャーが12だとすると、 この8を12に上げるまでは、排放にピープが届かないというか、 排放までが閉塞してしまっているというわけです。 例えば、もともと8のピープを10に上げても、 新たに排放量が増えなかったとしても、 それはエアウェイオープニングプレッシャーの下で調整しているだけだからです。 ピープをさらに上げてしまえば、 例えばエアウェイオープニングプレッシャーが12だったところを14にすると増えるかもしれない。 エアウェイオープニングプレッシャーの下でいろいろ調整していても、 それはピープを上げても意味がなかったということも意味しないわけです。 その手前、つまり軌道を開く前に、 排放が開くかリクルータビリティがあるのかどうかの評価を行う前だったということです。 これは休憩の時間をゆっくりとって、 圧の変化とボリュームの変化を並び、並列で評価してみると分かります。 つまりエアウェイオープニングプレッシャーを超えたところから、 ぐっと範囲の容量が増えていくというわけです。 なので、一つはもちろんARDSの患者さんでもエアウェイクロージャーが起きてしまうというのと、 もう一つは先ほど少し述べたように、 肥満の患者さんで多いとされているというわけで、 ピープをエアウェイオープニングプレッシャーより低く設定しないというのは結構大切な要素になってきます。 今回の患者さんは評価したところ、 エアウェイオープニングプレッシャーが5以下だったということだと、 つまりもともとピープが8でもいいんですけど、 エアウェイクロージャーが起きていなかったんですけど、 14に上げたら、 その上げた変化はエアウェイクロージャーで相殺されることなく、 ちゃんと配布に届いているということが分かります。 ここまでPF比、それからエアウェイクロージャーの評価をしましたけれども、 もう一つがRI比です。 RI比というのは、Rがリクルートメント、Iがインフレーションということで、 RIレーションというのかな。 リクルートメントはピープを上げることで新たに開いた肺。 閉じていたけど開いた肺。 インフレーションというのはもともと開いていた肺がさらに膨らんだ肺。 その比率を判定するというわけですね。 まずは高めのピープをかける。 それで一定程度保つ。 そしてグッとピープを下げる。 そうすると下げたときの呼吸周末の肺容量がグッと減って、 いきなり呼吸器からグーッと空気が返ってくるわけですね。 その返ってくる空気は何かというと、 一つがリクルートメントされていた肺ですよね。 もともと開いていたけどピープが下がって縮んだ分です。 もう一つはもともと高いピープで開いていた肺がさらに膨らんでいたというところですね。 その二つの要素があるわけです。 この中でもともと開いていた肺がどれくらい縮むかということに関しては、 低く設定した下げたときのピープでのコンプライアンスと その下げ幅からだいたい予測できるというわけですよね。 逆に実際減った肺容量全体がもともと開いていた肺、つまりインフレーションですね。 インフレーション分を差し引いても残ってくる、 その差分というのがリクルートされていた肺だということになるわけです。 例えばピープを今8から14に上げているので、 14から4に下げてみようと。 差を10ですね、ちょっと計算しやすいので。 低いピープでのコンプライアンスが30だったとすると、 掛け算すると300がもともと開いていた肺がピープの低下によって縮む量ですよね。 だけど実際に、例えば減少した後期週末の肺容量というのが360あったとすると、 残りの60というのがリクルートされていたというふうに捉えられるわけです。 そうするとRI比というのはRが60、Iが300ですので0.2ということになるわけですね。 一般的な目安としてRI比が0.5未満だとリクルートビリティが低い、 0.5以上だとリクルートビリティがあるというふうに考えるので、 0.2ということはそんなになかったのかなというふうに、 このRI比の観点、つまりリクルート面と高めのピープにしていたからって いいことそんなになかったのかなというふうに捉えるというのが、 このRI比を使った評価の指標です。 # チャプター 2 というわけでですね、この患者さん、PEEPを8から14に上げましたと、PFが120から170になりましたと、 エアワイクロージはなさそうです。RI比は0.2です。 ただ血圧はちょっと下がりました、というわけですね。 正直僕からすると、血圧の変化、ノラドレナリンが0.25γぐらいに設定したと思うんですけど、 それぐらいだったら別にそんなに大きな問題にならないんじゃないか、 むしろ酸素がもうちょっと良くしないと、なかなか爆患にこぎつけられないんじゃないかな、ということを思っています。 