この記事は、Voicyパーソナリティオガトレさんの放送をもとに書き起こした記事です。音声でも聴きたい方は、記事最後の再生プレーヤーからお楽しみください!
【質問】体が柔らかいのに、肩こりやO脚に悩んでいます
のあママさん:
娘はかなり体が柔らかいのに肩こり、O脚、ガニ股に悩んでいます。整形外科では骨に異常はないらしく、正直お手上げです。もともと柔らかいので、ストレッチでは解決しないかもしれませんが、オガトレさんなら何かご存知ではないかと質問させて頂きました。
ご質問ありがとうございます。このお悩みに対するお答えは決して診断とかそういうものではないので、あくまで僕の個人的な意見として捉えてください。これについては、まずいろんな症状が出ている原因が、体が柔らかすぎるっていうところが1番の問題です。
実は、この体が柔らかいっていう状態を紐解いていくと、筋肉が柔らかいのか、関節が緩いのかどっちかなんです。関節の緩みってどういうこと?ってとこなんですけど、関節が緩いというのは、例えば、皆さん肘を伸ばして両手同士を胸の前でくっつけてみてください。このときに肘がくっつく方は、割と関節が緩かったりします。
あとは手を前に出して、前腕(ぜんわん)って言う、二の腕の前の部分。前腕のところに指の親指をくっつけてみてください。くっつく方は関節が緩かったりします。あとは立った時に膝が反ってしまったりとか。そういうところが関節の緩さ、関節弛緩性(かんせつしかんせい)と言うんですけど、これがあると筋肉が柔らかい以前に関節が緩すぎるので、一見体が柔らかく見えるんです。
成長期の女性に多い「関節弛緩性」
実は筋肉は硬いところがあったりするんですけど、関節がゆるくて不安定で動きすぎてしまうので、例えば前屈とか、ちょっと軟体動物みたいな動きができちゃうっていう状態です。
この関節弛緩性というのは、成長期の女の子に関節が緩いという状況が多く見られたりします。その場合、ストレッチをした方が良いのか、しない方がいいのかっていうご質問には、した方がいいという答えです。
成長期の女性に多い関節弛緩性
関節弛緩性がある場合、体が硬い部分と柔らかい部分の差がすごい大きいことが多いです。例えば、太もも・膝周りの話でいくと、例えばももの裏はめちゃめちゃ柔らかいんだけど、太ももの前は正座を崩したようなストレッチをすると、すごい突っ張って硬かったり、という差が出てきます。関節弛緩性が高い場合、関節の近くの筋肉の硬さの差を減らしていくことがまず大事です。
この差を減らした状態というのは、極端に硬いところを減らしていくんです。そこはストレッチしてOKです。それをやった後に、バランスを取るようなトレーニングをするといいです。
例えば、柔らかいマットの上で、片膝立ちでフラフラしないように体をキープするとか。柔らかいクッションの上で片足立ちをしてみるとか、そういったトレーニングをしていくと関節に刺激が入って、関節に感覚を感じる場所があるんです。固有感覚というんですが、その固有感覚をトレーニングしていくことで、この関節の緩さをある程度改善することができます
ただ、やっぱり緩い状況なので、そういった危険性は今後付き合っていかなきゃいけないんですが、そういった硬さの差を減らして、バランスの感覚を鍛えていくのが大事になってきます。
関節が柔らかくても筋肉が硬いと怪我をする
この関節弛緩性関節の緩さは、実はすごく大事なんだけど、意外と見落とされがちなんです。柔らかいと思っている人が、実は柔らかいって言うよりは緩いっていう状態でストレッチをがんばりすぎてしまう。例えばさっきの話で、もも裏が柔らかくてもも前が固いっていう状況だったのに、もも裏をどんどん柔らかくしすぎてしまった結果、この差が大きくなってしまうと、怪我の危険性が高まってしまったり…ということがあったりします。
例えば中学校のバスケ部とか、テニス部とか。そういう女の子たちのリハビリを病院で経験していく中で、かなり多かったです。柔らかいって思っていても、実はゆるいという感じだったので、筋肉の硬さの差があって、それによって膝周りがすごく不安定になっていて。膝の靭帯を切ってしまったりとか、足首がゆるくて靭帯を伸ばしてしまったりとか、バランス悪くて転んでしまって手のケガをしたりとか、そういうのが結構多かったです。
この関節弛緩性のチェックが色々とあったので、気になる方はぜひ調べてみてください。「関節弛緩性テスト」とかってググっていただくと見つかると思います。確か◯つ以上当てはまったら可能性が高いという評価になったと思いますので、ぜひできる方はチェックしてみてください。