理学療法士のオガトレさんが、リスナーからの質問にお答えする「オガトレの体が柔らかくなるラジオ」。今回は「オガトレさんの一番好きな筋肉は?」について回答。2つの筋肉がお互いに支え合う腸腰筋の魅力をオガトレさんが語ります!
この記事は、Voicyパーソナリティオガトレさんの放送をもとに書き起こした記事です。
音声でも聴きたい方は、記事最後の再生プレーヤーからお楽しみください!
脚を上げる働きを担う腸腰筋
【本日の質問】
オガトレさんはどの筋肉が好きですか?好きな理由も知りたいです。
【回答】
実は腸腰筋(ちょうようきん)が大好きです。腸腰筋はすごい深い筋肉なんですよ。場所も奥の方にあるし、実はあまり知られてない色々な働きとか、すごく大事な役割を担っていたりするんです。その辺を理学療法士的に好きな理由を話していきたいと思います。
腸腰筋はふたつに分かれています。大腰筋(だいようきん)と腸骨筋、合わせて腸腰筋というんですね。基本的にトレーニングでは分けて話をしないんですけど、細かいリハビリが必要なときは、大腰筋のトレーニング、腸骨筋のトレーニングを分けてやったりします。大腰筋の方が長くて、腰椎についている。腸骨筋は骨盤の内側から小転子についている。それらを合わせて腸腰筋と言うんですね。
この腸腰筋って脚を上に上げる働きを持っているんです。膝を高く上げるような動き。脚をグッと上にあげたときに、おなかの奥が熱くなって使っている感じがする。それが腸腰筋なんですが、実は大腰筋と腸骨筋で細かくいうと働きが変わってくるんですよね。
いわゆる脚を上に上げる働きは腸骨筋が役割を担っています。腸骨筋の働きで脚がグッと上がるんです。大腰筋は腰椎にくっつくんですよ。なので、腸骨筋が働くのをサポートするんですね。腸骨筋が働いて脚が上がるときに、土台である腰椎がグラグラだと脚を上げるのがキツくなるので大腰筋が腰椎を安定させて腸骨筋を助けてる。
なんか素敵じゃないですかこれ、熟年夫婦みたいじゃない?大腰筋と腸骨筋は基本は一緒に呼ばれる。おしどり夫婦ですよね。大腰筋が頑張んなきゃいけない腸骨筋を支えるんですよ。もう意思の疎通が取れた熟年夫婦って気がしますよね。熟年離婚しないことを願うばかりです。なかなかこの筋肉は肉離れしたり、怪我したりすることが無いのでそんなことはないけど、実は腸腰筋はこんな深い働きを持っているんです。
大腰筋も繊維が2つあって、細かく言うと腰椎を支える安定的役割がその2つによって違ったりとか。人の体って本当に複雑で面白いですよね。僕は筋肉の細かい働きとかマニアックな話が結構好きで、こんな働きがあるんだと思って好きになったりしますね。