ただ一方でですね、RI比低いんですよね。 なので、そこまでメリットないのかなと思いながら、多分もうちょっとだけ様子見ちゃうんじゃないかなと思います。 やっぱりワンポイントでなかなか評価するというのは難しい。 仮想としては今多分、PEEP上げてから1、2時間ぐらいのところだというふうにしていますので、 そうするともうちょっと様子見ようかなと思ったりしそうですね。 もちろんこれがPFがもっと良くなっているとか、RI比がもっと高いといえば、 さらにPEEPを高めに設定する方へ気持ちが行くでしょうし、 一方で循環の問題がより顕在化しているということになれば、おそらくPEEPは下げる方に行くでしょう。 なので結構単因子で見ないといけないので、なかなかPEEPの決定というのは一概には言いにくいわけですけれども、 一つの目安としてこのPF比、Airway closure、RI比、そして循環の指標というのを並べて、 今の患者さんにとってのプライオリティは呼吸なのか、端的に言うと呼吸なのか循環なのか、 それぞれのシステムで今どういう状況になっているのかというのを捉える代表的な指標としてこれらを使ってみるというのがいいんじゃないかなというふうに思います。 というわけで今回はどういうときに高めのPEEPを試したらいいのかというのをちょっと見てみました。 皆さんは他にもこういう指標を見ていますよとか、こういうやり方で評価してますよとかいうのがあればぜひぜひ教えていただけたら嬉しいなというふうに思っています。 次回はですね、じゃあレクルタビリティ高いぞと、高めのPEEPをやったほうがいいぞという患者さんで、 じゃあ実際PEEP何センチにしますかという目安、決め方みたいなところをちょっとお話ししていこうかなというふうに思います。 今日も聞いてくださってどうもありがとうございました。それではまた。 もっと見る #ICU #集中治療 #ARDS #PEEP 小谷祐樹とICUプレミアム放送配信中!09:441.チャプター 102:412.チャプター 2コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
ICUで見る破傷風 20分・9時間前・ 22再生AI目次稀少疾患破傷風との忘れ得ぬ出会い頭部外傷と顔面麻痺に潜む危険ベテラン医師が看破した破傷風DPCデータが示す破傷風の現実長期治療の課題と予防の重要性
【ARDS60周年 #20】ARDSと右心系・静脈うっ血の関係 15分・9月8日・ 61再生AI目次ARDS症例から見る循環とPEEPの矛盾肺血管抵抗上昇が右心を蝕む理由PEEPが右心に及ぼす光と影右心不全と静脈うっ血が腎臓を襲うARDS管理、PEEPと循環の最適解
【ARDS60周年 #19】最新のARDSの定義で何が変わったのか? 19分・9月7日・ 67再生AI目次ARDS新定義の登場とその意義ベルリン定義が抱える課題とはグローバル定義が変える診断基準広がるARDS患者群と異質性問題個別化医療へ向けたARDS研究の行方
最近読んだ本×3 23分・9月6日・ 126再生AI目次プロが選ぶ!心を揺さぶる3冊の世界村上春樹が迫るオウム心理教の内面小川公代が描くケアと不確実性の本質集中治療に「芸術性」を問う新視点3冊から見出す「世界を深掘る」ヒント
【ARDS60周年 #18】免疫不全患者での呼吸不全 20分・9月5日・ 49再生AI目次免疫不全患者の呼吸不全:見落としがちな落とし穴ARDS診断の限界と根本原因特定への道ステロイド治療の功罪と診断マスクのリスク非侵襲的呼吸サポートの光と影:相関遅延の危険性BAL検査の決断:診断とリスクのバランス
【ARDS60周年 #16】外傷性ARDS 13分・9月3日・ 48再生AI目次外傷患者の低酸素血症、ARDSか「マルチプルヒット」が引き起こすARDS胸部外傷と肺座症、ARDS発症リスク外傷性ARDS予防の鍵は「鎮痛」ARDS予防の鉄則 早期の根本治療とは
【ARDS60周年 #15】ARDSは予防できるのか? 15分・9月2日・ 52再生AI目次ARDS、その予防は可能か?多重ヒット説:肺障害の蓄積輸血関連肺障害(TRALI)の教訓二次的なヒットを避ける管理戦略予防薬とARDS予防の現実
【ARDS60周年 #14】PEEPをどこまで上げて、どこで止めるのか? 16分・9月1日・ 78再生AI目次高PEEPの患者選定と適正値の探索PEEP調整時の観察点と判断基準段階的PEEP増加時の変化と考察PEEP上昇を止めるべき3つの兆候理想的なPEEP設定へのアプローチ