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飲食店の売上を減少させる「メニューお下げします」から考える顧客目線のコミュニケーション− 税理士 大河内薫

飲食店の売上を減少させる「メニューお下げします」から考える顧客目線のコミュニケーション− 税理士 大河内薫

この記事は、Voicyパーソナリティ大河内薫さんの放送をもとに書き起こした記事です。
音声でも聴きたい方は、記事最後の再生プレーヤーからお楽しみください!

「メニューお下げします」はお店側の都合

「メニューお下げします」の一言が飲食店の売上を減少させている。リテラシーが高いというか、勘が鋭い方はこれだけでわかりますよね。

例えば、あなたが飲食店に行って、一通り注文した後に「メニューお下げします」と言われたらどう思いますか?こう思う人絶対いるんですよね。「まだ後で頼むからメニュー置いといてほしいな」って。「後で頼む時にメニューなかったら店員さん呼ぶの大変だな、面倒臭いな、頼むのよそうかな」って思う人いると思うんですよ。だからメニューは基本下げちゃいけないんですよね。

店側の気持ちも分かります。メニューが1席に1つじゃないところもあるからね。足りなくなるとか、料理を運んできた時にメニューが邪魔になって置きづらい。だからメニューを下げるのが合理的なのは分かるんだけど、でもそれは店の都合じゃないですか?お客さんにとっては関係ないですよね。お客さんは食事をしにきて、飲みたい物を頼んで、楽しく食事をして帰りたい。ただそれだけなんですよ。それに対して、メニュー下げる下げないは全くお客さんには関係ないですよね。お客さんの立場に立てばメニューは下げるべきじゃないんです。だから、こういう顧客目線はビジネスでも、日常でも重要だなって思うんです。

必要なのは圧倒的な顧客目線

なんで今日この話をしたかというと、この前とあるステーキ屋に入った時に「メニューお下げしますか」って言われたんだけど、全然悪い気がしなかったんです。

アルバイトの女の子だと思うので、本当にナチュラルにやってるんだろうなと思うんですが、どんな一言を言われたかというと「メニューお下げしますね」って言う時に「メニュー一旦お下げしますね。また頼みたいときはいつでも呼んでください。すぐにお持ちします」って言ったんですよ。これめちゃくちゃ顧客目線ですよね。メニューを下げるのは私たちの都合ですが、あなたはまた何か頼みたい時に、これが必要になりますよね。その時に私すぐお持ちしますからっていうのは当然、店側の意思としてはどの店でもそうだと思うんだよね。だって頼んでくれたほうが売り上げ上がるわけだから。でも、それを言葉にして伝えることがいかに重要かということですね。これが出来ていない飲食店及び経営者及び人間っていうのは多いです。

日常でもすごく重要な話なので、今一度皆さん考えてほしいなって思います。これは言い換えれば、思っていることは相手に伝わっていないってことなんですよ。思っても口に出さなければ相手に伝わらないし、口に出す時もそれが難しい言葉だったら相手に伝わらないってこと。こういう話をしているとコミュニケーションは本当に難しいなって思います。相手とのやり取りのイロハは学校教育で教えたほうがいいよなって思います。

話が大脱線しますが、お金の教育は学校で教えてくれないですよね。そしてコミュニケーションも学校で教えてくれない。もっと話を広げれば、医療とか睡眠とか。こういうものを義務教育で教わることはあまりないわけですよ。でも、日常に密接に関わっているものなので、これらすべて教育で教えるべきなんですよね。でも今の教育は本当にどうしようもないというか、受験のための教育であったり、戦前から続いている軍隊のように言われたことをしっかりと早く効率的にできる大人を作るための教育だったり、そういうものが今も教育現場に残っている。だから不完全って言ったら失礼ですけど、変化の多い今の社会に順応するような人間は今の教育では作ることができない。だから僕は改めて発信することは重要だと思うし、誰が聴いても、いつ聴いてもスッと入るような分かりやすい話にしなきゃいけないなと思うわけです。僕の専門分野は、お金ですからそこは改めてしっかりと分かりやすく伝えなきゃなと思いました。

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